「遺体~明日への十日間」真摯な気持ちで向き合う

同じ日に別の試写会も当たっていた私。
でも、私はこの映画を観なくては。
正直、まだ時期尚早なのでは?という思いが鑑賞後も強く残ったのは事実。
しかし震災時多くの方の尽力があってこそ、亡くなった方々とそのご遺族の魂が共に旅立ち見送る事ができたと、あえて伝える事も大切なのだと思わずにはいられない。



公式サイトの予告編を見ても、被災者やご遺族の方のコメントを見ても、また涙が止まらなくて・・・・・



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「遺体~明日への十日間」公式サイト(2月23日公開)


<ストーリー>

2011年3月11日、観測史上最大の津波が襲った釜石市では混乱状況の中、廃校になっている校舎の体育館が急遽遺体安置所になり、多くの遺体が運び込まれていた。
戸惑う市職員はなすすべもなく立ち尽くしていたが、地元の歯科医や医師による検死作業は粛々と行われていた。
葬儀屋で働いていた事のある相葉(西田敏行)は、その様子を見て思わずボランティアとして働かせて欲しいと旧知の市長にかけあうのだった。


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市の職員はチームに別れ、遺体搬送と安置所の管理を任されたが・・・・

次々と遺体をトラックに積み込み、体育館へ搬送する。
終わりの見えない作業に疲弊して、思わず手が滑り、取り落としそうになるスタッフに「大切に扱ってくれよ!自分が同じ事されたら、どんな気がする!?」と一喝する市職員(沢村一樹)


俳優の顔も解らないくらい真っ黒で、このシーンだけでもどれだけ過酷な作業だったかが伺われる。
と同時に水の滴る遺留品を入れたビニール袋と一緒に、どんどん運ばれてくる遺体を見るのは胸が痛く、ご遺族の方が観るには辛すぎると感じた。

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混乱する安置所の秩序を保ったのは、他でもないボランティアの相葉(西田敏行)だった


原作はジャーナリスト石井光太氏の「遺体 震災、津波の果てに」
彼が震災当時、報道では伝えられなかった事実を書いたこのルポルタージュを忠実に描いたこの映画は、ほぼドキュメンタリーに近い作品。
ストーリー上の過剰な演出は一切無い。

違うのはそれを役者が演じているところ。
特に福島県出身の西田敏行は訛も完璧だけど、やや演技過剰が気になってしまい、このドキュメンタリーらしさとのギャップ、演技ができないエキストラとの温度差を引き立ててしまうようで正直残念だった。


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大切な飲料水でご遺体の泥を丁寧に拭き取る

自分たちも被災して電気が無い、暖房もない、水も無い、ボランティアは食事もないが、自分たちも被災しているので家では乾パンのようなものでしのいでいる。

それでも貴重な飲料水で身体を清めるのは、相葉が元葬儀屋で働いていたからこそ。
ご遺体を丁寧にマッサージし、番号でなくお名前で呼びかけ、話しかけながら体の形をそっと整える。
冷たく寒々しい体育館に温かいものが流れていく一瞬だ。

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途方にくれていた若い市職員たちも、相葉に触発され自らご遺体に真摯に向かい合い・・・・

是非、多くの方に観てほしい。
ただ試写会のときは、「震災の記憶を風化させないために・・・」と司会の人が言っていたけれど、まだたった2年しか経っていないわけで、風化などするわけが無い。そういう言い方は関心しないなと感じた。


そして、ご遺族の方たちにはまだ辛すぎるこの映画も、こうして心をこめて送って下さった方が沢山いたのだと知る事は、副題の『明日への』に繋がっていく大切な部分なのだと改めて思うのだ。




この映画の体育館のご遺体の中に、お父様とお母様がいらしたhinoちゃん。
レビューを書くことを許してくださってありがとう。
そして心よりご冥福をお祈りいたします。

この記事へのコメント

  • ゆりっぺ

    今回、私もチャリティを通じて、まだまだ片付いてない問題が多すぎて、風化など、とても…と思いました。イベント前にこの映画を観てみようかなと思っていたので、まゆみさんのブログ参考になりました。ありがとう( ´ ▽ ` )ノ
    2013年02月21日 17:32
  • ノルウェーまだ~む

    ゆりっぺ☆
    ちょうど3.11にやるチャリティジャズライブの企画、頑張ってね!
    避難所にまで赴いて、まだまだ援助を必要とする人がいるのを、実際に見てきたなんて偉いわ~~
    ライブの売り上げを寄付をするところ、決まってよかったね。
    出来るだけ貢献したいので、近いうちにブログに書くね☆
    ライブに参加する方は、是非その前にこの映画観て欲しいです。
    2013年02月21日 19:09
  • kira

    >冷たく寒々しい体育館に温かいものが流れていく一瞬
    本当に、、、

    あの日、恐ろしい映像の後、避難所の様子は沢山流れましたが、
    一方でこのような過酷な現場があることも想像できましたが、
    その誰もが全く未知の状況に立ち会うことになった方々、その場に
    相葉さんという方がいらしたことで、やるべき事に心が注がれていったのが救いでした。
    暖もとれない体育館の冷たい空気が伝わってきましたよね。
    公開初日に観たのに、思い出すだけで今でも涙が止まらないです。
    キャストもよかったですが、スタッフも泣きながらやっていたそうですよ。
    思いの詰まった作品、多くの方に観て欲しいですね。
    2013年02月27日 21:10
  • ノルウェーまだ~む

    kiraさん☆
    私も思い出すだけで涙が出て仕方ありません。
    ましてやご遺族の方々では・・・
    こうして温かい気持ちで送られたことをご遺族の方に知ってもらいたいと思う反面、私たちでも涙してしまうのだから・・・と思うとまた泣けてきます。
    せめて我々が映画を見て、まだ震災の被害から立ち直れない方や被災している方に何か出来ないか、改めて考える場にしていきたいですね。
    2013年02月28日 15:11
  • q いいのかな

    従兄弟のお嫁ちゃまの実家は福島原発の即目の前でご両親が被災して現在は東京で生活中
    このパパが釣りではその道で有名で雑誌特集やテレビにも出たりしてるの
    お嫁ちゃん。当時のパニックが酷く
    赤ちゃんは抱いても落とすし、食事も全く取れず
    ひと言「生きてる」って℡も通じない
    だから色々と話を聞いてたけれど
    この映画。私が観ても良いのか?と
    ずっと思い続けてたの
    でもね。今。やっと「刻んだ」と言っても良いかな
    こういう現実。もっと描いて欲しい
    涙じゃなく「真実の現場」が知りたい
    そう!風化はしない
    まだ多々のコトは山積み
    何時も旅して訪れた地が・・・
    それでもゆるっくり復興していく情報に
    明るい話が出てくるようになってきた
    この映画は、覚悟を決めて
    沢山の人達に観てほしいよね
    2013年03月02日 16:48
  • ノルウェーまだ~む

    qちゃん☆
    お嫁ちゃん、大変だったね。
    原発はまた違った側面を持っていると思うけど、この映画は観るまで迷っても、観たらきっと「観た事が良かった」に繋がると思うのよね。
    多くの人に是非観てほしいね☆
    2013年03月02日 21:20
  • hino

    まだーむ
    ありがとう
    私はまだ観ないまま、どさくさにまぎれてベトナムで頭一杯にしていたけどそれも終え、GWにはお墓参り行ってこようと思います。
    それにしても問題山積していて、生きているっちゃ生きているということなんだろうけど、しんどいなあ。
    2013年04月04日 12:58
  • hino

    検視の歯科医が出てきたと思うけど、その歯医者さんはうちの実家の目と鼻の先のクリニックのかたで、建物はあらかた流されてた。
    今は実家も含めきれーに更地になちゃって。
    あったものがない、いなくなっているって、まるでマジックにかかったようだよ。
    スイッチ掛け違えば、気がふれてもおかしくないことなんだけど人間って強いなって自分もだけど仮設で暮らしている近所だったおばちゃんやお嫁さんみても思うよ。
    おばちゃんの旦那さんは3ヶ月後にみつかり、お嫁さんの旦那(おばちゃんの息子で私と同年代)はすぐ近くの瓦礫の下にいたって。うちらそのとき家の中散策してたんだよ。死体がまだあったときに。あとで知ってつくづくとんでもない状況だったと思いました。体育館の中の光景もさ。
    2013年04月04日 13:10
  • ノルウェーまだ~む

    hinoちゃん☆
    本当に言葉も無いね・・・
    クリニックの歯医者さんは、ご自身も建物がそんな風にあらかた流されている状況なのに、何十、何百ものご遺体を検死なさっていたのね。
    ある意味、そうして目の前の山積みの問題にどっぷりと関わる事で、いたたまれない辛い気持ちにからめ取られるスイッチが入らないようにできているのかも。
    GW気をつけて行ってきてね。
    2013年04月04日 16:16

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