魂(ソウル)でシャウトする姿が一度見たら誰もが忘れないジェームズ・ブラウン。
ちょっと濃すぎるキャラの彼がテレビに出ていた頃の記憶を呼び覚ます。
破天荒な天才ミュージシャンの映画としては、映画「Ray」を思い出させる。
不幸な少年時代、天性の才能、女たらし、破天荒、友人との確執、抱える孤独・・・・英雄とはこうも似ているものなのか・・・・・?
「ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男」 公式サイト(5月30日公開)
<ストーリー>
両親に捨てられたジェームスは、叔母の元で働きながら、教会のゴスペルに魅了されていた。
ある日ゴスペル隊に見い出され、一緒に歌うようになるとたちまち頭角を現し、ソロで抜擢される。
かろうじてバックバンドとして仲間を従えることを条件にレコードを出すと、爆発的にヒットし、次第にジェームスはワンマンになっていくのだが・・・
全ての音楽のファミリーツリーの源とも呼ばれる彼の音楽は、子供時代に聴いたゴスペルがベースになっている
「神に捧げる言葉」=ゴスペルと言う点で、彼の『繰り返し』を多用するシャウトは、まさに魂の叫びなのかも。
歌って、踊って、倒れて、マントをかけてもらってまた復活して・・・・の彼のパフォーマンスのスタイルは、「神の声を聴く」と言ってトランス状態になる呪術師や、歌いながら激しく踊るゴスペルそのものなのだろう。
世界のトップに導いてくれたプロデューサーのベン・バード(ダン・エイクロイド)は、彼の父親代わりでもあったに違いない
全てをサポートしてくれていたときは、なんとか上手くいってたけれど、ベンが急死してからは、仲間との溝も深まり途端に立ち行かなくなってしまう。
独り天下のように思うけれど、実は影の力持ちがいてくれたからこそなのne
歌はアフレコらしいけれど、ダンスは見事!!
『この人物ほど、僕に大きな影響を与えた人はいない』とマイケル・ジャクソンが言うのも分かる気がする。
ジェームスの独特のステップが、マイケルのムーンウォークへと繋がるような気がしてきた。
仲間が去っても最後まで寄り添ってくれたボビーにさえ、天狗発言で・・・・
ジェームスを見出し、ジェームスを支えてきたボビーが、ソロ活動をしたいと申し出たときに、ボロカスに言うジェームス。
そうして次第に多くのものを失っていく。
天才の栄枯盛衰を時系列を往復しながら見せていく。
しかし「Ray」では盲目であるが故に許せることも、こちらではただの裸の王様でしかなく、主人公に感情移入しにくい。
ただし、それこそが「彼」なのだろうけれど。
遂にジェームスを捨てたボビーの最後の一言は「おまえは最初から独りだった。」
独りで生きてきたからこそガッツもあり、独りだからこそ這い上がってこれたのかも。
でも本当は、そばにずっと支えてくれる友人がいたからと、気付いた時には・・・
ラストの切々と歌うシーンは涙がこぼれる。
登壇者はブラウン繋がりで(爆)、ほぼジェームス・ブラウンまんまの松崎しげるとねば~るくん
映画では各時代をよく似た役者さんが上手に演じたので、どこから人が変わったか判らないうえに、ほぼ黒人ばかりが登場するので、誰が誰だかちょっと分からなくなったり・・・・
上の二人くらいインパクトがあると、違いが判りやすいんだけどね。
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この記事へのコメント
まっつぁんこ
が、社会勉強のため連れて行ったむすめは
「最低だった」
アフレコということは吹替えですか?
サントラ焼いてもらって「葡萄」と並ぶ最近の愛聴盤になっています。
ノルウェーまだ~む
あら?TBしようと思ったら、記事がありませんでしたけど…
娘さんには評判悪かったですか?
彼の人間性と映画の出来栄えとはまた別と思いますが、天才ならではのワンマンぶりは眉をひそめるところもありますね。
アフレコというのは歌が口パクという意味なのでした。
曲はどれもテンション上がりますね!
まっつぁんこ
遊び過ぎで手が回ってません^o^
ノルウェーまだ~む
うわーいいですね~
私も遊べるのは夏までなので、今のうち遊んでおこうかなぁ…
まっつぁんこ
トム・ジョーンズの映画なんか作ったら、毎晩グルーピーとS○Xするだけになってしまう(と思う)
ドラッグ・オンナ・仲間割れでかわり映えなし(笑)
「遊べるのは夏まで」
いえいえ春夏秋冬いつでもどこでも命ある限り遊びましょう。
ノルウェーまだ~む
成功したアーティストなら遊んでばかりもいいでしょうけど、主婦はそうもいきませぬ。
子育てのあとは介護ですっ!命ある限り…
まっつぁんこ
お金があれば有料老人ホームに入るのがいいと思いますが本人が嫌がることが多いです。
学生時代から何かと老人ホームには縁があります・・・(以下省略)
ノルウェーまだ~む
はい、切実です。
よかったら「私の介護日記」も読んでくださいませ。
きさ
成功したジェームス・ブラウンの起こした事件をまず描き過去を振り返るという構成は「Ray」に似ていますが、レイ・チャールズとジェームス・ブラウンではかなりキャラクターが違うので映画の印象もかなり違います。
音楽は本物の吹替えですしチャドウィック・ボーズマン演じるジェームス・ブラウン始めバンドのパフォーマンスの再現ぶりは素晴らしかったです。
ボーズマンは顔はあまり似ていませんが、動きはそっくりでした。
また、服役していたブラウンを出所させ音楽を始めるきっかけを作ったボビー・バードをしっかりと描いている所もいいですね。
ボビー・バードの視点からブラウンを描く事でお話に深みが出たと思います。
ちょっと久々のダン・エイクロイドも良かった。
ノルウェーまだ~む
ボビー・バードの視点から描きながらも、終始暖かい眼差しなのが良かったですよね。
ずっと縁の下の力持ちに徹してくれた人がいてこその成功だと、最後に気付いてくれたシーンはぐっときました。