いくら実在の事件を基にしていると言っても、クライムサスペンスでドキュメンタリーではないのだから、ラストをもっと膨らませたら良かったのに。
若き素人誘拐犯に感情移入させたいなら最後まで、大物俳優アンソニー・ホプキンスにハイネケンをやらせるなら、もっとぐっとハイネケン目線に絞るべきだったのでは??
「ハイネケン 誘拐の代償」 公式P
<ストーリー>
幼馴染5人組は資金繰りに困り果て、ついに大企業ハイネケンの誘拐を計画する。
あえて大組織の犯罪のように見せかけようと周到に用意し、まんまと誘拐に成功するが、期限になっても身代金は支払われなかった。
鎖に繋いで監禁していたハイネケンは、このまま解放すれば身代金の半額を支払うと申し出るが・・・・
どっしりと落ち着いたハイネケンに振り回される話と聞いていたので、もっともっと翻弄されていくかと期待しちゃった。
幼馴染のワル5人組、家族や子供がいても、いつまでもつるんで遊ぶのはいいけれど・・・・
首謀者のコル(ジム・スタージェス)はヴィレム(サム・ワーシトン)の妹の旦那さんで、二人は義兄弟。
あんまり仲がいいので、実の兄弟だと途中まで思って見ちゃった(汗)
親友の妹と結婚したパターンね。
誘拐まではとんとん拍子
所詮チンピラの割には、アンネフランクばりの監禁部屋から誘拐計画、身代金受け渡しまで、なかなかに綿密。
上手くいかないのは、お金がなかなか支払われない事だけ・・・・
いよいよアンソニー・ホプキンスの本領発揮・・・と思いきや
確かに怪演ではあるけれど、その描き方はごく良識の範囲内で真っ当。
ホプキンスであるが故に、期待値を高め過ぎてしまったwa
自分のためにお金が支払われない事に怒って、自ら支払いを要求する手紙を書くくだりなど、ぐっと盛ってもよさそうなのに~~
ウィレムはイライラが募り・・・・
ハイネケンの要求に揺さぶられ、次第に仲間との関係にも亀裂が入る。
と、この辺りの心情の変化をもっと丁寧にしてほしかった。
マスクをしていることもあり、翻弄されているのがコルなのかヴィレムなのか?ちょっと分かり難かった。
ついに大金を入手するも・・・・
仲間と均等に分けているようで、そうでないの?
大金のほとんどが戻ってこなかったという事実を、どう描くか?こここそが映画の醍醐味では?
出所後に結局ギャングになったコルとヴィレム、大金は二人の活動資金になったと私は思うのだけど・・・・なら、彼らは代償を払ったといえるのか?
真相は最後まで闇の中。
それでもよく考えたら、日本人にはあまり馴染みのないハイネケン誘拐事件は、それだけでも十分興味深いし、この作品だって変な先入観なしに観たらちゃんと面白い作品なのだ。
無駄に付け足した邦題と「ホプキンスだから」の呪縛に翻弄されて、映画を純粋に楽しめなかった私。
結局代償を払ったのは私だったのかも?
この記事へのトラックバック
ハイネケン誘拐の代償
Excerpt: アンソニー・ホプキンズ主演のハイネケン誘拐事件を題材にしたクライム・サスペンス、
Weblog: セレンディピティ ダイアリー
Tracked: 2015-06-20 13:38
ハイネケン誘拐の代償
Excerpt: テンポ良かったけど、なんか薄い。
Weblog: だらだら無気力ブログ!
Tracked: 2015-06-21 00:11
多くの友か多くのお金か…
Excerpt: 3日のことですが、映画「ハイネケン誘拐の代償」を鑑賞しました。 アスミックエース試写室 試写会にて 1983年 オランダの都市アムステルダムでビール会社 ハイネケンの会長フレディ・ハイネケンが誘拐..
Weblog: 笑う社会人の生活
Tracked: 2015-06-22 22:59
「ハイネケン誘拐の代償」
Excerpt: 「Kidnapping Mr. Heineken」2015 オランダ/UK/ベルギー “1983年に実際に起きた大富豪ハイネケン誘拐事件の顛末を映画化した実録犯罪サスペンス。” コルに「鑑定士と顔..
Weblog: ヨーロッパ映画を観よう!
Tracked: 2015-06-22 23:05
ハイネケン誘拐の代償
Excerpt: 「ハイネケン誘拐の代償」 よみうりホール(試写会) オランダのビール会社「ハイネケン」の経営者、フレディ・ハイネケン(アンソニー・ホプキンス)が誘拐された。犯人はコル
Weblog: Spice -映画・本・美術の日記-
Tracked: 2015-06-22 23:24
ハイネケン誘拐の代償 ★★★
Excerpt: 1983年にオランダで起きた世界的ビール会社「ハイネケン」の経営者誘拐事件を映画化した実録サスペンス。『ミレニアム』シリーズなどのダニエル・アルフレッドソン監督が、エミー賞を受賞したジャーナリスト、ピ..
Weblog: パピとママ映画のblog
Tracked: 2015-06-23 16:59
ハイネケン 誘拐の代償
Excerpt: 1983年、オランダ・アムステルダム。 世界有数のビール会社「ハイネケン」の経営者フレディ・ハイネケンが、運転手と共に誘拐される。 警察は過激派の犯行を疑うが、犯人は犯罪経験のない5人の若者たちだった..
Weblog: 象のロケット
Tracked: 2015-06-23 17:00
ハイネケン誘拐の代償 (試写会)
Excerpt: 格の差 公式サイト http://kidnapping.asmik-ace.co.jp6月13日公開 実話を基にした映画 原作: De ontvoering van Alfred Heineken (..
Weblog: 風に吹かれて
Tracked: 2015-06-30 09:17
『ハイネケン 誘拐の代償』
Excerpt: □作品オフィシャルサイト 「ハイネケン 誘拐の代償」□監督 ダニエル・アルフレッドソン□原作ピーター・R・デ・ブリーズ□キャスト アンソニー・ホプキンス、ジム・スタージェス、サム・ワーシントン ■..
Weblog: 京の昼寝~♪
Tracked: 2015-07-08 08:28
ハイネケン誘拐の代償
Excerpt: ハイネケン誘拐の代償 '14:ベルギー イギリス オランダ ◆原題:KIDNAPPING MR. HEINEKEN ◆監督:ダニエル・アルフレッドソン「ミレニアム2 火と戯れる女」 ◆..
Weblog: C'est joli~ここちいい毎日を♪~
Tracked: 2015-12-06 22:24
この記事へのコメント
セレンディピティ
ハイネケンがもっと犯人たちに揺さぶりをかけて、心理的に追い詰めるのかと思っていたので、少々肩透かしでしたね。ラストもあっけなかったし...。
でもこの事件、ネットでもあまり情報がないので、事実を知っただけでも興味深かったです。
犯人が全員逮捕されて、お金を埋めた場所もわかっているはずなのに、大金はどこに消えたんでしょうね??
この事件のときには素人同然だったコルとヴィレムが、この後ほんとうの悪党になっちゃった、というのも複雑な思いです。
ノルウェーまだ~む
それなんですよー
なのできっとあの二人が友達を裏切って、大金をどこかに隠しておいて、出所後、それを元手にギャングとしてのし上がったと想像したのですが・・・・そこも曖昧な終わり方だったので、ホント肩すかしに終わっちゃいました。
どうせ本当のところは判らないんだから、実はここに隠しておいたのさ!的なクライムサスペンスに仕上げても良かったのにね。
それとも埋めた場所を忘れたとか?(リスかっ!?)