「アウトレイジビヨンド」ラスボスは誰

ヤクザ映画全盛期のような「義理と人情」はどこへ行ったのか？
そのかけらもみられない現代のヤクザの姿が妙に生々しい。



１作目はひどい暴力描写で観る気がおきない・・・・と聞いていたので、実はパスしてしまっていた。
その後、この映画はただのヤクザの権力争いだけを描いたわけではなく、今の日本の政治を揶揄していると聞いて、急に興味を持ち始めたのだった。
「内輪でもめるな」ウチワは、是非、国会にも配ってほしい。

そんな頃、丁度テレビで１作目の「アウトレイジ」をやっていたので、見てみると意外と面白い。
刑務所にぶちこまれて、しかも刺されて終わったのでは、続きが観たくなるというものだ。

「アウトレイジビヨンド」公式サイト

＜ストーリー＞

先代を殺してのし上がった加藤（三浦友和）は、関東のヤクザの頂点「山王会」の会長として、かつて大友（ビートたけし）を裏切った若頭の石原（加瀬亮）とともに、政治の世界にまで手を出しはじめていた。
そんな山王会に業を煮やした警察の片桐（小日向文世）は、出所してきた大友をけしかけ、関西ヤクザの花菱会と喧嘩させようと目論んでいた。

かたくなに拒み、かたぎになろうとする大友のところへ、かつて彼が顔をナイフで切って組を潰した木村（中野英雄）がやってきて・・・・

こっそり先代を暗殺してトップにのし上がった加藤と若頭の石原
古参のメンバーに比べて、ぐっとヤクザ感がないところが面白い。

三浦友和にせよ、加瀬亮にせよ、育ちのよさが顔に出ていて、とてもヤクザじゃないでしょう？と思っちゃうけど、案外最近の『本当に怖い人』って、表向きは人の良さそうな顔をしているのかもしれない・・・

裏切ったかつての親分、大友が出所してくると聞いて、にわかに焦り始める石原（加瀬亮）のビビリぶりが絶妙
暴言を吐く様子は、とても似合わないし、ハッキリ言って下手くそなのだけど、そこが本来『ヤクザの幹部の資質』が無いというのをよく表現していて、上手いキャスティングだなぁと感心。

大友が潰した組の頭だった木村は、チンピラを雇ってバッティングセンターを経営していた

すっかり（？）堅気になった・・・・とかいっても、脅して金を巻き上げているようでは、ほぼヤクザだよね？
しかも銃持っていたり？

ヤクザに対して落とし前をつけるためには、再度ヤクザにならなくてはいけない（盃を貰わなくてはならない）というシステムが分からなかったけど、大阪花菱会に盃を貰いに行ったのはそういう決まりがあったからなのね。

やっぱり大阪の勝ち！

成り上がりのヤクザ＜関東ヤクザ＜大阪ヤクザ
関西弁って、ほんと迫力あるよね・・・・
関東ヤクザ VS 関西ヤクザなら、完璧関西組が勝っているわ。

しかしあれだけ沢山の悪人顔の役者さんを使ったと思ったのに、まだまだ怖い顔の俳優さんって居るのねぇ。

片桐（小日向）刑事はヤクザから賄賂を受け取りながらも、彼らを自滅する作戦を巧妙に練っていた


ラスボスを退治してこの物語は終わるのだけど、このラスボスは主人公からみたラスボスだけに、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか判らない。まさにそれこそが世界に誇る北野たけしの『腕』なのだろう。




私のようにTVで１作目を観た人が多かったのか、世界の北野だから当然なのか、劇場はほぼ満員。
そのうち９５％は男性だった・・・・（女性一人で来ている私って、超違和感～～）
是非、義理とか人情とか裏切りとか仕返しとか、暴力とか痛めつけるとか・・・・に惑わされず、静かに『傍観』してほしい。

Comments

[きゅうり]

マダムの「るろうに剣心」のコメントをみて
観に行くぞと決めたので→３年ぶりに映画館行ってきました
しかし家の都合を考慮して時間のあう「ボーンレガシー」にしました
ウォータールー駅がでてきたとこで
うれしくて、うれしくて
女優がよかったし、あたりでした！
そのとき「アウトレイジ　ビヨンド」のポスターみたけど気にならなかった
学生のときは北野映画が大好きだったけど、ぱすかな～なんて思ってました
わたしも女一人で見に行ってみようかな

[ノルウェーまだ～む]

きゅうりさん☆
「ボーン・レガシー」私も観たよ～
近いうちにレビュー書きます☆
ウォータールー駅出てきた？ひゃー！気が付かなかったわ！！
女優さんが良かった？
私はやっぱり主役のジェレミーがよかったな。
この映画を観るなら、是非１作目を観てから行ってね☆