見事である。
翻弄され嘆き悲しみ弱っていく母親を体当たりで演じたチョン・ドヨンも、母に甘えていた少女が少しだけおねえちゃんになっていく微細な違いも、自己保身の為にだけ働く韓国のお役所仕事の人たちをこのタイミングで描くのも。
号泣しすぎて「ドタマ」が痛くなってしまったソヨ☆
「マルティニークからの祈り」公式サイト
<ストーリー>
知り合いの借金の保証人として2億円の借金を背負った家を失ったジョンベ(コ・ス)一家。
妻ジョンヨン(チョン・ドヨン)は「金の原石」と信じてパリへ荷物を運ぶ仕事を引き受けるが、コカイン密輸犯としてパリで逮捕されてしまう。
言葉が通じる人がひとりもいない中で弁解も許されず、遠く離れたマルティニーク島の刑務所へ移送され、地獄のような生活を強いられる。
妻を救おうと幼い娘をかかえながら夫は必死で警察や大使館へ訴えるのだが・・・・
パパよりずーっと大好きなママに甘えてばかりの4歳の娘ヘリン(カン・ジウ)
それにしても4歳でスプーンでご飯食べさせてもらってるって??!
子供をものすごく大切にする韓国では普通なのか分からないけど、何かというと絶叫して泣くヘリンは、やっぱり甘えん坊なんだろうなぁーと、思わせてくれる泣きっぷりが上手い!
訳も分からずあれよあれよと逮捕され、電話も掛けさせてもらえない、大使館とも連絡つかない、言葉は英語すらできないのに全く分からないフランス語
これは本当に誰の身にも起こりうること。
人に荷物を頼まれなければいい・・・・・自分には関係ないこと・・・・・と思っても、近しい人間に現地の友人に送りたいと小包など頼まれた経験ある人もいるよね?
そうでなくても勝手に運び屋に仕立て上げられる事件はよく聞くので、他人事ではないと思うと本当に怖い。
それにしても何故海外旅行初めてのジョンヨンがキョドってしまう可能性はあるのに、彼女に仕事をさせたのかしら?
同行の韓国人で犯人の仲間の女もパリに飛ぶなら彼女がやればいいのにぃ~
ママの顔、忘れそうだよ・・・・
ママからの手紙もなかなか手元に届かない日々。
幼い子供を抱えて、借金を返しながら妻の安否を気遣う夫。
しかしそれもこれも気弱な夫が招いたことなのに、やっと繋がった電話で喧嘩したり、夫が理不尽に怒ったり、妻を「お前」と呼ぶところなど、韓国の封建的な家族制度がチラホラ。
警察も大使館も、いくら頼んでも動こうとせず
実際にコカインを持っていて逮捕されたのは事実なので、どうしても強気に出られない夫。
威圧的な態度で夫を追い返す大使館職員、警察など見ていると腹わたが煮えくり返る思いが。
年長の人を敬わなければならない厳しい縦社会が、こうした歪を生んでいるとも言える韓国。
威圧的に怒鳴って従わせ、異議を唱えることを許さない風潮が、あの観光船沈没事故も招いた大きな原因なのではないだろうか。
思えば遠くへ来たもんだ
望みは娘の元へ戻ること、。
お金があれば夫が娘を連れて会いに来るのに、それもかなわない現実がまた辛い。
加えて(バカンスを兼ねて)カリブへやってきた大使館員に、きちんと説明を求めることすらできない、聞き入れてももらえないというのが、歯がゆくて歯がゆくて・・・・
ようやく会えた二人
2年の時を経て強くなった妻ジョンヨン、大人になってようやく妻を守れるようになった夫、パパっ子になってすこしだけ「おねえさん」に成長した娘。
事実を映画化すると、突飛なエピソードがない分平坦になりやすいけど、もうこの事実こそが波乱万丈。
ただただじーっと監獄にいるだけなのに、飽きさせない展開は、やはり監督の腕なのかも。
母ならば尚、号泣間違いなし。
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この記事へのコメント
とらねこ
上手い!
「ドタマが痛い」は小さい頃ママ反対したのに、ママが居ない間にパパの言葉ですっかり覚えてしまって「あちゃ~」と
感動の中、ちょっぴり可笑しい台詞でしたよね^^
韓国の警察や官公庁の仕事の杜撰さは良く映画で描かれますけど、本当このタイミング…
ですよね。
ノルウェーまだ~む
子供はすぐ「悪いことば」覚えるからねぇ~
日本のお役所も遠からずなところがあるので、うんうんと思いながら観ていたわ。
アメリカの汚職警察とかそういうのは、もうお話の世界になっちゃうけど(事実としても)、自身の出世の為だけに働くお役所の人…の図は非常にリアリティがあるよね。
zooey
興味はあるのだけど、観るのが怖い。
私、泣くと目が腫れまくるのです。
実話というだけに…
どうしよう!?
ノルウェーまだ~む
今ならサングラスありでもOKな季節なので、是非!
きっとお好きなテーマと思いますよー