母親になるということとは・・・・・
子供を生めば母親になるというわけではない。
色々な形で、『母になる』ということを見つめた映画だ。
試写会の券をいただいたので、帰国前に時間を捻り出して鑑賞☆
やはり女性が大半だった。
<ストーリー>
14歳で生んだ子供を手放したことを引きずって生きているカレン(アネット・ベニング)は、母の介護をしながらどうしても素直に接することが出来ずにいた。
自分に好意を寄せてくれる男性パコ(ジミー・スミッツ)にも、つれなく当たる日々。
しかし母の死をきっかけに、氷のように冷たい心が少しずつ溶けていく・・・・
一方、母を知らずに育ったエリザベス(ナオミ・ワッツ)は、弁護士としてのキャリアアップを目指し、精力的に生活していた。
恋愛にも固執せず、自由に振舞うが、職場のボス(サミュエル・L.ジャクソン)の子供を身ごもって、初めて母への気持ちを意識し始める。
勇気を出して娘の居所を調べ始めたカレンとエリザベスだったが・・・・・
母に自分が生んだ子供を奪われたと思い続けたカレンは、誰にも心を開かずに生活してきたが・・・・
心を閉ざしていた時のカレンと、愛を受け入れて遅咲きの結婚をした後の表情がまるで別人。
笑顔で生きるって、本当に大事な事だと実感できる。
亡くなった母が家政婦に話していたことを聞く時のシーンは、涙無しには見られない。
閉ざした心の扉が開いて、感情があふれ出す瞬間。
平行して語られるのは、生まれてすぐ養子に出された娘のエリザベスの人生
キャリアのあるエリザベスは、養母にも先立たれ、子供の時から一人暮らし・・・・って、それでどうやって弁護士になれるほどの教育が受けられたのか、ちょっと謎。
そして17歳で卵管狭窄の手術を受けたのは、何のため?
なんとなく不自然な彼女の生い立ち。
愛を知らずに育ったから、愛情に飢えていた・・・・・ゆえのフリーセックスというのは、判らないでもないけど、そこまでの自由人が、妊娠程度でキャリアを捨て、あえて前置胎盤の危険を知っていての帝王切開拒否って、全く理解に苦しむ。
大抵の登場人物に感情移入できると自負していた私だけど、どうしてもエリザベスにだけは共感できるところが見つけられなかった。
ルーシー(ケリー・ワシントン)は心から子供を望んでいた
ようやく養子をもらえることになったルーシーも、子育て中は夜中に泣き喚く赤ちゃんに、お手上げ状態。
自分の腹を痛めた子じゃないと、やっぱりムリなの?と心配になるけど・・・・・
今まであれこれ口出ししてきたルーシーの母親の「そんな甘い気持ちで母親になるつもりだったの?」という一言が、リアル。
この時点で、ルーシーはまだ母親になれていないのだ。
カレンは子供を生んだ時は母親になれなかったけど・・・・
自分の母親を許せた時に、初めて人を愛し、慈しむことができるようになり、家政婦の連れてくる子供にも愛情を注ぐことができるようになる。
ここで彼女は、初めて母親になったのだ。
たとえそれが人の子供であっても、『子供に愛情を注ぐ人』これこそが、母親なんじゃないかな。
対して、妊娠した時はお腹の子供を養子に出すつもりだった黒人女性は、生んだ途端愛情に目覚め、手放せなくなってしまう。
ナオミ・ワッツは惜しげもなく妊婦姿を披露
このところ邦題で失敗することが多い洋画も、今回はこの題名で正解なのでは☆
母=「愛する人」
用意していたハンカチは必要なかったけど、男の人にも是非見てほしい映画だ。
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この記事へのコメント
KLY
試写会の帰りにね、カップルの男の子が彼女にむかって「最後の女の人が養子を止めたのは、家族が色々言ったからなんだろうね。授乳もしなかったし」なんて言ったんです。彼女の方は「え?」って顔してました。若くてもその位のところは解って欲しかったなぁ。そんなこっちゃ振られるぞって思いましたよ。(苦笑)
ノルウェーまだ~む
その男の子、必ず振られますね(爆)
男性は子供を宿すチャンスがないので、「親」になるきっかけが女性より難しいのは確かですね。
ハタチの黒人女性が養子に出すのを止めたのは、横で授乳する姿を見て物凄く辛かったんですよね。
カレンがたどった道を、彼女がたどらなくて済んで、ホッとしましたよ。
xtc4241
(いま日本時間1月16日5:53頃です)
>愛を知らずに育ったから、愛情に飢えていた・・・
僕の勝手な解釈は・・・
愛を知らずに育ったから、(そういう境遇だったから)
「精神的な」愛情は拒否していた。そういうものを求めてはいけないんだと思っていた。
>ゆえのフリーセックスというのは、判らないでもないけど、そこまでの自由人が、妊娠程度でキャリアを捨て、あえて前置胎盤の危険を知っていての帝王切開拒否って、全く理解に苦しむ。
僕の解釈では・・・
性欲的な、生理的な、物理的なセックスはしていた。
でも、精神的な愛になりそうなときは、他の男ともセックスして、のめり込まないように防波堤を築いた。
だけど、そんな生き方に迷いもあり、いらだってもいた。
そして、自分もお腹に子を宿したことを知ったとき、運命的なものを感じた。だから、自然な形で産みたくなった。
あくまで、勝手な解釈ですが、そんな風に思いました。
それぞれがどう感じるか?
違って、当然のことですよね(笑)
PS)
ソーシャルネットワーク見ました。
でも、レビューはまだ書いていません。
そのうち、書きますので、よろしくお願いします。
ノルウェーまだ~む
んー、やはり男性と女性では感じ方も違うかもしれないですね。
少なくとも私は精神的愛情と性欲的愛情を分けて考えることは、女性では少数と考えるので、もしエリザベスがそのような考え方なら、より共感しにくいですねぇ。
あとご存じないかもしれないですが、前置胎盤は死に直面することなので、あえて彼女は死を選んだとしか思えませんでした。
mig
うん、メールでも全く触れてないからまだ~むはそれほどでもなかったんだろうなぁって思ってた
まだーむは母親だし、子供を産むという重大な経験をしてるけど私はしてない。その部分で共感できる部分と感じる部分違うだろうけど
女として、感じる部分は一緒だよね
何で言ってくれなかったの、っていう部分で泣いちゃった。
ナオミの行動もわたしはすごく理解出来たの、自由人というかどこかで愛情求めてなきゃいられなかったというか。精神的な愛は別として愛されて(かまって欲しい)いたかったんだろうね、自己犠牲でも自分の子供、を遺したかったのね。
ママもこれ楽しみにしてて、近々観るってはりきってるんだけどどうかな(笑)
mezzotint
こんにちは♪
私も完全にエリザベスに共感ってわけではないのですが、、。何故に死に至る危険な選択肢をしたのでしょうね。その辺は少し疑問が残ります。おっしゃるように
子どもを産もうとしたのも、母になることへの自覚
だったのだろうし、、、。まだ~むさんの記事を読んで
なるほどなあなんて思い直したような。鑑賞して、随分
時間が経ってしまったので、もう一度観てみるのも
良いかななんて思っています。ラテンビート映画祭が、
京都であり、運よく観ることが出来ました。
邦題はマッチしていましたね!ナオミ・ワッツと
サミュエル・L・ジャクソンの絡みには、ドキッと
しました(笑)
ノルウェーまだ~む
あそこはぐっと来るよね。女性なら特にね。
ナオミの行動は久々私が理解できない人物だったの。
愛さずにいられないなら、隣のご主人を誘惑したり、タンスにパンティーを隠したりする必要ないわけで、唯一「愛さない人」だったような。
カレンと孫娘を繋げるためだけに、無理にナオミを死に至らしめた無理な話に感じてしまったのyo
ノルウェーまだ~む
そうなんです!母になることに希望を見出したのなら、ナオミは危険を冒す選択をするべきではなかったと思うのです。
あえて隣人を誘惑する、あえてパンティーを隠す、あえて自然分娩を希望する、つまり知らず知らず危険と隣り合わせになりたい性格だったということなのでしょうか?(たまにそういう人いますが)
その必然性がよく判らなかったのです。
みすず
この映画は3月5日から公開なの^^
観たらまた来るね!
で、下の「ソーシャル~」は水曜日に見に行くの^^
こちらも観たら来るね!
ノルウェーまだ~む
3月5日からだと結構遅いね。
ソーシャルのレビュー楽しみにしているよ~
SGA屋伍一
この映画の予告を見ていた友人が「ナオミ・ワッツも老けたよね~」なんて言ってたのですが、わたしは「いや、むしろようやっと年相応に見えるようになったのでは・・・」と思いました
キング・コングの時なんて37歳だったのに信じられないピチピチぶりでしたからねえ
ウィキペディアなど見てみると、ナオミさん自身もお母さんとの間にいろいろと確執がありそうだな・・・という気がします
ノルウェーまだ~む
ええっ!?ってことは既に40歳は過ぎているの??
全くピチピチだったよ、充分に。
いやはや、裸体を世界中に見せられるだけで、充分ピチピチだし!(一体誰と比べてる?・・・汗)
オリーブリー
そうですね~エリザベスに共感は難しいですが、したたかな女性を演じるというのか、そんな生き方を選んだと思いました。
養父母の愛にも恵まれなかったんですものね~仕方ないのかな~。
ナオミ・ワッツ「夫以外の選択肢」のセクシーシーンも印象に残ってます(笑)
ルーシーのママが良かった。
キッパリと言い切られて、肝に命じたでしょうね。
疎ましく思われそうなタイプでしたけど、大きな母の愛を感じました。
ノルウェーまだ~む
エリザベスは愛を得られない不幸な生い立ちが背景にあるのと反対に、ルーシーはあれこれ口出しする母が身近にいるけど、それはルーシーを愛しているからこそだし、実際夜中に呼び出されても飛んできてくれたりして、母親だからこそできる事ですよね。
「大きな母の愛」そのものと感じました。
rose_chocolat
自分に与えられなかった「母」という存在を、
「母」になるまいとすることで永久に封印したかったんだと思います。
そしてそれはある意味その通りになってしまいました。
女である・・・ というよりも、孤独がそうさせたんじゃないでしょうか。
ノルウェーまだ~む
なるほど、「母」という存在を消すために、自らを痛めつけるかのように男性と交わるって、納得です。
でも、それと隣人のご主人を誘惑して更に下着を置いてくるとか、事務所を点々とする(多分男性関係で?)とか、あえて死に直面しようとするっていうのがちょっと違うような?
そうなると無理な自然分娩は、母になるまいとした結果ということになってしまい、この映画の感動部分とズレが生じるように感じちゃいました。
rose_chocolat
>隣人のご主人を
恐らくですが、あのウザい奥さんが「いかにも幸せでーす」
みたいだったじゃない?
あの恐ろしく平凡な生活に浸かりきっている御主人とたまたま出くわした時、
反射的にほとんど軽い気持ちで誘惑した。 たぶんあんまり深くは考えてなかったんじゃないかなと。 そして
>下着を
っていうのは明らかにあの御夫婦を困らせてやれ、みたいな気持ですよね。
それは相手に対する恨みとはまた違うよね。 自分が得られなかった「絵に描いた幸せ」を手に入れながらも、自分と関係してる御主人と、のほほんと人のことを詮索する奥さんに対してちょっと意地悪しよっかな、みたいな。
>事務所を点々とする
これも推測ですが、男性関係も含めて、エリザベスは特定の人と深くつながることを避けてきたんじゃないでしょうか。 仕事関係もね。
自分のルーツとなるものがないから、自分もそれを築きたくない。 だからチーフうんぬんの話をした時眉をひそめたんでしょうね。
>無理な自然分娩は、母になるまいとした結果
ですよね、それだけ自分を捨てた母を憎んでたから。
ノルウェーまだ~む
なるほどなるほど。
男性関係に関してはすごーく納得☆
事務所はキャリアアップを目指しているのに点々とするのは良くないと言われてたはずで、目標とやっていることがバラバラな気が。
ま、思っていることとついやってしまうことって、一致するとは限らないしね☆エリザベスの自立したい気持ちと寂しさを埋めたい気持ちは、よく理解できるけど。
最後は「母になるまい」としたの?うわー、なりたかったのかと思ってた!
rose_chocolat
「母になりたいからもちろん産むけど、
そこに人の干渉を受けたくなかったから」
あくまでも自然分娩にこだわったのかなーと。
長々失礼しました~
ひろちゃん
え~~、まだ~む、ハンカチ必要なかったの~(笑)
私はラスト、カレンがエリザベスに書く手紙(内容)に
もう嗚咽でした(T^T)
もちろん、その前にも、まだ~むと同じ所で泣いたよ~
(笑)
まだ~むが言われるように、子どもを産んだら、母親に
なるんじゃないよね。だから、我が子を虐待したり
する母親がいるんだよねσ(^◇^;)
ルーシーの母親の台詞は、気持ち良かったわ~(笑)
エリザベスの生い立ちは、私も、一人で生きてきて
有能な弁護士なれる?と思いましたが、まっ、それは
ともかくとして(笑)母親と娘の愛が溢れたお話
でしたが、エリザベスのことだけは、ショックだった
なあ。。。まだ~むが言われてるように、ラストの感動をインパクトあるものにするためのような気がしました(^_^;)
とは言え、素晴らしい作品だったことに間違いは
ないですよね(^_-)-☆
エンタメ大好きな私ですが、こう言う作品だって
観るのよ~~(笑)
kira
先ほど結構長いコメント書いたのに、エラーではじかれちゃった~
同じ文章ってホント、書けないものだわ~(×_×)
エリザベスの拘りもやはり一人で生き抜いてきた37年が、そうさせたのだという気がしました。
そもそも、カレンの母親が、自分の傍らで娘の不幸を37年も見続けたことがとてもザンネン。
娘の為に、早い段階で勇気を出して欲しかったですよね~。
ノルウェーまだ~む
感動のヒューマンドラマも観るよね!
私はどうしても出産のリスクに対して軽率なところが、気になって仕方なかったので、号泣ほどはラストに泣けなかったんだけど、カレン目線で描かれた部分はどこも感動でしたわ☆
ノルウェーまだ~む
やはりそこは母娘の難しいところなのでしょうね。
果たして14歳で出産した自分の娘の子供を、里子に出したことは間違いだったとは思えないし・・・
でもほんの一言が彼女を救っていたはずなのに・・・とも思いますよね。