「悪夢探偵 2」切なく泣けて、とにかく怖い

極上のホラーである。
こんなに切なくて胸を打つホラーは、スティーブンキングの「ペットセメタリー」以来だ。
前作の「悪夢探偵」のようなグロいシーンは1つもない。
わっ!!!と突然出てきて脅かすような、陳腐なホラーでもない。
泣ける。
泣けるが、しかし、怖い。
こわいこわいこわいこわいこわいこわい・・・・・・・・・
最初から最後までみっちり怖い。
あああああ・・・・・・ちょっとくらい、休ませてくれ~~~っ!!!



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 「悪夢探偵 2」 公式サイト



そもそも今日は25日クリスマスである。
何でこんな日にねえねと3人でホラー映画かというと・・・



りょうたはPSPとソフトをゲット。
ねえねは夏休みに既に買っていた‘イノセント・ワールド‘のゴスロリ服とバック(セールで2万5千円)と携帯の機種変 5万くらい。
パパンは欲しがっていたネクタイ2本と、ジャケット(2万相当 勿論セールで安くゲット)

・・・・・・・・・・・そして私には、パパンがロンドンで使っているのとお揃いの、可愛いマグカップ(4ポンド)を買ってきてくれた。







「わあ~、円高の絶妙なタイミングのクリスマス時期の帰国に、ロンドンからかわいい4ポンドのマグカップ買ってきてくれてありがとう、パパン♪」
と言ったら、
「な・な・な・な・な何か欲しいものとか・・・ある?」と聞いてきたので、映画に連れて行ってもらうことにした♪

それがこの「悪夢探偵 2」
しかし、既に悪夢が始まっていたとは、この時パパンは知る由もなかった・・・・・・




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最初から怖い。この家族団らんのシーンから、胃にずっしりくるほど怖いのだ。

<ストーリー>

いじめをした3人の夢に出てくる菊川(韓 英恵)。
雪絵(三浦由衣)は同じ夢を見ていた同級生の二人が、急死したと告げて、何度も影沼京一(松田龍平)に助けを請うが、「心から彼女に謝るしかないよ。」と冷たい返事に、怯える日々を過ごしていた。

京一は人の悪夢の中に入って助けることが出来る‘悪夢探偵‘と呼ばれていたが、本当は自らも幼い時のトラウマで、悪夢に悩まされる日々を送っていた。

夢で見た怯える菊川に、自分の母と重なる部分を見た京一は、雪絵を助けるため、また自らを救い出すために、雪絵の夢へ入ることを決意したのだが・・・・・




日本の王道のホラーである。
壁や天井のシミが人の顔に見えたり、すりガラスの向こうに揺れる影に怯えたり、そんな懐かしいとも言える日本人の原体験を、見事に利用した王道にして究極のホラーだ。

古い日本家屋が怖いと感じてしまうのは、ある意味当然だが、近代的でホテルのような無機質なマンションでも、しっかり怖い。
顔を洗って、ふっと鏡を見るときのちょっとドキドキするかんじや、お風呂で髪を洗っていて背後に気配を感じるような、そんな何でもないけど何だか怖い・・・・という心理をうまく使って、見る側をじーっと胃が痛くなるまで追い詰めるように怖がらせる。


前作の「悪夢探偵」では、ぐっちょぐちょで、ドッバドバなホラーを展開した塚本晋也監督。
今回は打って変わった手法で、しっかり怖がらせながらも、切なく泣かせるシーンでは、胸にぐっとくる。
怖さでは胃が痛くなり、感動では胸が痛む。
いずれにしても、体に堪える映画である。



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京一の自殺してしまった母(市川実和子)が、とにかく怖い。
っていうか、いるだけで怖いんですけどぉ?


人には見えないものが見えてしまい、いつも怯えていた母は、息子におなじ血を遺伝してしまったと知って、幼い息子(京一)を怖がり、つい突き飛ばしてしまう。
ここでマジ泣きする子役。
多分2~3歳くらいなのだが、抱き上げて「ごめんね・・・京一、ごめんね・・・」と謝る演技に、しゃくりあげながら「いいよ・・・・ヒック・・・いいよ・・・・・」とマジで言ったに違いないこのシーンは、切なくて愛おしくて、ぐっとくる。
監督の見事な手腕が光っていた。




この子もすごいが、小学校低学年の頃の京一を演じた男の子が、実に上手い!!

母から受け継いだ血のせいで、‘恐ろしいもの‘たちが見えてしまうわけなのだが、毎晩現れる自殺した母の亡霊に、「ごめんなさい~~~ごめんなさい~悪いこと何にもしてないけど、ごめんなさい~ゆるしてゆるして~~助けてぇぇええええ」と、布団の中にもぐりこんで、また今夜もおねしょをしてしまうくだりは、怖いのに「そうそうそう・・・」と思わず笑ってしまった。

勿論おねしょはしなかったけど、誰でも子供の頃に体験したんじゃないかな~



映画が終わって出口あたりで、小学生(か幼稚園年長くらい)がポスターをバックにお父さんらしき人に写真を撮ってもらっていた。
ひえ~~!こんな怖い映画に、あんな小さい子を連れてきて・・・・・
(自分も家族でクリスマスにホラー映画だけど)
と、よく見ると・・・・・あれれ??もしかしたら、その子役の子では?

残念ながら、既に出口を出てしまった私たち。
サインでも貰っておけば、将来大物になったかも?





後半、母や菊川さんが見えていたものの正体が分かるのだが、これははっきりとしたビジュアルとして見せる必要はあったのかは疑問。
はっきり分からないところに恐怖があるわけで、見えているものが分かってしまうと、怖さは半減してしまった。


それにつけても、一番怖いのは菊川さんのお母さん。
別に怖いシーンじゃないのに、めっちゃ怖い。




映画が終わって具合が悪くなってしまったパパン。
ユラユラ動く画面に酔ってしまったらしい。
ご飯も食べることが出来ないくらいで、青ざめていた。

別に・・・・狙ったわけじゃないんだけど・・・・・・

この記事へのコメント

  • サリー

    「じゃあ、ブランド物買って!」じゃなくて、映画を所望、ステキだぞ、クリスマスプレゼント。

    興味のあった作品ですが・・・(って、1も観ていませんが。)そうですか、1と2で違う怖がらせ方なんですね。

    ちなみに私は、市川実和子、好きです(笑)テレビの「私立探偵濱マイク」で好きで、あと映画の「アナザヘヴン」もよかった。「アナザヘヴン」は原作でえらく感動してしまって、映画のキャストはみんな合わない!!って思っていたのに、実際に観たら、みんなよかったです。
    2008年12月28日 13:29
  • ノルウェーまだ~む

    サリーさんに誉められた~♪
    市川実和子は、本当に雰囲気のある女優さんですよね。
    今回はもう存在だけで充分怖いかんじになっていましたよ。
    アナザへヴンはまだ観てないですが、サリーさんのオススメ映画はどれもグ~なので、こんど見てみるね。
    でもDVDはなかなかレビューをアップできなくて…
    割と人が見ないような特殊な映画をUPするのが癖でして。アナザへヴンはどんなかんじの映画かな??
    2008年12月28日 21:03
  • ふるふる

    コメント&TBありがとうです☆
    >最初から最後までみっちり怖い。
    >あああああ・・・・・・ちょっとくらい、休ませてくれ~~~っ!!!

    わかります~怖かった~~~。
    休み無く怖かった~。
    でも感動しましたね。
    「怖いけど感動した」という感想を聴けて
    良かったです^^
    怖いけど。
    私はエレベータで心臓ばっくばくしました。
    2008年12月29日 22:00
  • ノルウェーまだ~む

    ふるふるさん、同感です!
    エレベーターは、ホラー映画でなくてもちょっとバクバクするアイテムですよね。
    私は非常階段を覗き込んでる時、チョーばくばくでした。
    あと挟まった髪の毛ね!!!
    2008年12月30日 14:15
  • サリー

    アナザヘヴンは、ホラーです。映像としてよく覚えていないんだけど、(内容に惹かれたので・・・)猟奇的なシーンも多いです。(あまり画面に映さなかったと思いますけどね。)表面的にはかなりエグいんですが、「人の悪意(や、欲望?)に寄生する存在」のお話なので・・・深いといえば深い。かなり哀しいし。
    原作で、市川嬢の役があまりに「いい娘」で(風俗嬢かなにかなんだけど。)読んでいて本気で泣いてしまったので、映画どうかと思ってましたが、(テレビで見ました。)映画の彼女もすごくよかった。観てくださいね。(今だと古く感じたりするのかなあ。ホラーもどんどんできてるし・・・)
    2008年12月30日 22:28
  • ノルウェーまだ~む

    サリーさん、ありがとう!
    是非とも観なくてはですね。
    私はこの年末、一人暮らしだったのをいいことに、2日で6本DVD映画観ましたよ。
    なぜかトヨエツものが3本っていう…
    今度はアナザへヴン借りてきます!
    2008年12月30日 22:59
  • mig

    まだ~む!
    あけましておめでとうございます!!
    ゴメンナサイ、再新記事ということで
    コメントここにしちゃいます、、、、。

    まだ~むと去年はいっぱいお話出来て楽しかったですー、
    ことしもあそびに来ますので宜しくお願いします!!
    2009年01月01日 14:40
  • ノルウェーまだ~む

    migさん、あけおめ!
    こちらこそ、素敵な最新記事をいっぱい見られて、migさんのブログに出会えて、仲良くさせてもらえて本当に良かったです~
    今年もよろしくね!
    2009年01月01日 16:47
  • ミチ

    ノルウェーまだ~むさん、あけましておめでとうございます!
    今年もよろしくお願いいたしますね~!

    「悪夢探偵」のパート1は見ましたよ!
    ホラーは苦手なんだけど、「ああ、いやだいやだ」と言いながら悪夢に入っちゃうっていう予告編に妙に惹かれたの(笑)
    ただし、Hitomiの演技は酷すぎたっ。
    パート2は地元ミニシアターに来るのかしら?
    怖そう~と思いながらも見てみたいです。
    2009年01月01日 23:08
  • ノルウェーまだ~む

    ミチさん、あけおめです~
    「悪夢探偵」は、ホラー苦手な方には、絶対オススメできないけど、本作は情緒豊かな胸に響く‘愛情‘がテーマになっているので、是非観たらいいですよ~
    東京意外では、やらないのかな?
    東京でも都心は渋谷だけなんだけど…
    2009年01月02日 17:12
  • ボー

    うわ! 映画館でご覧になったんですか!
    怖さも切なさも、倍でしょう?
    怖いけど(怖いから?)、記憶に残りそうです。
    2011年02月13日 23:54
  • ノルウェーまだ~む

    ボーさん、そうなんです。
    しかも家族でクリスマスイブに劇場で観たのです。
    怖さも勿論倍以上でした☆
    2011年02月14日 03:23

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「悪夢探偵2」舞台挨拶つき上映 観てきました。
Excerpt: 20日は公開初日を迎える映画が多い日でした。 観たい映画はたくさんありましたが、 あまり迷わずに「悪夢探偵2」だ!と思って、 舞台挨拶つきの上映チケットをゲット。ひとりで見に行きました。
Weblog: ふるふる好楽
Tracked: 2008-12-29 21:58

悪夢探偵2 ▲10
Excerpt: 初夢は見なかった。代わりに私は元旦に、悪夢を見た。
Weblog: レザボアCATs
Tracked: 2009-01-24 16:10

「悪夢探偵2」
Excerpt: ホラー風味の映画で、これほど怖く思えたのは、いつ以来だろうか。
Weblog: 或る日の出来事
Tracked: 2011-02-12 22:37

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