今回は出来るだけ苦悩するヒューマンドラマをチョイス。
なんとなく不安になったり寂しくなったりする薄暗い梅雨時こそ、そんな映画がピッタリ(?)
まだ~む的レビュー 満点は★5

★★★
セックス依存症のブランドン(マイケル・フォスベンダー)のところに、妹のシシー(キャリー・マリガン)が転がり込んできた。
妹に自慰行為を目撃され、ほとほと嫌気がさしたブランドンはエロ本DVDとすべて捨て、本気の恋をしようと試みるが・・・
依存体質の兄と妹の、その原因はいっさい語られないが、行きずり・丸見え・青姦・ゲイプレイ3P・・・・とヤリ尽して、最終的に戻った場所が兄妹愛であることが示唆される。
基本的に酒もタバコどころか何にも依存しないので、ことセックス依存がまるで理解できないのが辛いところだけど、マイケルの熱演は確かに見事だし、作品的にも秀逸。

★★★★
優秀で家族の誇りでもあったサム(トビー・マグワイア)は、美しい妻(ナタリー・ポートマン)と二人の娘を遺してアフガニスタンで死亡したと連絡を受ける。
刑務所を出所した弟のトミー(ジェイク・ギレンホール)は、心を入れ替え兄の妻と子を必死でささえようと奮闘する。
いつしか心を通わせるようになるが、そこへ死んだと思っていたサムが返ってきて・・・・・
余りに辛すぎる現実に、言葉を失う。
誰が悪いわけでもなく、どうしようもない事だけにやるせない気持ちでいっぱいになってしまった。
特に子供に「死んじゃえばよかったのに」と言われたショックは計り知れない。

★★★★
幼い娘が白血病と知ってからドナーとなるべく生まれた娘アナ(アビゲイル・プリスリン)は、いよいよ体調を崩す姉のケイトへの腎臓移植手術を拒否するために、裁判所へ訴え出る。
自らも弁護士だった母サラ(キャメロン・ディアス)を相手取り、裁判を進めていくうちに・・・・
泣いたー!とにかくだーだー泣いたわ。
ただのお涙頂戴的な展開ではないところが実に素晴らしい☆
静かに暖かく見守る父と、助けたい一心で必死な母と、居場所を失くし静かに苦悩する兄も、気丈に頑張る妹も、全てが見事!!勿論、病に倒れたケイトも。
「頑張れ~」「きっと良くなるよ」と無責任に応援するのも考えものだと実感。
原作のラストは交通事故で瀕死のアナの臓器が移植される話だそう・・・・実話をもとにしているとはいえ、映画の結末で良かった~☆

★★★★
シリルは連絡が付かない父親に会いに行こうと何度も施設を抜け出そうとしていた。
父親のバイクと一緒に売り飛ばされていた自転車を買い戻してくれたサマンサは、そんなシリルの週末だけの里親を引き受けることにする。
ようやく探し出した父にもう会いに来るなと言われ傷ついたシリルは、街の不良少年の口車で犯罪を犯し・・・・
日本の「親を待ち続ける施設の子供」の話にインスパイアされた映画だとは知らなかった・・・
本当はずっと抱きしめてもらいたいのに、全身のトゲトゲでガードしてしまう少年シリルが痛々しい。
子供のSOSのサインは明らかに理由があるというのに、自身の子供ほど気付かなかったりする。深く反省~~
常に黙って自転車を並走させられる大人でありたい。
この記事へのコメント
とらねこ
ノルさんの1番評価の低かった『シェイム』を貼っておきまーす(笑
『マイ・ブラザー』→ハリウッド・リメイクの方は見ていないけれど、オリジナルのデンマーク映画『ある愛の風景』の方は良かったですよ。
『私の中のあなた』も、感動ドラマですが深いし、社会派的な側面もありますよね。
『少年と自転車』はこれぞミニシアターというテンポの映画でしたが、★4つ!おおー、すごい。
ボー
「私の中のあなた」は、私の中でも、だーだー泣きでした!
ノルウエーまだ~む
「シェイム」好きそうよね?とらねこさん(笑)
誰もがそういう一面を持っている…と、とらねこさんのレビューだけど、オフィスでもどこでもいつもSEXについて考えているというだけで十分に依存症だもの~~ちょい感情移入し難かったわ。
「マイ・ブラザー」はオリジナルがあるのね。今度見てみよう~♪
ノルウェー
やっぱりですか?
結構全編に渡ってだーだーしてましたっ!!
セレンディピティ
「シェイム」以外は見ています。^^
私もどれも大好きな作品!
特にマイ・ブラザーはこの年のマイ・ベストにも選んでいて、あとからオリジナルの「ある愛の風景」も見ましたよ。
「少年と自転車」は最近見たばかり!私もこれ、すごーく気に入りました。できたら記事にしたいですが、もう少し先になるかな...?
シェイムは今まで避けてたけど、大好きなキャリー・マリガンも出ているし、がんばって見てみようかな??
ノルウェーまだ~む
やっぱりどれもお好きですか?好みが似てると思ってました♪
「少年と~」は子どもの態度がねぇという声が当時結構聞かれましたけど、私はこれが本当の姿で、ある意味素直な子だな~と思っちゃいました。
シェイムは敬遠する気持ち判るわ~
それで私も今頃になったのだけど、案外深いお話でした。
あまり家族と見る映画ではないですけど(笑)
zooey
3本ともどれも素晴らしくて
未だに結構ハッキリ覚えています。
TB苦手なので、「少年と自転車」の日記、
こちらに貼らせて頂きますね。
http://blog.goo.ne.jp/franny0330/e/b8b2fe622c98887810b840bfaeae9b16
ノルウェーまだ~む
ギリシャからお帰りなさい~~
素敵な旅日記楽しみに読ませていただきますね。
どの映画も素晴らしいですよね。
ずっしりとくるものでも、心に刻まれる映画こそいい映画と思います。