歴代ポーランド王の居城として1320年から数世紀に渡って歴史を見つめてきた城は、静かな佇まいで我々を迎えてくれた。
ヴァヴェル城には、旧王宮・大聖堂・博物館・宝物武具博物館がある
入場料は別々なので、見たいところだけチケットを買おう。
私たちは最終日で時間がなかったため、内部の見学はパス。
お天気の良い日には、塔に登って、旧市街を眺めるのもいいかも♪
城門の脇に建っているのは、英雄タデウシ・コシチュシコの像
ポーランドで最初に独立蜂起を指導した英雄である。
中庭はあっさりというか、閑散としたかんじだけど、赤い屋根の軒のすぐ下に、見事な壁画が描かれている


ゴシック様式で着工されてから、歴代の王によって数世紀にも渡り、ルネッサンス様式・バロック様式と追加されてきたので、ちょっとアレコレごちゃまぜな印象。
それがこの文化の合流地だったポーランドらしさを象徴している。
(手前はヴァヴェル城の青銅の見取り図)


手前の金色のドームは、ポーランドにおけるルネッサンス建築の傑作といわれるジグムント・チャペル。
1533年に完成した。
クラコフの街にはたくさんのチンチン電車が走っている
ヴァヴェル城から5分ほど歩くと、ややすすけた建物が多くなり、映画「シンドラーのリスト」の舞台にもなったユダヤ人ゲットーのあるカジミエージュ地区になる。
ゲットーの辺りは広場になっていて、パトカーが数台止まっていた。白と紺のツートンで、ランプも紺色。
シンプルでカッコイイ~♪
ゲットーとは、ヨーロッパにおいてユダヤ人が強制的に住まわされた居住地区を指す。
第二次大戦中は、ここからアウシュビッツへ送られた。
ポグロムから身を守るために内側から、またはクリスマスや復活祭の時に、ユダヤ人が出て来れないように外側から壁が作られた。
ポグロムとは、反ユダヤの傾向の強い東欧地域において行われた、ユダヤ人への集団的迫害行為(殺戮・略奪・破壊・差別)を言う。


レーム シナゴーク(ユダヤの教会)には大勢のユダヤ人学生が引率されてやってきていた。(左)
ポーランド最古のユダヤ教会スタラ・シナゴークはユダヤ博物館になっているけど、何の表示もないし閑散としていて解り難い(右)
シナゴーク内部にある祭壇
ちょっと鳥かごみたいに見えるけど、優美なラインが繊細で美しい。


お祈りに使う道具。ユダヤ教の特徴的な蜀台は、ロウソクが横に8本、手前に1本突き出している。
後ろにかけてある額は、実は切り絵になっていて、そのあまりの細かさにビックリ!!
祈りを込めながら切ったのかな・・・
博物館はあまり広くなく、昔の結婚式・お葬式の様子を写真や絵、フィギアで展示してあったり、古い聖書などがあった。
辛く悲しい歴史は、ここには無い。
それがかえって心に残り、私は胸が痛かった。
この記事へのコメント
q
歴代ポーランド王の居城
ネッサンス様式にも見えるけど
バロック様式も入って見えたり
場所、角度によってゴシック様式と見えたりするから形式は関係ないのかと思ってたけど
そっか~なるほどね・・・
ドラゴンがいるような???
ポーランドには中世から戦前にかけて、数多くのユダヤ人が住んでたんだっけ
集団的迫害行為「嘆きの壁」のような差別
ナチス・ドイツからの迫害
「シンドラーのリスト」へ
みすず
ここも見事だねー^^素敵なお城♪
内部が見れなかったのが残念だったね(>_<)
塔の感じがわたしの住む市の市役所に似ていてねー^^;
出来た時は恥ずかしい市役所だったらしいんだけど、わたしはお城みたいで好きだったわ^^
燭台欲しいって思ってるんだけど、その燭台はちょっとロウソクが大すぎだわね^^;
ノルウェーまだ~む
ここにはドラゴンの伝説があるの。
青銅の見取り図の手前の丁度隠れている部分に、『竜の洞窟』があるんだけど(城壁の部分)昔、若い娘を取って食らうドラゴンに、賢い青年がタールと硫黄をしみこませた羊を食べさせたところ、喉が渇いて川の水を飲み続け、しまいにお腹が破裂したのだそう。
そうして青年は王の娘と結婚したんだとさ。めでたしめでたし☆
ノルウェーまだ~む
ロウソク9本はちと多いわ~
そしてこのタイプの蜀台は、典型的なユダヤ教の証だしね。
お恥ずかしい市役所も、可愛いのでは!?
ただ、歴史的建造物風の何の由来もない建物を近代に建てるのはどうなのかなぁ・・・
日本には日本の良さがあるのだから、その特徴を生かした建物を建ててほしいよね。
hino氏の義姉
migちゃんとのロンドン紀も楽しかったです。
チェコでユダヤ村を訪れましたが、痛々しい歴史ばかりが強調されていて辛いものがありますね。ポーランド人は、イギリスでは出来の良い労働者というイメージもあいますよね。
ノルウェーまだ~む
いつもhinoちゃんところでお目にかかってます♪
イギリスにお住まいということで、いつかお会いできたら☆なんて思ったりしてました。
前の家のオーナーがユダヤ人で、彼が使っている庭師とペンキ屋さんがポーランド人でした。
めちゃめちゃバカにしてましたが、相当腕は良かったです。まだまだ日本人には理解できない深い歴史があるようです。
マリー
横に8本、手前に1本って、意味ありげ・・・
街全体がどことなくさみしげに感じるのは季節のせい?それとも・・・
ノルウェーまだ~む
多分季節のせいもあるとは思うのだけど、ゲットーの辺りは特に物寂しい感じがしたわ。
蜀台の形にどんな意味があるのか、前のオーナーに聞いておけばよかったなぁ~
手前に1本は、あるのと無いのがあったよ。
hino
建築様式というのに、反応してしまいっ
ミックスな建物、そういうのも残っているんだねえ。
ヨーロッパ、城などどこも似たようにもみえたり、でもやはりちゃんと違いがあって、歴史を感じさせるねえ。
ノルウェーまだ~む
パリやドイツ、ウィーンなんかもゴシック様式の建物が多くて、見分けが付かないけど、ここクラコフのお城や城壁の形は初めて見るかんじで、趣がかなり違って良かったよ。
私も美術史の教科書を見てみよう~♪