「クヒオ大佐」 存在がコメディ

「父はカメハメハ大王の末裔、母はエリザベス女王の妹の夫のいとこなんデース」と言った時点で嘘でしょ～
したまちコメディ映画際で紹介されていた時から、気になっていた映画「クヒオ大佐」
こんな実在の人物がいたなんて・・・・

　「クヒオ大佐」　公式サイト
したまちコメディ映画際　サイト



「ワタシハジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐トイイマス」と名乗った時点で、おかしいよね？
こんな結婚詐欺師に、まんまと騙される女たちから想定１億円もの大金を騙し取った実在の人物がいたとは、もうそれだけで『存在自体がコメディ』だ。

実際映画はそれほどコメディ色が強くは無い。
それどころか、真面目に滑稽すぎて、なんだか切なくなってくるのだ。

学芸員の春は、森で声をかけてきたクヒオ大佐に、しだいに興味を持ち始め・・・




＜ストーリー＞

いつもパイロットの制服を着て、優雅に歩いてくるクヒオ大佐（堺　雅人）は、森で子供たちに指導している春（満島ひかり）に、「あなた子供が嫌いでしょ？」とだけ言って去っていってしまった。
何度かやってきては、自分がエリザベス女王の親戚筋だとか、軍の秘密任務をしているなどと語るうち、次第に春もクヒオ大佐の餌食となっていく。

そんなクヒオはいつも弁当屋のしのぶ（松雪泰子）とお忍びの旅館デートの時に、軍から出る結婚支度金やダイアナ妃専属デザイナーによるウェディングドレスの話で釣っては、彼女から大金を巻き上げていた。

ある日、次のターゲットにするべく、銀座のナンバーワンホステス未知子（中村優子）に近づくのだが・・・・・

春の同僚で元カレの幸一（アンジャッシュ児島一哉）は、早くから忠告してくれたのだが・・・・




見た目はキモキャラだけど、ある意味一番まともなのが、彼。
早い時点で「あのアメリカ人あやしいぞ」と見抜いていたのだけど、元カレというのがネックになって、春は聞く耳をもたない～って、よくある様な話だわ☆

しかし、誰が見たって怪しいってばっ！！！



実在のクヒオ大佐なる人物も、身長１６０ｃｍで５等身、一言も英語が話せない状態だったらしいけど、どうしてあっさり騙されたのか？？？




そういえば、近年では２０歳もサバを読んでいた６０台の既婚女性が、結婚詐欺をしていたとか
少し前なら有栖川宮　詐欺事件が記憶に新しいけど、うわべや肩書きに騙される人って、まだまだいるんだなぁ～

みんな一休さんのお話知らないの？☆

さすがのクヒオ大佐も、海千山千の銀座のホステスにはかなわない



金を取れる！と踏んだ銀座のナンバーワンホステスは、さすがにこんな馬鹿げた嘘にはひっかからない～どころか、逆に鴨にされてしまうあたりは、普通に日常茶飯事起きていそうな話。

いっそのことお金を騙し取られたらいいのに・・・・と思ったけど、この辺は用心深いクヒオ大佐。
ただのバカではなかったのね。


というより、詐欺ってもっと頭のいい人がやるものだと思っていたなぁー

ファミレスで見かけたかわいそうな子供をほっとけないのには、実は訳があって・・・


後半のクヒオ大佐が、自分の生い立ちを語る部分に繋がっていく、ファミレスのシーン。
「辛いときは、空を見上げるんだよぉ・・・・」


ラストでしのぶに、自分の本当の（？）生い立ちを打ち明けるシーンが切ない。
辛い虐待を受けたことによって、妄想の世界に生きるしかなかった・・・・少年時代のクヒオ大佐は、お金のために嘘をついて人を騙しているのは許されない事実としても、実は本気でそんな妄想世界に生きていたのかもしれない。

がらんとした自宅に帰って、部屋に似つかわしくない大きなバラの花束が、テーブルに飾ってあるのを見ると、そんな彼の妄想世界が現実世界と混同しかかっているのでは？と思えてくる。





それにしても、騙されていることを知って逆にゆすってくるしのぶの弟とのやり取りには大爆笑！
「Kill you?って、そこKill me?だろー」と、英語を直されちゃったり。
クヒオ大佐の甘さというか、その程度のクヒオ大佐に騙されちゃう女の愚かさが、より一層際立ってくる。

電話口で動揺するクヒオ大佐を、付け鼻の堺　雅人が実にうまく演じている。

クヒオ大佐になりきっているけど、どこか滑稽（なりきっている時点で滑稽だけど）


「彼女たちの望むことをしてやっているだけだっ！」と最後に言い放つクヒオ。



しかし、「どうして私だったの？お金もないのに・・・」と聞く春の質問の答えは、実はしのぶが答えているように思う。

「それは好きだったからよ。」




それはしのぶの願望であると同時に、クヒオの本心だとも言える。
本気で自分がクヒオ大佐と思っている彼は、好きだから女性に近づいて、ついでにお金をいただいた・・・・ということなのかもしれない。

Comments

[KLY]

弟とのやり取り最高でしたよね～。
特に私は２度目が。（笑）
日本だと自衛隊員が制服着て堂々と歩いてるって基地周りぐらいですけど、海外では制服のステータスが高いですから、案外この設定も普通に受け取られちゃうかもですね。＾＾；

[ねこのひげ]

このクヒオ大佐の本物にあったことがあります。
というか、すれ違ったのですが・・・・
この事件がクヒオ大佐の顔写真入りで報道されて、１週間ぐらいして、山手線に乗ろうと駅の階段に向かったら、人ごみと一緒にあの格好のままのクヒオ大佐が、なにごともなかったように、駅の階段を上ってきたので、ビックリしました。
おそらく、保釈されたのでしょうが・・・・
それでも、まだあのかっこうで歩いているのには驚きました。
あの姿にだまされる女がいるのか？と疑問でしたね。
映画以上に安っぽくどうみても偽物でした。

こういうタイプの詐欺を働く人間というのは１種の精神病だそうですが、だまされる人間もおかしいのでは？と、その時は思いましたけどね。(~_~;)

堺さん本人も、十分あやしい人の雰囲気を持ってますよね。(^^♪

[ノルウェーまだ～む]

KLYさん、こんばんは～
ノルウェーに住んでいたときは、結構軍隊のお兄さんたちを見かけたものですが、イギリスではあまりいないですねぇ。
その上、パイロットの制服みたいなのはさすがに･･･
でも軍服フェチじゃないですが、男性はこういう制服を着ていると、みな格好良く見えちゃいますね。

[ノルウェーまだ～む]

ねこのひげさーぁん！！凄い！！
クヒオ大佐に会っているとは！！？
しかも、そんなにチープな軍服姿だったとは･･･
色々な意味で、凄い人ですよね、クヒオ大佐。

まあ、いまどきはかなーり年配の（おじいさんに近い）男性が、超ミニスカートのピンクのゴスロリ姿で電車に乗っていたりするのですから、軍服なんてしごくまともなのかもしれないですね。（爆）

[mig]

おはよう～まだ～む♪

これね、佐●がこの堺さんいい役者だって言ってて
この話してたんで気にはなってたけどわたしは観る時間ないかなぁ～４時間もある愛のむきだしもスタンバッてるし（笑）
私は詐欺師にはあわないタイプだと自分で思っててもわかんないよね～恋愛絡むと（笑）
KLYさんとこでまだ～むが
ねえねダメンズ好きで、、、、って思わず笑っちゃった

[yukarin]

こんにちは♪
どう見ても胡散臭いのにどうして騙されるのかかわりませんね。
お話自体は面白いという感じではなかったのですが、堺さんがうまくて笑えました。
しのぶの弟とのやりとりは一番笑えましたよ～。

上のコメントでゴスロリおじさんが気になりました。うちの近くのショッピングモールでも女性ものの服装をしたおじさんがよく出没するんですよ。それがおしゃれで似合ってるのが不思議なんです(笑)

[ノルウェーまだ～む]

migちゃん、そう思うでしょ＿？
娘がダメンズウォーカーだって…どんだけ辛いか。
笑っている場合じゃないのだ！（爆）
騙されやすい人って、実はわかっていて騙されているんだよね～
「相手の望むことをしてやってるんだ」って言う台詞があるんだけど、女性側も好きな人のために望むことをしてあげたいと思っているだけなんだろうな。

[ノルウェーまだ～む]

yukarinさん、おはよう♪
まあ！女装おじさんは、色々なところにいるんですね！？
似合っているなら許すけど、ゴスロリおじさんは、微妙に怖かった･･･
だけど、もんのすごく肌がきれいなの。つるっつる。後ろから見ると、本当に分からなくて（でも異様に背が高いので、すごく怪しい）くるりと振り向くとおじさん（ここまで完璧女装なのにメイクをあまりしていない）って、すごい怖いよ。
山手線で２度見ました。

[Hitomi]

ノルウェーまだ～むさん、こんばんは。

クヒオ大佐は滑稽ででもどこか切なくて、逮捕された時なんて可哀想になってしまいました。
この映画で堺さんは付け鼻だったけど、実際のクヒオ大佐は髪は金髪に染めて鼻も整形してたらしいですよ。その写真見てないので実際に何で騙されたのか分からないんだけどね。

でも私は堺さんなら騙されてもいいわ～～。

[sakurai]

ほんとにだまされるほうもだまされるほうですが、彼女らは、だまされていたのでもよかった・・。
彼が純粋に好きだった・・・という気持ちだったのですよね。
で、彼も真の悪人にはなれず・・そりゃそうだ。あんなんでだまそうとしてた時点でねえ、わかりますよね。
結局だました女性と今は、結ばれているという話も聞きましたが、本当なんでしょうかね。
何カ月か前に、男だまして、金奪って、・・・・の事件が相次ぎましたが、あの犯人の女性も、「えーー、なんでだまされるんの？」ってな感じでしたもんね。あ、失礼かな。

[kira]

こんばんは～♪
まだ～むのサブタイトルにもう笑っちゃった（≧▽≦）

これは若い頃、飲みながら話題にした覚えがあります。
でも、この作品を観ると、やっぱりコロッと騙されるタイプの女は
可愛いかも～（爆）
で、突っ込み担当の弟がまた面白かったし、
映画の中のクヒオは憎みきれないヤツでしたよね。

実際の大佐は新聞で写真を見た覚えがありますが、
整形したあとだったのか、、とにかくぜ～～ったいウソだぁ～と信じられなかった。
そのくらい老けていましたよ。

[ノルウェーまだ～む]

Hitomiさん、こんばんは☆
確かに相手が堺雅人さんなら、多少胡散臭くても騙されてあげちゃいますね（爆）
人を騙す話は、あまり好きじゃないのですが、なんだか滑稽で笑っちゃいました～
当時、金髪だったらアメリカ人かも･･･って思えちゃったのでしょうかねぇ？

[ノルウェーまだ～む]

sakuraiさん、確かに！
案外、すごいイケメンや美女だったら、最初から警戒しちゃうけど、そうでもないから騙されちゃうのかもしれないですね～
とはいえ、滑稽すぎますよね☆
プロフィールからして嘘臭い場合、愛が本気かどうか疑わしくなるはずなのですけど…

[ノルウェーまだ～む]

kiraさん、サブタイトル受けていただいて光栄です。
プロフィールも詐称なら年齢も詐称なわけですね！
実際の写真見たかった～

うちのお向かいさんのご主人は、よく「あの方日本人？」と聞かれるくらい洋風なお顔立ちですが、かえって警戒されちゃいそうです。
ちなみにうちのパパンは中国人から中国人に間違われる顔立ちで、たまにイギリス人から「DVDどこで売ってる？」って道を歩いていて聞かれるそうです。余計に怪しいですね。（爆）

[みすず]

あ、そうだ！！
この映画、上映当時こちらには来てくれなくて
DVDが出たら観るぞ！って思ってたのよ
ありがとう、思い出したわ♪レンタルもされてるのね～＾＾
堺雅人さん、結構好きで＾＾
楽しみにしてたの。面白いのね～♪

[ノルウェーまだ～む]

みすずさん、おはよう♪
この映画は、どちらかというと爆笑に継ぐ爆笑的なコメディではなくて、大真面目にやっているところが可笑しいんだよねぇ～
実在の人物も、堺雅人もいたって真面目にやってるの。本当にその人自身が滑稽なのYO☆

[はらやん]

ノルウェーまだ～むさん、こんにちは！

クヒオ大佐は自分で自分を騙していたんですよね。
彼にとってはクヒオ大佐である自分こそが真実で。
だからこそ相手はだまされちゃうんですよね。
コメディとはいいながら、なかなかに深い作品でもありました。

[ノルウェーまだ～む]

はらやんさん！そうそう！
自分で自分を騙していたんですよね。その通りだと思います。
そうして本気でなりきっているからこそ、女性は嘘を見抜けなかったのかも･･･
ま、しのぶの場合は途中から嘘と知りつつ騙されていたのでしょうが。