まだ~む的レビュー 満点は★5

★★★★
1930年、次第にナチ党の色に染められつつあるドイツで、大学教授のハルダー博士(ヴィゴ・モーテンセン)は、介護の必要な母と精神を病んだ妻と子供たちを抱え、自らの信念を曲げても、総統の依頼で受けた論文を書くしかなかった。
母を実家へ帰し妻と別れ、初めて不倫した教え子との新しい生活を始め、気付くとナチ党の中核部へ入り込んでいたハルダー博士は、親友でユダヤ人のモーリスに国外脱出の切符を買うよう頼まれたのだが・・・・
抑圧された環境で真面目に一生懸命「善き人」をしてきたハルダー博士が、時代に流されて「己の為」に行動していくようになったことから、母も妻も子も親友を捨て、気付くととんでもない事態になっていく。
きっと多くの人がそうであったように。
信念を貫くことの難しさ、人はいかに易きに流されるか、考えさせられる。

★★★★ハンブルグ映画祭監督賞ノミネート作品
病院で再会した幼馴染みと一緒に、思い出の島の別荘へバカンスに訪れたハンナと娘。
そこで忘れていた少女の失踪事件を少しずつ思い出すが、次々に怪しい現象が起き始める。
少女の亡霊から身を守るため、ついに島を出ようとするのだが・・・・
良くできたサスペンスホラーの秀作。
今まで北欧とロンドンに住んでいる間、避けてきたホラーだけど私の苦手な心霊もの(を装いながら)ではなかったのでホッしたわー
いかにもヨーロッパの寂しげで湿っぽい冬の霧深い森は、防空壕的な穴があるだけで、十分怖い。うー、分かるわかる。
あまりに怖く、あまりに切なくて、見終わった後も心臓ばくばくしてしまった。思わず家中の電気を付けたし。

★★モデルはゴンゾー・ジャーナリズムの伝説の記者ハンター・Sトンプソン(の同名小説の映画化
依頼を受けラスベガスへオープンカーで出かけたラウル(ジョニー・デップ)は、弁護士のゴンゾー(ベニチア・デルトロ)と共にスイートルームに泊まり、バイクレースを取材することになっていた。
取材そっちのけで、ありとあらゆる麻薬でキメて、よろよろになりやりたい放題、支払いもせずホテルを逃げ出すも、再び別の仕事が入り、ラスベガスのべつのホテルへ舞い戻るが・・・・
ほぼハチャメチャやっているだけ。
この暴れっぷりが常軌を逸しているので、なんとも顔をしかめてしまう。
酔っぱらって見ると超面白いんだよ~とねえねは言うけれど。
実はテリー・ギリアム監督がモンティーパイソンのアメリカ版をやりたかっただけとう話も。それなら納得!
いよいよ師走。
今年はあと何本映画を観られるかな~?
この記事へのコメント
セレンディピティ
「善き人」はヴィゴ・モーテンセン目当てで見に行きましたが、じわじわと恐怖がせまってくる作品でしたね。自分に置き換えた時に、勇気ある決断ができるかどうか、考えさせられます。
ホラーは苦手ですが、「ロスト・メモリー」はどちらかというとサスペンス?なのでしょうか。怖そうだけど見てみたいです。
あれ?こういう話だっけ?と思ったら、私が見たのは「ラスベガスをぶっつぶせ」でした。これは結構おもしろかったです。^^
zooey
思ったよりインパクトが少なくて
もう詳細は覚えていないのですが
聖人君子でもなんでもない、普通の人が
段々ナチズムに染まっていくところが怖かったかな…
ちょっと似た題のドイツ映画「善き人のためのソナタ」の方がインパクト大でした。
ノルウェーまだ~む
そうそう、どうしてこんなに似た邦題にするのかしら??と思ってしまうよねぇ。「ラスベガスをぶっつぶせ」は実話ベースのカードゲームの大学生の話でしょう?
これは超ヤバイドラッグ系のお話なのです。
「ロスト・メモリー」はなかなかおススメ。秋の夜長にピッタリよ。
ノルウェーまだ~む
そちらの「善き人のための~」は未見です~
インパクト大なのね?
今度チェックしてみます☆
こちらの「善き人」は誰にでも起こりうるところが怖く、例えば原発問題や集団的自衛権に関して、自分は知らん顔してないか?と問いかけられているようにも思います。
とらねこ
ノルさんがオススメだったら私も見ようかな。
『ラスベガスをやっつけろ』は、当時ジョニデが演技のための事前調査をすごい時間をかけて行った気合が入ったもので、公開されるのを映画雑誌を読んでずっと楽しみにしていたんですよ〜w。S・トンプソンと一緒に何日も過ごしたりしてましたね。
まあ映画自体はさほど面白くはないんですけど、この時の経験が『ラム・ダイヤリー』になったんじゃないかな。
私はラム・ダイアリーは大好きだったんですよw。
ノルウェーまだ~む
私もラムダイアリーは悪くなかったよ。
確かあれで今のパートナーとくっつく事になったわけだけど(爆)
あの二人の海のシーンが、結構まじ?本番??と映画を観て思ったのが、実際当たってたってことよね。女の勘ってスルドイ!と我ながら感心したわ。
こちらの「ラスベガス~」はいくら入念でもお話がねぇ。