マドンナも叫んでいる

今朝のニュースで、2年前に盗まれて先月戻ってきたムンクの絵画が、修復前に1週間だけ公開されることになったと言っていた。

なんとも、痛ましい姿である。
ムンクの‘叫び‘と共に‘マドンナ‘も、どてっ腹に開いた大きな傷の痛みに耐え切れず、叫んでいるように見える。

公開は10月1日までの、5日間のみ。ムンクミュージアムにて。

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ノルウェー・オスロのムンクミュージアムでは、今までに見たこともないような厳戒態勢で、2つの絵を展示していた。
何しろ、このような犯罪は、かつてなかったわけで、のほほんとしたこの国では、世界的有名な絵画でも、どこまででも近寄って、ともすれば触ってしまうこともできるような、手前にロープも張ってない気ままな展示だった。

それが、ガラスケース入りだ。

盗まれたのは2004年の8月。
見つかったのは先月(2006年)8月。
まるまる2年、どんなところに置いてあったのか、ぶつけた傷やひっかいたようなあとがいくつもある。

発見当初は、予想より損傷はひどくないと書いてあったけど、こんなに酷くて、どんな予想してたんだか・・・

ノルウェーの大手新聞 アフテンポステン記事 9月27日付 (英語)
http://www.aftenposten.no/english/local/article1471294.ece

傷のアップ
http://www.aftenposten.no/english/local/article1455033.ece

絵を描く人なら分かると思うが、出来上がった作品と言うものにはそれなりの思い入れがあるものだ。
何度も何度も塗りなおし、描き直してようやく満足のいく作品となる。
陶芸家にしてもしかり・・・
作曲家や作詞家もそうだろう・・・
小説家だって、何度も筆を入れなおして、ようやく発表にこぎつけるわけだ。

Dramatic armed robbery (記事より)ということで、白昼堂々覆面強盗団が盗んだらしいが、保管技術はひどいっ!ひどすぎる。

強盗団が別の事件から捜査の目を反らすために絵を盗んだということで、元々絵画を盗むことを目的としていなかったせいか、愛を感じられないよね、絵に対して。

盗んだ時の詳しい状況 
http://homepage2.nifty.com/lite/hard_column/no_nippon535.html

私なんか、‘マドンナ‘の痛々しい姿に、自分の子供が怪我させられたみたいに、胸が痛んでしまう。

作品を生み出す者と、人のものを盗む者との間には、天と地くらいの違いがある。
何も生み出さないばかりか、盗んだり壊したり・・・・


かく言う私も、実は高校生の時に、描いた絵を盗まれたことがある。
美術部の文化祭用の展示作品に、模写をした作品を出品したことがあるのだが、文化祭を迎える前に紛失してしまったのだ。

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たとえ模写したものでも、一生懸命描いたものだ。呆然とした記憶がある。
幸いにも、絵はいつの間にか元の場所に戻ってきていた。
(もしかして、いじめにあってたのか?いや~、気が付かなかった・・・・)

そんな私の絵も、今は玄関の棚の上で、ホコリをかぶってて、決していい保管状況とはいえないのだけれど。

この記事へのコメント

  • SPT-LZ-00X

    はじめまして,SPT-LZ-00Xと申します。この度は,TBありがとうございました。

    > 予想より損傷はひどくない

     多分,隠すためにキャンパスから外したと予想して,折れや絵の具の剥落,その上で破れなどを予想していたのでは?
     いずれにしても,痛々しい姿になってしまったとはいえ,発見されたことは可とするべきなんでしょうね,やっぱり。
    2006年09月27日 16:35
  • ノルウェーまだ~む

    SPT-LZ-00Xさま、こちらこそTBありがとうございました。
    最近多発する事件など見ても、人の気持ちお構いなしなものが多くて、本当に痛ましいですよね。
    それでも焼かれたりせずに、戻ってきて良かったです。ホント
    これから1年かけて修復するらしいので、もとの元気な姿に戻って、また公開されるのが待ち遠しいですね。
    2006年09月27日 23:24
  • サリー

    うう・・・「損傷はひどくなかった」というのは、こんな程度だったのですね・・・。(ひどいだろうが!)
    私たちが帰宅してすぐに発見されて、偶然に驚いていました。ムンク美術館の現在の警備は全体的にかなりしっかりしていると思うけど、国立美術館は「ムンクだけ」守っている感じだし・・・行き当たりばったり、なんでしょうかね?  

    まだ~むさまの絵、素晴らしいですね!高校生とは思えない・・・(私も美術部でしたが、おほほ。)この絵を気に入ってしまった人が一旦持って行ってしまったのでは?高校生の絵には、金銭的な価値はないのですから、愛でしょう。で、間違った愛だと気づいて返した、と・・・。
    2006年09月28日 01:01
  • ノルウェーまだ~む

    サリーさまも美術部だったのですね!(実は、そうだと思っていた)
    この絵は自分でも大変気に入っていたし、まさかなくなるなんて思ってないから、へ?ってかんじでした。
    でも、一応女子高なので、愛はないかと…
    (あ、またそっちいっちゃう?)
    ちなみに短大の学園祭で展示してたインテリアデザインの教材(小さな額のちぎり絵)が、見に来た一般の人に気に入ってもらって、売り物ではなかったのですが1万円で買ってもらえました。
    今あの作品はどこでどうなっているのでせう?
    2006年09月28日 10:32
  • サリー

    いまさらお返事ですがー。
    「女子高美術部出身」です。えへ。
    女子高のほうが、愛はあふれているかもしれませんよ(?)・・・私は無縁でございましたが。
    それにしてもまだ~むの才能、素晴らしい!

     そういえば、高校の文化祭では文化祭オンリーアニメサークルにも入っていまして、そこではしおりやカセットレーベル(時代・・・)を作って販売していたのですが、ふざけてロリコン18禁アニメ(当時は出始めでした。)のヒロインを描いたら、それが小さい女の子に売れてしまって・・・。まあ、絵だけ見たらかわいい女の子ですからねえ。顔だけだし、別に絵そのものには問題なかったけど・・・フクザツでした。
    2006年10月03日 01:51

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ムンクの「叫び」発見!
Excerpt: 今日は,これといったネタがないので,ネットで見たニュースのうち一番興味を持ったものについて書きたいと思います。
Weblog: よろずな独り言
Tracked: 2006-09-27 16:32

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