劇団ひとりが原作の「陰日向に咲く」は、悪くは無いけどそれほど印象にも残っていなかった。
そんなこともあって、『ちょっと文才があるからって本を書いたり、資金力を生かして映画を簡単に作ろうとする芸人の映画』と舐めてかかっていた。
すみません。私が間違っておりました。
これ、すんご~~~くいい!!!
「晴天の霹靂」(5月24日公開)
<ストーリー>
売れないマジシャンの晴夫(大泉洋)は、幼い頃母に捨てられ、父親とも絶縁関係だったが、ホームレスとなっていた父の死を知らされ、自分の人生を重ねて絶望していた。
突然の雷に打たれ40年前にタイムスリップした晴夫は、そこで若き日の父(劇団ひとり)と美しい母(柴崎コウ)と出会う。
お腹に子供を宿していた母が10ヵ月後に産むのは自分だとわかるが・・・・
監督劇団ひとりがこだわった、CGいっさいなしのオールロケは、いかにもセットが小ぶりだけど、やはりリアルな映像は見事☆
「40年前の電車」までもがCGでなかったのね・・・・と、後で公式サイトを見て知った私。
さすが映像がクリアでリアルだったわけだわ。
こだわった絵作りが素晴らしいのは、思い入れのある自らの原作を、自ら脚本、監督したことで生まれたに違いない。
ちなみに脚本は脚本家 橋部敦子の手を借りたことも成功した大きな理由じゃないかな。
思い入れは突っ走ると失敗しかねないから・・・・
あんた死んでるからね・・・・・ダメダメなおやじは、若いときからダメダメ。
タイムスリップして昔の両親に出会うとか、割とありきたりなテーマなのに、何故かぐんぐん引き込まれる。
揃えた役者もみんな本当素晴らしくて、芸人が芸人をちらほら出演させて作る映画のような、おちゃらけた印象がいっさいないのも良かった。
何より、半分芸人が入っている(?)大泉洋と劇団ひとりの自然な掛け合いが、笑いも涙も誘うのだ。
ひょんなことから、父と舞台でマジックショーのコンビを組むことに・・・
喋りが下手で現代では芽が出なかった晴夫も、過去の舞台では斬新なマジックで一世を風靡する。
・・・・・・喋りが下手で・・・っていうのだけが、どうしても大泉洋のイメージと真逆な上に、舞台に上がってからは易々と笑いを取っているのが、ちょっとだけ不自然に感じたなー
うっかりナンパしようとした美しい女性のお腹には自分が
ひとときの幸せもつかの間、自分が生まれると同時に母は・・・・
自分の情けない人生は、情けない家族のせいだと思い込んでいた晴夫が、次第に両親の愛に気付いていく、切なくも温かい物語。
ありきたりなようでいて、どこか新鮮。
公式サイトでも「天性の才能」と書かれているように、朝まで練り直したプロットで思い入れたっぷりに撮影したシーンすらばっさりカットする初監督とは思えない手腕が、見事に映画に生きた結果じゃないかな。
見直したよー劇団ひとり。
カメラワークが実にいい。役者もいい。ふざけすぎず面白く、号泣ほどではないけどしっかり泣ける
試写会では何故かポケットティッシュだけが最初に配られた。
映画を舐めてかかって、これをバックに仕舞いこんだ人が多かったらしく、会場は映画後半でごそごそとカバンの中身を探す音があちこちで。
是非、最初にハンカチは用意してから観よう☆
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この記事へのコメント
真紅
これ、試写でご覧になったのですね、いいなぁ~。
日曜の朝に『僕らの時代』っていう鼎談番組があるんですけど、先日この主演三人が出てまして。
大泉洋って素でいい人だな~、劇団ひとりもいいな~、才能あるんだな~、コウちゃん相変わらず超絶美人やな~、とか思いながら観てました。
いい出来の映画なんですね、なんだかうれしいです(観る予定はないんですが、笑)。
ノルウェーまだ~む
コメントありがとうございます~~
なんかねー本当にお世辞抜きでいい映画でした!
その素でいいかんじが、映画にちゃぁーーーんと出ていたって感じがしました。
コウちゃんは相変わらず超美人でした♪
真紅
結局、気になって今日観てきました。
・・・観てよかった(涙)。ご紹介ありがとうございます。
やっぱり、試写会って大事ですね。。口コミってやっぱ、気になるもん。
感想アップできたらTBさせて下さいね!
おやすみなさい~。
ノルウェーまだ~む
レビューがお役に立てて嬉しいです!
映画はその人の好みにもよるので、なかなか鵜呑みに出来ないものもありますが、やっぱり試写の感想は参考になりますよね。
真紅さんのレビューも楽しみにしています~☆