あえて言葉にしない。
なのにこんなに胸の奥にまで響くとは・・・・
想いがいっぱい、その行間から次々と溢れてくる。
「あん」 公式サイト
<ストーリー>
「どら春」の雇われ店長をやっている千太郎(永瀬正敏)は、突然やってきて雇ってくれと言うおばあさんに困惑していた。
その日のうちにタッパーに入れた自作のあんを持って再訪した徳江(樹木希林)のあんがあまりに美味しくて、あん作りを任せることになると、瞬く間に評判を呼び行列の店になった。
しか彼女がしハンセン病患者だったことが噂になり、客は一気に去って行く。
全てを察した彼女は姿を消すのだが・・・・
東京にもこんなに美しい自然がいっぱいあったのね
撮影の仕方によって・・・・・いや、正しい心の有りようで見ると、東京にも自然がいっぱいあって、世の中はこんなにも美しくきらめいているのだと気付かされる。
この映画の大きなテーマとなっている。
言葉ではなく、映像でその『心の叫びを』その『秘めた思いをその『こみ上げる感情を』表せる。
河瀨直美監督、見事としか言いようがない。
勿論、役者陣も全て見事
樹木希林は、ほぼアドリブに近いのかな?
自然体すぎるほどの演技で、ぐいぐいっと観客を惹きつけていく。勿論、寡黙なのに体全体で語っている永瀬正敏も秀逸☆
あずきを煮ているシーンでは、後ろの席のおばあちゃん3人組が「ん~~、ん~~~~っ、うゎ~おいしそう~♪ねー?」とお茶の間鑑賞状態だったので、やや気持ちをそがれたのだけが残念(苦笑)
どら焼きのカワを焼くのも上手
綺麗な焼き目をつけて、上手くひっくり返す手つきは、本職の人のよう。
どら焼き食べたくなっちゃった♪
やや棒読みの女子中学生たちも、自然体。
ふとしたきっかけで店番もするようになった徳江。
女子学生の素朴な質問に・・・・・
素直なことが時として残酷だったりもするけれど、一番残酷なのは心無い噂。そして思い通りにならない人生。
家庭に問題をかかえるワカナ(内田伽羅)は、樹木希林の孫=もっくんの娘
実は原宿駅前のサンスイミングで同じ頃スクールに通っていたうちの息子。
時々もっくんが伽羅ちゃんを連れてきていたそう。
私は会ったことなかったけど。
ハンセン病施設へ徳江に逢いに行くと・・・・
東村山にある全生園が、まさにその施設。
緑豊かな場所・・・と言えば聞こえがいいが、深い林の奥に作られているとも言える。
徳江はここの食堂であんを作っていた。
あん作りをする場所があるのに、あえて千太郎の懐へ飛び込んで行った徳江。ここに胸が熱くなる『想い』がある。
重たいテーマなのに、美しく清らかで、最後は心が軽くなる
心が煮詰まって焦げ付きそうな、全ての年代の人に観て欲しい。
ロングランでも、さすがに間もなく終映だから、今すぐに☆
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この記事へのコメント
セレンディピティ
ドリアン助川さんの原作は、出たばかりの頃に読みました。
最初からぐいぐい引き込まれて、途中からはもう号泣、号泣。こんなにストレートに心をわしづかみにされた作品は久しぶりでした。
ドリアン助川っていったい何者?!って他の本も読みたいと思いつつ、そういえばそのままになっていました。^^;
映画化されると知ったときには、期待と不安が入り混じった気持ちでしたが...原作の世界をそのままに、すばらしい作品になっているようですね。
いつか見てみたいです。
ノルウェーまだ~む
原作読まれたのですね~
映画は号泣号泣とまではいかないのですが、ぐっと胸の奥を掴まれ、あとからじわじわくるタイプの映画でした。
原作も是非読んでみたいです。
ドリアン助川さん、名前にインパクトがあるので私も??と思いましたが、音楽でライブやったり放送作家もなさっていたり多彩な方のようですね☆
メビウス
希林さんの自然体のような演技は本当に見入ってしまいましたね。前半の奔放でマイペースな感じや後半の施設にいる時の演技の落差も凄くて確かに引き付けられました。でも自然体で言えば出演していた人は皆そんな感じに見えましたね。永瀬さんが演じる店長然り、店でどら焼き食べてる女子中学生然り。
ハンセン病患者に向けられた世間の無理解が生み出す心無い風評とか見てて痛々しく重い部分もありましたが、それでも終わってみればとても感動できて気持ちもどこかスッとしますね。
どら焼き食べたくなる魔力もとてつもなく凄い^^;
ノルウェーまだ~む
桜や木々のざわめきなど自然を写す映像も素晴らしかったですが、役者さんたちも皆自然体で良かったですね。
店長の永瀬さんにはしっかり泣かされました。
重たいテーマなのに爽やかで、本当に気持ちがスッと楽になったりしましたね。それでもちゃんと伝えたいところを奥の芯のところに持っているのが素晴らしいと思いました。
たいむ
原作は知りませんが、押しつけがましさのないところが良く、正しい知識を得る良い機会になる作品と思います。
情報社会となり、逆に正確な情報を掴むことの難しさを感じるこの頃です。
ふじき78
ノルウェーまだ~む
「噂話は決して情報ではない」という事を、各人肝に銘じなくてはいけないと思いますね。
また、正論であっても噂話に翻弄される現実も見極めないといけないのでしょう。
SNSに振り回されている人が多いのが哀しい現状でもありますが。
ノルウェーまだ~む
浅田美代子演じるオーナーさんと樹木希林演じる徳江さんは、一度も顔を合わせませんでしたね。
ここが重要なのだと思います。
人となりを知っていたら、このような酷な事を言わなかったとも思えますし、でも噂話で客足が遠のいてしまう現実は確かにオーナーの意見としては正論だったとも言えるのが、辛い所でもあります。
zooey
邦画はつい後回しにしてしまって…
でもまだ~むさんがそれだけ推されるのであれば
これは観に行かなくっちゃいけませんね!?
ノルウェーまだ~む
そうなんです、邦画ってちょっと後回しになっちゃうのだけど、本当にいい映画っていうのは、邦画だったりしますよね。
もうすぐ終わっちゃいそうだから、お早目に~~
ノラネコ
扱ってるテーマは重いのですけど、ちゃんと物語を聞いてもらって、最期は少しばかり幸せに終われたのが救いでした。
伽羅ちゃんはいい役者に育ちそうです。
ノルウェーまだ~む
全くその通りですね~
施設のお庭で楽しそうに笑っている方たちとか、「そこで見つける生きる喜び」を感じられるいい映画でした。
マリー
でも書けてない・・・
かる~く書ける作品と考えこんじゃう作品とあって。これはまさに考えこんでしまって・・・
ハンセン病患者さん隔離とかも本当に近年まで行われていたんだって、調べてびっくり。
しかも酷い差別や仕打ちを受けて。
映画だけ観てたら、分からなかった。
あんな閑静な場所で充実した施設に暮らしていたらいいじゃんとか一瞬でも思ってしまった自分が恥ずかしくなったの。
子どもを産むことも許されなかった。人間としての尊厳もなかった・・・知らないこと多すぎな自分を恥じてる・・・
きっと映画では語られない、そういうことも伝えたいって
押しつけがましくなく伝わってきた。
ノルウェーまだ~む
「きちんと知っているべきこと、でも知らなかったらこれからちゃんと調べて知ったらいい」というスタンスで作っているんだよね。
正しい知識を持たずに、身勝手な噂を立てることの無責任な差別行為は、かつて患者を隔離し親族であったことすら無かったことにした歴史をやすやすと繰り返す土台になっている事に、観た人が気付いてくれたらいいよね☆