「博士と彼女のセオリー」☆それでもビーンズ

かなり勇気のいったことでしょう。
まだご存命の方の人生を映画にすること。
しっかり、媚びずにしかも素敵に描かれていたのは、何より彼らの人生がいつも真剣そのものだったから。



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「博士と彼女のセオリー」 公式サイト
宇宙空間のような横向きのポスターがまたいい♪

<ストーリー>

ケンブリッジで有望な生徒だったホーキング(エディ・レッドメイン)は、魅力的な女性ジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と出会い恋に落ちるが、難病ALSを発症し、余命2年と宣告される。
聡明なジェーンは覚悟を決め、二人は結婚、子供にも恵まれ、さらに宇宙の理論で世界的に有名になる。
しかし病状が悪化、ジェーン一人では家庭を支えることが出来ず、壁にぶつかっていたころ・・・・


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パーティーで一目ぼれして急接近♪恋愛の部分はあっさりと描かれている

わりとサクサクっと恋は進展し、胸キュン恋愛部分は、素敵な舞踏会シーンのみ。
IQの高い人達のお話ならではが実に良いのだけれど、人生の一大決心、しかも人並み以上の決意をするにしては、ややあっさりとしすぎるような・・・・

先日観た「イミテーション・ゲーム エニグマと天才就学者の秘密」でも天才的な学者の話だったけど、彼と違ってホーキング博士はノーマルに恋に落ち結婚し子供を作る。

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既に筋肉が動かなくなる症状が出始めているが、周囲の反対を押し切り結婚し・・・・

あと2年・・・・という期限があったからとも言えるし、彼女が敬虔なクリスチャンであったことも少なからず影響していたと思う。
勿論、深い愛と絆があったこそだとは思うけど、そこはあえて強調して描かれなかったところに、より真実味を感じるwa

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難病で筋肉は動かなくても子供はできる

親友から「あっちのほうは大丈夫なのか?」と質問される。
誰もが聞きたくても聞けないデリケートゾーン。よくぞ聞いてくれました☆
脳からの指令が筋肉に届かなくなる病気でもしっかり機能しているって、んー?筋肉じゃないから?

それにしても、子育てだけでも大変なのに、働いて家事して自らの研究もして、そして介護して・・・・へこたれるどころか、ちっとも苦労じゃなさそうにしている妻、素晴らしすぎるっ!!
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論文が認められ、表彰されて友から祝福されても、自分は料理もまともに食べれない・・・・
時に食事をのどに詰まらせ、妻がバシバシっと背中を叩いて吐き出させる。

・・・・・・・って、健常者でもコロコロ転がって食べ難いビーンズをいつまで食べさせるのぉー??せめてマッシュしてあげて!!!
そりゃね、イギリスの春のグリンピースは驚くほど甘くて柔らかいし美味しいけどーぉ

日本ならとっくにお粥とかうどんとか食べさせてあげるところを、ビーンズにお肉ってどうなの??
しかし、この一見荒っぽい『介護』が、彼の生きる意欲を掻き立ててくれていたとも言える。

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とにかく徐々に衰えていく演技が見事

ただのイケメンだけじゃない、一気にオスカー俳優の座を獲得できたのも納得の演技。
次第に筋力が衰えていく様子も、動かない顔の表情の中に苦悩と寂しさと希望を見事に表現していて秀逸。
モデルさんもやっていたから、痩せるのはお手の物かもしれないけれど、今回は相当な痩せっぷりだし。

最近大活躍のイギリス映画とイギリス人俳優たち。常にジャケットを格好よく着こなすところは、成熟した雰囲気がまさに英国紳士で素敵!!
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まだどちらもご存命なのに、妻との別離も描かなくてはいけなかったのは、さぞ繊細な作業だったことでしょう
デリケートな心の機微をどう表現するか?

次第に険しい表情ばかりになっていく妻と、心を通わせる男性が目の前で楽しそうにしているのを見るのは、どんなに辛かったか。
しかしその妻も、新しい美人の介護士と夫の楽しげな様子を見て寂しげな表情を見せる。


決して心が離れたわけではないけれど、信仰と理論は両立し得ないのだから、致し方なかったとも言える。
共に新しいパートナーを見つけて、更に良い関係を築いたことを、自然な形で映画に出来たのは、ホーキング博士が難病でありながら長生きできたのと同じくらい奇跡なのかもしれない。

この記事へのコメント

  • セレンディピティ

    こんにちは。
    タイトルの「それでもビーンズ」になんのこと??と思ったら、まだ~むさんのつっこみどころはそこでしたか。(笑)
    でも変な話ですが、映画を見ながら私たちにもいつか訪れるかもしれない老老介護のことをちらりと思い浮かべて、身の引き締まる思いがしました。

    現実にはことばではいいつくせないさまざまな葛藤があったかもしれませんが、すべてを善き人として、美しいラブストーリーに仕上げていましたね。
    誰でも過去は美しいものとして残しておきたいもの...今を生きるジェーンとスティーヴンにとって何よりの宝物になったのでは、と思いました。
    2015年03月26日 08:01
  • kira

    >最近大活躍のイギリス映画とイギリス人俳優たち
    ですよね~
    作品選びも含めて、なんというか、しっかりした作品と俳優たちが
    バツグンの安定感!

    このふたりの出会いも奇跡なら、
    壊れそうな妻の為に現れた男性も、、また再婚相手となる介護士も、
    どちらもひたすらジェーンの為の出会いだったように私には感じられました☆
    2015年03月26日 12:49
  • にゃむばなな

    徐々に衰えていく演技も素晴らしかったですが、後半で言葉も話せない状態でも雄弁に語る存在感を出していたところも凄いなぁ~と思いましたよ。
    『レ・ミゼラブル』を見ていた頃、まさか彼がこんなにも早くオスカー俳優になるとは思っていなかっただけに、今後の作品も楽しみになりましたね。
    2015年03月26日 16:09
  • ノルウェーまだ~む

    セレンさん☆
    想い出を善きものとして上手く描いてましたね~
    どなたかのレビューで、ホーキング本人がこの映画の最後に涙していたと聞きました。
    辛く苦しいものもあったのかもですが、全てを美しく残せたのは、まだまだ未来の為に頑張っている彼にとって新たな原動力になったに違いないですね☆
    2015年03月26日 18:04
  • ノルウェーまだ~む

    kiraさん☆
    ジェーンの回顧録だっただけに、彼女の為に運命が回って行ったようなところもありましたね。
    夫スティーブンからのお許しが出たキャンプの晩、そのせいで逆に命を長らえることになった手術と、そのあとの介護士との出会い…
    その全部が今のホーキング博士を作って行ったというのも感慨深いです。
    2015年03月26日 18:08
  • ノルウェーまだ~む

    にゃむばななさん☆
    本当にそうですよね!!
    まさかレミゼのただのイケメン(失礼)が…
    イケメンだけで一向にオスカーを貰えない役者さんは、ちょっと反省しないとですね・・・・(笑)
    2015年03月26日 18:14
  • とらねこ

    ホーキング博士は、学生の頃映像で彼の語る宇宙論を、夢中になって見ましたよ〜
    エディ・レッドメインの演技は本当に素晴らしくて驚きました。
    うわあ、聴衆の前で語るホーキングの博士、うわあ懐かしい!!って感じでした。
    まだ普通に動ける姿のホーキング博士の姿でも、常に顔を傾けた角度でしか映さないんですね。
    ノルさんは理系夫婦モノ2つどちらが好きでした?
    2015年03月28日 15:55
  • ノルウェーまだ~む

    とらねこさん☆
    非常に難しい選択だわー
    「イミテーション~」と「博士と彼女の~」のどちらが好きかってなると…むむむ。
    陰があるという点ではエニグマのほうで、本質的には女性目線なので「博士と~」も捨てがたいし…
    今年は本当に勝敗付けられないかんじね♪
    とらねこさんはどっちー?
    2015年03月28日 16:52
  • Caine

    この作品ができた事自体がホーキング夫妻の仲の証明なのかなと思います。元は奥さんの手記ですし、それを博士も認めているわけで。むろん映画故に脚色ははいるにしても、こういう愛の形もあるんだなと思わずにはいられないな。
    2015年03月28日 17:53
  • ノルウェーまだ~む

    Caineさん☆
    本当にその通りね~
    別れてしまったけど、決して憎み合ったわけでも嫌いになったわけでもない、でも一番愛しているというわけでもないのでしょう。
    二人はもっと「高い」ところで、強くリスペクトしあい、強い絆で結ばれているように感じたわ。
    2015年03月29日 00:32
  • たいむ

    エディ、素晴らしかったですね。
    映画って順取りじゃないからさぞ大変だっただろうってどこかの評論家が言ってましたけど。元気だったり、よわよわだったり、ほんと凄い事です。

    ないようには色々思ったものの、一番感じたのは宗教の面倒くささだったりして(笑)
    2015年03月29日 10:12
  • ノルウェーまだ~む

    たいむさん☆
    ほんと演技凄かったですねー
    今度の「ジュピター」はまたまるで違った印象になっているし!

    化学と宗教という、決して融合しないものが、それでもここまで献身的に愛を貫いてきたのだから、頑張った方なんじゃないかなー
    日本人にはそこのところ、理解しにくいよねぇ。
    2015年03月29日 13:39
  • ノラネコ

    これ脚本のベースになってるのは別れた妻の回想録なんですよね。
    だからけっこう赤裸々。
    まあそれを受け入れられるほど、二人がちゃんと過去に向き合えて納得しているという事なんでしょうね。
    最終的に壊れてしまったとはいえ、充実した家族を作ったわけだし。
    2015年03月29日 22:52
  • ノルウェーまだ~む

    ノラネコさん☆
    夫婦の事は、本当は本人たちしか知らない色々があるのでしょうけど、いいかんじに描かれていたのは、互いにリスペクトしあっているからかなーと思ったりします。
    妻の回顧録らしく上手いこと描いたなって、ちょっと思いますが。
    2015年03月30日 01:00
  • SGA屋伍一

    「あんだけ苦楽を共にした二人なんだから、最後まで添い遂げてほしかったな~ もったいないな~」と思わずにはいられませんでした
    でもまあそれは赤の他人の意見であって、当の二人が決めたとこなら仕方ないことなんでしょうね…
    ちなみにwikiでホーキング博士の年譜を読んでみたら「2011年 二人目の妻と離婚する」というところで止まってました。あはははは(^_^;
    2015年06月02日 22:24
  • ノルウェーまだ~む

    伍一くん☆
    ホーキング博士が2度も結婚して2度も離婚しているというのも凄い話よね。それだけ魅力的な人ということなのかな?
    ただ、有償で働く介護の人と同様にして無償の愛を貫く妻というのは、相当な事であって・・・
    最後まで添い遂げて欲しいと思う一方、言うほうは簡単だよね…という思いもあるwa~
    どちらを選択しても勇気のいることではあるよね☆
    2015年06月04日 10:13

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