エジンバラのオールドタウンの真ん中を通る、ロイヤルマイルの東の果てにあるのがこのホリルードハウス宮殿。
現在でも王室がスコットランド訪問の際には滞在するイギリス王室の宮殿なのだ。
なので王室が滞在中は、見学不可。
そんな現在も宮殿のこの場所を、ホラースポットNo.18ということに☆
Palace of Holyroodhouse ロイヤルコレクション公式サイトのホリフードハウス宮殿HP
生後6日で女王の座に即き、フランス人の母を持つメアリー・スチュアートは、5歳でフランスへ渡り政略結婚のためフランスの王子フランソワと15歳で結婚する。
フランソワとは幼馴染で育ったメアリー。
扁桃腺肥大で右耳の後ろからいつも膿が染み出ていて、(多分中耳炎では?)不機嫌で気分屋の夫にもかかわらず、美しく人気のあるメアリーは、仲良く狩りなどに出かけて、フランスの優雅な生活を満喫していた。
噴水から入り口を見る この建物の向うにチケット売り場とみやげ物屋、カフェがある
しかしフランソワが王に即位してまもなく急逝したため、18歳で祖国スコットランドに帰ってきたメアリーは、ただでさえ陰気な気候のスコットランドで、要塞のようなエジンバラ城を嫌い、ここホリルード宮殿を好んだという。
なるほど、フランスのお城のように、その姿はとっても優美☆
正面中央には立派な噴水 入り口には、王室の紋章
12世紀に建てられたホリルード修道院は、宮殿のすぐ横に隣接してる
今は、いいかんじに廃墟になっているけど、歴代のスコットランド王が埋葬されている所でもある。
若き未亡人となったメアリーに求婚者は殺到した。
このとき父方にスコットランド王家、母方にイングランド王家の血を継ぐ、19歳の美貌の青年ダーンリがロンドンからやってきた。
教養も武芸も芸術にも秀でて、ロンドン宮廷の香り漂うこの年下の青年に、ぞっこんになったメアリーはさっさと結婚してしまう。
しかしここから悲劇は始まった。
メアリーを差し置いて国王としての権威を握ろうとするダーンリに、燃え上がった愛はすぐに覚め、妊娠を理由に次第にダーンリを遠ざけるようになる。
代わりに音楽隊の一人として雇ったリッチオを寵愛するようになっていった。
北西の塔で事件は起こった!
北西の塔のメアリーの寝室につながる小さな個室(すごい狭い部屋だった!)で、いつものようにカード遊びに興じていたところへ、ダーンリと暗殺者たちはいきなりやってきた。
メアリーのスカートに恐れおののきしがみつくリッチオを引きずり出し、寝室の次の間まで引っ張っていって57箇所も手当たり次第に刺して殺したというのだ!!
血まみれのリッチオの死体は、衣服をはがされ主階段から投げ捨てれらた。
北西の塔の内部は写真がないけど、意外に質素で部屋はどれも小さかったなぁ。
そんな惨劇があったところが、そのまま残されているというのが、すごい~
修道院を裏からながめる
向こうに遥かに広がるホリルード公園
あわよくばメアリーごと暗殺して、新しく王の座を狙おうとしていた貴族の目論みははずれてしまう。
いいように利用されていたダーンリを言いくるめたメアリーは、6ヶ月の身重の体を超人的な力で乗り切り、ホリルードから脱出する。
翌日雄々しく馬を操る身重の女王は美しく、国民から支持されエジンバラへ入城するのだった。
無事王の子供を生むべく、エジンバラ城でメアリーは、憎いダーンリとも和解しなければならなかった。
こうして、のちにスコットランド王となり、イングランドの王位も手中に収めるジェームス6世が誕生する。
エジンバラ城の中のロイヤルパレス「メアリー女王の部屋」
木の壁の向こう側にベットがあって、ここで出産した。
暖炉の上に、入り口と同じ、王家の紋章がある。
メアリーとダーンリの不和を利用したクーデターは、着々と進み、ダーンリが住む館に爆弾が仕掛けられ、ダーンリは無残な最期を遂げる。
かねてからメアリーとの恋仲を噂されているボスウェル伯の陰謀により、夫の死から4ヶ月でメアリーはボスウェルと結婚することとなる。
しかしこれによって、夫殺しに加担したとの疑惑が生じ、ついに立ち上がった反乱軍に敗北。
ここからメアリーの捕虜生活が始まるのだった。
15年以上にもわたる幽閉生活の末、イングランド女王エリザベス1世の王位を奪おうとしたノーフォーク公からの求婚に答えたメアリーは、まんまと罠に落ち、エリザベス女王暗殺の陰謀にかかわったとして、フォザリンゲイ城で処刑される。
美しきブロンドの髪で、深紅のコルセットとペチコート、赤い手袋に身を包んだメアリーは、晴れやかな顔で断頭台の露と消えた。
その悲しき運命に終止符を打ったのは、メアリー44歳のときだった。
3度目でようやく落ちた首を観客に見せようと持ち上げると、手には赤ブロンドのかつらだけが残った。
その下には老女のような、真っ白な髪が現れ、人々は驚愕したのだという。
ホリルード宮殿に展示されていた「メアリー女王の髪の毛」は、明るいブロンドだった。
まだ若く美しく、誰からも愛された頃のメアリーの髪の毛だったのだろうか・・・・・?
歴史の残酷さに、ため息をつかずにはいられない。
参考資料:「女王メアリ 血の死刑台」 桐生 操
「地球の歩き方」
ホリルードハウス宮殿 音声ガイド
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この記事へのコメント
ねこのひげ
まさに血に塗られた歴史というやつで・・・
エジンバラ城の陰鬱とした雰囲気にも納得する話です。
部屋の狭いのは、外からの攻撃に耐えるようにした結果でしょうね。
ロードス島だったかの城壁には、食い込んだ石の砲弾が残されてました。
当時は、鉄ではなく石を砲弾にしていたのかと感心しました。
最初は、城壁の飾りかと思いました。(^^ゞ
hino
読み応えありました~。まだ~むがダーリンと言っているのかと思ったらダーンリだった(^^;
耳後ろから膿みが染み出していたって箇所も、生々しくて好き
朝鮮半島は高句麗時代のドラマを観終えたところです。歴史とは人の感情の結果であると、恨みつらみや大業を志す気持ちの行動模様が、歴史を作ってきたんだなあ~って、そりゃそーなんだけど。
そっから、普段の日々の心持ちを学べます!
江原さんの動画、夜にみてみまーす!!
英国作家ジェームズアレンの本は、私のバイブル本だよ。
スピ系の本家はイギリスだね。
ノルウェーまだ~む
砲弾はたしかにまん丸な石が置いてありましたね。
芸術的に丸く削られていて、撃ってしまうのが勿体無いくらい・・・(笑)
部屋は、だいたい小ぶりなのは納得なのですけど、「その」カードをしていた部屋は特に狭く、テーブル1つでいっぱいくらいなのに、いつも個人的な食事などをそこでしていたというので、びっくりだったのです。あまりに狭くて・・・!
ノルウェーまだ~む
昨日NHKの首都水没のTV見たよ。あそこまで酷いのは困るけど、雨がほしいところだね。
ダーリン♪だったら可愛いけど・・・私も最初?って思ったよ。(笑)
スピ系はイギリス本家だものね。
やっぱり国民的にスピ系好む土地柄なんだろうな。
そういうのが自然に思えるような、どんより天気が多いからね~
mig
なんだかまたすごい話だねー
ブーリン家の姉妹 もそうだけど、なんか昔は色々とあって
今の平和さがありがたく感じるー!
それにしてもその当時の建物が今もそのまんま残ってるんだからやっぱりスゴいことだよね。
そして行けなくてもその写真を拝めるということに、まだーむに感謝だわ☆
冬になる前にそちら行くの、まだ諦めてないからね~!(笑)
そうそう、昨日下北沢映画祭で
「くらげくん」が観客賞とグランプリのW受賞したよー
これでくらげくん、7冠目
今夜はコメディDVDみるの、映画祭記事も書かなくっちゃ☆
q The Palace of Holyroodh
からの由来だったっけ?!?!
違ってたかな?!?!?!
ダヴィド・リッツィオの殺害
床にしみたリッツィオの血痕が
見られてたって・・・
リアルホラー
「ホリールードの管理人」
それこそ正しき「子孫世襲制」
さすが!!!!イギリス
伝統は清くなくても正しい「系列」
ノルウェーまだ~む
できるだけ見てくれて人が、「行った気になる」ようにと心がけているつもりなの。
それにしても、現実は想像以上にすごいよね!
本を読んでから行けばよかったーとつくづく思ったけど、知っていたらちょっと怖くなっちゃったかもね。
翔さん7冠おめでとー!!!!
やっぱ「くらげくん」はサイコーだぜっ!
ノルウェーまだ~む
そうなの、「聖なる十字架」
昔、傷を負った王族の一人が倒れていると、1頭の鹿が現れ助けてくれた(!)のだそうな。
その鹿の角の間に十字架が見えていたことから、角の間に十字架をシンボルにして、ここに宮殿を建てたんだって。
リッチオの血痕は分からなかったなぁ~
みすず
メアリーの話しは知ってる^^
怖いよねー、建物はとっても美しいのに中に住んでた人は欲望と権力にまみれてドロドロ^^;
わたしも行ったことがない(おそらく行くことはない)場所の写真とか本とは違う見方が出来て面白いです!
ノルウェーまだ~む
ホントだよねー
建物も衣装も美しいのに、昼メロより怖い世界が実際にあったんだものね。
本で読んだだけでは分からなかった部分が、実際お城を見て、よりいっそう印象が深くなったよ。