「ブルージャスミン」☆しあわせの見つけ方

ケイト・ブランシェットがアカデミー賞主演女優賞を獲得した作品。
他の作品の女優たちも、かなりいい演技だったからケイトが突出して素晴らしかったとは思えないけど、自然体でありながらも、人生に翻弄されて戸惑う心を表現した彼女の演技はやっぱり見事だった☆



画像
「ブルージャスミン」公式サイト(5月10日公開)

<ストーリー>

夫が詐欺で逮捕され財産の全てを奪われたジャスミン(ケイト・ブランシェット)は、逃げるようにサンフランシスコに住む妹のジンジャー(サリー・ホーキンス)のところへ転がり込んできた。
現実を受け入れようとせず、セレブ生活を引きずっている彼女は、紹介してもらった歯医者の受付も辞め、精神安定剤に頼る日々だった。
ある日エリート外交員との出会いが、再びセレブリティ生活に返り咲くチャンスだと思ったジャスミンは・・・・



セレブって何?


画像
ジャスミンは精神安定剤を常用している

ヴィトンの大きなスーツケースをいくつも持って、破産したので生活費もない・・・と、サンフランシスコの妹の家にころがりこんできたジャスミン。

「無一文って言ってなかった??」という反応は、妹のジンジャーと全く同感。
スーツケースをギリギリまで見せずに、財産を失ってジャスミン可哀想・・・・と思わせておいて~~の、立場をわきまえずタカピーな態度のジャスミンに呆れ返る印象を妹のジンジャーと観客が共有していく技の見事さ。


画像
イケメンで大金持ちで優しい夫は、実は・・・・

パーティー三昧の日々、プール付きの豪邸のテラス、夫からの素敵なプレゼント・・・・何不自由ない暮らしの裏にはとんだ真実が。
自分のジャネットという名前を捨て、ジャスミンに改名したときから虚栄の『虚』が始まった彼女の人生は、もう偽りの人生、偽りの愛にしか囲まれてこなかったのかもしれない。


画像
庶民的な妹夫婦が訪ねて来ても、街を案内するのすらメンドーくさくて仕方ない

二人とも里子として育ったにもかかわらず、金髪で容姿のいい姉ばかり可愛がる家から、早々に家出した過去のある妹は、身の丈にあった夫と結婚し、身の丈にあった生活をしている。

『見た目』が世の中のどんな事よりも大切・・・・というジャスミンの信条は、この里親の影響もあるのかもしれない。


画像
他人のお金で生きてきたジャスミンは、自分の力で生きるすべを知らない

大学を出る前に大金持ちの男性と結婚し、セレブ生活を満喫してきたジャスミンは、資格もなければ就労経験もない。
働かないこと=セレブというならば、ジャスミンは真のセレブ。
働くことの尊さを知らずに人生を終える事は、本来残念なことなのに。

画像
前夫と別れて2児の男子を育てるジンジャーは、自由な恋を満喫し・・・

対して、家を出てから自力で生きてきた妹ジンジャーはしなやかでしたたかだ。
男に頼ることなくスーパーのレジ打ちの仕事で2人の子供を育てられるのだから、アメリカでは贅沢をしなければ生きられるということなのか。

自分に愛してると言ってくれる男性にふらふらと行ってしまうジンジャーもまた、里親に容姿で愛されなかったという苦い想い出が、トラウマになっていると思われる。


画像
思い描いた素敵な男性が現れたら、もう逃すわけにはいかないっ!

相手も「セリーヌのバックにシャネルのジャケット・・・・」と、彼女を値踏みして声を掛けてきたし、人間やっぱり見た目なのね・・・・と残念な思い。

しかし中身は空っぽ、空虚の上に虚栄をコーティングしたジャスミンの化けの皮がはがれるのは時間の問題だ。


セレブって何?

昔の貴族や王族も借金をしてまで豪華絢爛な暮らしを無理してやっていたものだ。
豪華に着飾り、遊び、見栄を張るために寄付をする文化が欧米にはあったとしても、それは一体何のため?

別にダイアナファンではないけれど、貴族出身でありながら幼稚園の先生だった彼女が、地雷撤去の奉仕活動にも力を入れていたのを思えば、真のセレブとは何かが見えてきそうだ。

画像
諦めないことが幸せなのか、諦めたからこそ幸せなのか?

改名までしてセレブになろうとしたジャスミンと、手近なところで上手に幸せを見つけた妹ジンジャー。
『豊かさと幸せの関係』を、見つめなおす時が来たのかもしれない。

この記事へのコメント

  • セレンディピティ

    こんにちは。
    ウッディ・アレンが大好きなので、この作品、とっても楽しみにしています。今回はコメディではないけれど、彼らしいシニカルな視点が感じられる作品のようですね。
    ジャスミンは結局幸せを見つけることができるのかしら?
    ケイトの演技にも期待しています☆
    2014年04月29日 02:25
  • まっつぁんこ

    わたしは怖かったです
    またまたご近所でした。
    2014年04月29日 10:59
  • ノルウェーまだ~む

    セレンさん☆
    ウッディ・アレンお好きなのですねー?
    この作品は彼の今までのものとちょっと違うようです。
    私は恥ずかしながら「ミッドナイトインパリ」くらいしか見てなくて、どうもあまり相性がよくなかったのですが、この作品はかなり好きです!
    ケイト良かったですよー♪
    2014年04月29日 12:48
  • ノルウェーまだ~む

    まっつぁんこさん☆
    えー!?怖かったですか?ど・・・どの辺が??
    まさかご近所だったから???
    2014年04月29日 12:49
  • とらねこ

    ジンジャーのチ-プなセクシーさ、ああいう人っていますよね~。ジャスミンからすれば、「彼女は自分自身を過小評価していて、だからこそしょうもない男と付き合う」というのもある種間違いではないと思うのですが…。
    ジャスミンの“真実”が分かった瞬間は、ゾッとしました。
    二人の対比が効いていましたね。
    恐ろしい作品でした。でも、大好きです。
    2014年05月11日 01:06
  • ノルウェーまだ~む

    とらねこさん☆
    過小評価の基準って難しいですよね。
    ジンジャーは自分を安売りしているようにも見えるけど、彼女がそれで満足して、今現在幸せと思えているのなら、相手がしょうもない男だとしても間違っては無いんじゃないかと思うのです。
    しょうもない浮気男にひっかかるのは論外ですが。
    自分を過剰評価して、いい男がいない!と不幸ぶって日々を送るのと・・・価値観の違いだからどちらが良いとも悪いともないですけどねー
    この二人の対比があってこその映画でしたね☆
    2014年05月11日 10:55
  • オリーブリー

    こんにちは。

    「8月の家族たち」のメリルも良かったんですが、個人的には、若干、オーバーアクトに感じてしまい、ちょっと引いてしまった部分もありましたが、このケイトは本当に自然体で、身に染み付いてしまったタカビー感が凄く上手かったです。
    妹との対比も考えさせられました。
    2014年05月16日 15:17
  • にゃむばなな

    ジャスミンが哀れというよりは滑稽にも見える映画でしたね。
    どこか嫌みなヤツが落ちぶれていく様を楽しんでいる自分もいる映画でした。
    2014年05月16日 17:00
  • ノルウェーまだ~む

    オリーブリーさん☆
    ある意味、メリルのような状況はなかなか成り得ない設定(病気や老後一人になる可能性は別として)なのに比べて、ブルージャスミンはあそこまでセレブとは行かなくても、リストラなど割と身近なことで同じ境遇に成り得るところが共感もしやすいし、怖いところですよね。
    2014年05月17日 00:35
  • ノルウェーまだ~む

    にゃむばななさん☆
    気の毒な妹に比べて、ムカつくタカピー姉がどんどん追い込まれていく様は、確かに滑稽でしたねー
    ただ、だんだんとラストに向けて可哀想にも思えてくるところが、また良かったです。
    2014年05月17日 00:37
  • たいむ

    豊かさと幸せかぁ。
    愛があれば・・とか言いつつも、やっぱりお金もソコソコ必要なのが現実。
    見た目も大事。
    人間ってめんどくさい~~~
    2014年05月26日 17:43
  • ノルウェーまだ~む

    たいむさん☆
    本当に、人間ってめんどくさ~~ですね。

    でも北欧に住んでみて思ったのは、よく最も幸せというか、豊かというかとにかくいい国と自国の国民たちも思っている北欧って、
    実は道路工事は夏休みの2ヶ月は平気で中断したり、家電が壊れても修理に2~3週間かかったり、宅配もなかなか届かないし、エンタメ的な遊ぶところいっさい無し、動物園も寒いからない、遊園地は移動遊園地のみ、ゲームセンターもない
    つまりあるのは自然だけなんです。
    それでも幸せ。
    人間、何を幸せと感じるか?ってことなのだと思うのです。
    2014年05月26日 18:22
  • ノラネコ

    理想の自分というか、あるべき自分というのはおそらく誰のなかにもあるでしょうね。
    ただ普通はせいぜい妄想するくらいで、身の丈をわきまえて生きていくんだけど、ジャスミンの場合はたとえそれが虚飾でも一度実現しちゃったのが悲劇です。
    日本のバブル崩壊後にもこういう人沢山いたんだろうなあ。
    2014年05月27日 22:30
  • ノルウェーまだ~む

    ノラネコさん☆
    ジャスミンは夢を叶える美貌も実力もあったわけで、その虚飾にしがみついているわけですが、でも落ち着いて考えてみると、彼らは詐欺師的に成り上がった成金であって、決して本物のセレブじゃなかったんですよねー
    いつかは化けの皮がはがれちゃうことに、早く気付くべきでした。
    日本にもたくさんいそう~~
    2014年05月28日 12:12

この記事へのトラックバック

ブルージャスミン
Excerpt: ブルージャスミン@一ツ橋ホール
Weblog: あーうぃ だにぇっと
Tracked: 2014-04-29 10:56

ウディ・アレン監督、ケイト・ブランシェット主演『ブルージャスミン(Blue Jasmine)』
Excerpt: 『ブルージャスミン』(Blue Jasmine)ウディ・アレン監督ケイト・ブランシェットが本作でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)の主演女優賞を受賞した(他、各種映画賞多数)物語・ジャス..
Weblog: 映画雑記・COLOR of CINEMA
Tracked: 2014-04-29 21:07

「ブルージャスミン」イタいな~、イタ過ぎるよな~。
Excerpt: [ウディ・アレン] ブログ村キーワード  しばらくヨーロッパを徘徊…、放浪…、もとい!ヨーロッパを拠点に、各地(ロンドン、バルセロナ、パリ、ローマetc,etc)で映画を撮っていた“名匠”ウディ・アレ..
Weblog: シネマ親父の“日々是妄言”
Tracked: 2014-05-06 21:21

劇場鑑賞「ブルージャスミン」
Excerpt: 見栄の果てに… 詳細レビューはφ(.. ) http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201405100001/ ※GW期間限定【300円,10..
Weblog: 日々“是”精進! ver.F
Tracked: 2014-05-10 14:41

『ブルージャスミン』 (2013)
Excerpt: ウディ・アレンが届ける、苦~いシニカル・コメディ! 喜劇なのか、悲劇なのか、苦笑をまじえつつ複雑な後味の残る匠の逸品であった。 本作は、ルーティン・ワークな映画製作を己に課し、職人的に独自のアー..
Weblog: 相木悟の映画評
Tracked: 2014-05-12 11:23

ブルージャスミン ★★★★★
Excerpt: ウディ・アレン監督がケイト・ブランシェットをヒロインに迎え、サンフランシスコを舞台に転落人生の中でもがき、精神を病んでいく姿を描くドラマ。ニューヨークでセレブ生活を送っていたものの夫も財産も失ったヒロ..
Weblog: パピとママ映画のblog
Tracked: 2014-05-14 16:33

ブルージャスミン
Excerpt: 原題 BLUE JASMINE 製作年度 2013年 上映時間 98分 脚本:監督 ウディ・アレン 出演 ケイト・ブランシェット/アレック・ボールドウィン/ルイス・C・K/ボビー・カナヴェイル/アン..
Weblog: to Heart
Tracked: 2014-05-14 22:03

「ブルージャスミン」
Excerpt: 傑作。ウディ・アレンの毒、今度ばかりは無しにして!と願ってしまう位、ジャスミン(ケイト・ブランシェット)が素晴らしい。もちろんサイテーサイアクなキャラだけど、頑張れジャスミン!と私は心の中で叫んでしま..
Weblog: ここなつ映画レビュー
Tracked: 2014-05-15 12:59

『ブルージャスミン』
Excerpt: (原題:Blue Jusmine) ----アカデミー賞も終ったようだけど、 いつもと、ニャんだか違ったような…。 「おそらくそのひとつは、 毎年、前日発表されるラジー賞にあるんじゃないかな。 M..
Weblog: ラムの大通り
Tracked: 2014-05-15 13:59

映画:ブルー・ジャズミン Blue Jasmine 落ちぶれた元 NYセレブ主婦を演じるケイト・ブランシェット。
Excerpt: 公開が近くになってからアップしようと思っていたのだけど、公開が5月(観て半年以上も先!)と知り、お先に。 今回の主演はケイト・ブランシェット。 彼女の演技が注目されており、いよいよ主演女優賞で..
Weblog: 日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
Tracked: 2014-05-16 07:00

ブルージャスミン
Excerpt: ニューヨークでセレブ生活を送っていたジャスミン(ケイト・ブランシェット)は、夫ハル(アレック・ボールドウィン)のビジネスが崩壊し、サンフランシスコに暮らす妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)のアパート..
Weblog: 心のままに映画の風景
Tracked: 2014-05-16 12:10

『ブルージャスミン』
Excerpt: 虚飾とは哀れなり。 何とも滑稽でビターなブラックコメディだこと。さすがウディ・アレン監督といいましょうか、第86回アカデミー賞主演女優賞を受賞したケイト・ブランシェット演 ...
Weblog: こねたみっくす
Tracked: 2014-05-16 17:05

ブルージャスミン
Excerpt: モテ過ぎて自立できなかった女性の悲劇 公式サイト。原題:Blue Jasmine。ウディ・アレン監督。ケイト・ブランシェット、アレック・ボールドウィン、ルイス・C・K、ボビー・カナヴェイ ...
Weblog: 佐藤秀の徒然幻視録
Tracked: 2014-05-17 09:11

ブルージャスミン/BLUE JASMINE
Excerpt: ケイト・ブランシェットがアカデミー賞で主演女優賞受賞の ウディ・アレン作品 基本的にアレン爺出てない方が好きとは以前も書いたかもだけど今回も監督&脚本のみ。 ニューヨークで、裕福な実..
Weblog: 我想一個人映画美的女人blog
Tracked: 2014-05-18 23:44

「ブルージャスミン」
Excerpt: ウッディ・アレン監督の最新作、「ブルージャスミン」(Blue Jasmine)を
Weblog: セレンディピティ ダイアリー
Tracked: 2014-05-19 14:52

No.385 ブルージャスミン
Excerpt: 上流階級から転落したヒロインが再起をかけて奮闘し、苦悩する姿を描いたドラマ。ニューヨークの資産家ハルと結婚し、セレブリティとして裕福な生活を送っていたジャスミンは、ハ ...
Weblog: 気ままな映画生活
Tracked: 2014-05-25 22:08

ブルージャスミン
Excerpt: 『ブルージャスミン』を吉祥寺バウスシアターで見ました(これで同館は見納めになるかもしれません)。 (1)およそ1年ぶりのウディ・アレン監督作品であり、主演のケイト・ブランシェットがアカデミー賞主演女..
Weblog: 映画的・絵画的・音楽的
Tracked: 2014-05-26 20:35

ショートレビュー「ブルージャスミン・・・・・評価額1650円」
Excerpt: ジャスミンは夜、密かに咲く。 ここしばらくのヨーロッパ観光地巡りに飽きたのか、久々に母国へ戻ってきたウッディ・アレンの、ビターでアイロニカルなヒューマンドラマ。 今回アレン翁の俎上にあげられるのは、..
Weblog: ノラネコの呑んで観るシネマ
Tracked: 2014-05-27 22:14

ブルージャスミン
Excerpt: 『ブルージャスミン』---BLUE JASMINE---2013年(アメリカ)監督:ウディ・アレン 出演:ケイト・ブランシェット 、 アレック・ボールドウィン、 ボビー・カナヴェイル 、ピー..
Weblog: こんな映画見ました~
Tracked: 2014-05-30 23:00

憂鬱な夜に咲く花~『ブルージャスミン』
Excerpt:  BLUE JASMINE  ニューヨークからサンフランシスコへやってきたジャスミン(ケイト・ブラン シェット)は、夫が逮捕されたため、セレブから無一文に転落していた。血 の繋が..
Weblog: 真紅のthinkingdays
Tracked: 2014-06-12 21:24

ジャスミンの運命
Excerpt: 映画「ブルージャスミン」を鑑賞しました。 資産家ハルと結婚しセレブリティとして裕福な生活を送っていたジャスミンはハルとの生活が破綻し地位も資産も全て失ってしまう。 妹のもとに身を寄せるが過去のセレブ..
Weblog: 笑う社会人の生活
Tracked: 2014-11-11 20:01

ブルージャスミン
Excerpt: 【概略】 かつてN.Y.セレブリティ界の花と謳われながら、今では結婚生活も資産もすべて失ったジャスミンが、虚言と現実逃避を繰り返し、次第に精神のバランスを崩していく。 ドラマ 「ジャスミンという..
Weblog: いやいやえん
Tracked: 2014-11-18 13:10

ブルー・ジャスミン
Excerpt: ウディアレンの作品って「知的」とか「サレオツ」とか冠がつくっつうかさ観る人が語りたがるものが多いんだけど それゆえにいやそれだからこそ 「なによ~~~~」って鼻白む部分も多くあって ま、わたくしが「英..
Weblog: 映画に耽溺
Tracked: 2015-02-23 11:41

「ブルージャスミン」
Excerpt: わりと笑えるのと、サリー・ホーキンスさんがいいのと。
Weblog: 或る日の出来事
Tracked: 2015-02-24 21:39

人気記事