『誰でも一度は死にたがる・・・・・・なんとなく』
これがキャッチコピーだ。
鬱々とした青春時代。輝かしく弾けているばかりじゃないっ!
原作は「NHK(日本ひきこもり協会)へようこそ」の滝本竜彦。
ひきこもりが高じて大学を中退してしまった作者が、どこまでネガティブな一面を見せてくれるのか、公開までは、ものすごく楽しみだった・・・・・・・
「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」 公式サイト
高校入試で学校がお休みのため、かねてから『行こう!』と言っていたこの映画に、ねえねと二人で出かけた。
レヴューを読むと、どうも期待はずれだった感が強いので、あまりがっかりしないようにと事前の心構え。
とはいえ、主役はねえねと同じ高校2年生。
「恋空」など、ちゃらけた高校生ブームに異論を唱える‘真っ当な‘高校生には、いいんぢゃ?などと思ったけど、よく考えたら、元々ねえねはネガティブなんだからして・・・・・
<ストーリー>
親友をバイクの事故で亡くした高校2年の山本陽介(市原隼人)は、英語で0点を取っても、へらへらと笑って済ますいまどきの高校生。
それでも格好良く死んだ親友の能登(三浦春馬)に先を越されたと、いつも悔やんでいる。
そんなある日、毎晩月から降りてくるチェーンソーを持った怪人と戦っている美少女 絵里(関めぐみ)と出会う。
彼女はものすごい運動神経で、木刀やモップ・ゴルフのドライバーなどを駆使して、チェーンソーを振り回す大男に一人で立ち向かっていた。
「これだ!」と思った陽介は、毎晩水筒にお茶を入れて、かいがいしく彼女の応援に駆けつける。
始めは邪魔扱いされる陽介だったが、次第に絵里も心を開いていき、彼女の戦いに陽介もかかせない存在となる。
しかし、札幌でラーメン屋が成功した両親に、寮から出て札幌へ転校してくるようにと電話が入る。
もう少しでチェーンソー男を倒せそうだった絵里は、がぜん強くなった敵に、ボコボコにされ・・・・
始まりは時代劇そのもので、面白い。
違うのは、人間が制服を着て、敵がチェーンソーを持っていることだけ。
関めぐみのワイヤーアクションも、なかなか見ごたえ充分。
奇抜な設定も、想像の産物であることがはっきりしているのに、実際に怪我をしたり、バイクが燃えたりするところが、{?}なようでそれなりにいい。
市原隼人もかわいい~
どうしてあんなにクルクルパーマにするのか、理解不能だけど、可愛いから許す。
それに、表面上おちゃらけているけど、実は目の奥に鬱々とした気分を宿しているという演技が、実に見事だ。
今、私のイチオシの三浦春馬もサイコー!
最初から死んでいるので、出番が少ないのが難点だけど、バンドで歌うソーンはしびれる~
ちなみに、「恋空」のままの金髪で出ているのが、ちょっと・・・・・・
学校は、金髪でいいのか??
とんがっている生きている能登が、女をめぐって決闘をするかと思いきや、お互い謝っちゃうひ弱なヤンキーにつっかかっていくシーンは、格好良すぎ。
ボコボコにやられている彼を、草の陰から笑いながら見ている陽介と渡辺(浅利陽介)。
こんなあたりが、いまどきの高校生なのか・・・・
友達なら助けてやれよ・・・・・
っていうか、高校生なのにおっさんすぎだろっ?
陽介も渡辺も、タバコやビールを飲むシーンがあるので、当然役者は20歳を過ぎているわけだけど、それにしてもヤンキーくんたちは、おっさんすぎじゃ?
とねえねに言ったら、高校生って言ったら、こんなもんだよと・・・・・
・・・・・・・そっか~、私女子高だったから知らなかった・・・・・
みんな三浦春馬くん(本当の17歳)みたいじゃないんだ・・・・・(ちょっとショック)
死んじゃった能登を越えられないことに鬱々として、自分が絵里を助けて格好良く死ぬことを、目標にしていた陽介が、「俺たちは、だらだらと生きてやるーっ!どうだ?羨ましいだろーっ!?」と叫ぶシーン。
ネガティブながら、生きる意味を見出し、ネガティブといっても暗くない。
無駄に弾けない青春映画。
生きようとする意欲を、むやみに熱く語らない。
私の好きな、おしつけない映画。
かといって、暗く引きずることもない。
あくまで『なんとなく・・・』
あっけらかんと・・・・・・
しかし、何でだろう?
すごく惜しい。
アクションシーンがすごいのに、他の部分のテンポが悪いからだろうか・・・?
陽介の語りの部分が、マイクが近すぎて聞きづらいからか・・・・・?
担任の先生が、「ちっとも反抗してこないな・・・・・俺たちの若い頃は、もっと熱かった・・・」と面談で語るシーン。
部室でタバコをやっているのだから、充分反抗しているような?
そこそこに遊んで、ほどほどに勉強する、ねえねの学校の同級生のほうが、もっともっとネガティブなのかも・・・・・
なんとなく『生きて』なんとなく『死にたがっている』いまどきの若者。
ただこんなネガティブ感は、きょうび若者だけのものではないような気がする。
『青春の鬱々とした感情』
日本国民全員が鬱々として、実際にナタで人が殺されていく現実に、この普遍的な青春の鬱々感は、もうそぐわないのかもしれない・・・・・
どうしてもどうしても、気になったのは、陽介のズボン。
いまどきに腰パンなのだが、そんなにも下げていたら好きな子の危機を救えないぞっ!(Byおばさん)
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この記事へのコメント
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それにしても惜しい作品。最後のバンド演奏もよかったのに、もうちょっとわかりやすかったらなぁ~
kze
目の保養にはなりましたねぇ~(~_~;
ノルウェーまだ~む
場所柄原宿は、ほとんどの青年が腰パンなのだけど、時々りょうたと、「ズボン下げちゃえ~」なんて話してます。歩きにくくないのかな??
バンド格好良かったですよね!ますます三浦くんのファンになっちゃいました。
ノルウェーまだ~む
市原くんも三浦くんもかわいい&格好いいでしたねっ!
私は内容的にも、結構好きなほうでしたが…
はらやん
若い時というのは、大それたことができないことで生きていることが意味あるのだろうかと考えてしまうのかもしれません。
大それたことなどができる人というのは、そうそういるもんではないと気づくのは大人になるということなのかもしれないですけれど。
生き続けるということは、それだけでほんとうは大したことなんですよね。
ノルウェーまだ~む
「なんとなく」生きていても、生きていることが大事なんだということを、娘も感じ取ってくれたかな…と思っています。
ある意味強敵か否かは別として、チェーンソー男と戦った人は、戦うこともしなかった人に比べて、本当の意味で強くなれるんじゃないかなーと思います。