実は予告編以上のお話は無い。
というよりも、予告編のほうが上手に言葉をつなげて、お話を分かりやすくしているくらいだ。
必要以上に盛った部分がないのに、なぜにこんなに泣けるのだろう?
もうコーラス発表会のシーンからあとは涙が止まらない。
「エール!」 公式サイト
<ストーリー>
フランスの片田舎で酪農を営むベリエ一家は、高校生のポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外は耳が聞こえない。
通訳と外商を一気に請け負って家族を支えていたポーラだが、コーラスサークルで音楽教師に才能を認められ、パリの音楽学校受験を勧められる。
密かにレッスンしていたポーラだったが、家族の大反対にあい夢を諦めることにしたのだが・・・・
仲良し一家はいつでも一緒
家族はいつもべったりと仲良しだけど、実はポーラ一人が全て背負っている。
いい意味でも悪い意味でも雑音が一切入ってこないベリエ夫妻は、高校生だというのにまだ生理もきてなかったおぼこい娘に、性感染症の治療で、当面SEXを控えてくださいという医師に不満をぶつけるところまで通訳させてしまう能天気(無神経)さ。
教師に才能を見いだされ、毎晩レッスンに通う
ポーラといっしょにパリの音楽学校を受験するつもりでいた同級生で片想いのガブリエル(イリアン・ベルガラ)が、声変わりしたから受験を諦めるくだりは、ちょっと中途半端だったかな・・・
実際、声楽は声変わりしたってみなさん続けてるわけだし?大学受験の年齢まで声変わりしない人なんていないよねー
作ったチーズを市場で売るときもポーラが頼り
何もかもポーラにおんぶにだっこなベリエ一家なのに、、無謀にも選挙に出馬すると決意する父親。
彼がまた不愛想であまり表情をみせない。
ポーラが上手に相手に通訳してくれるのをいいことに、いつも言いたい放題なこの夫婦に、前半は呆れかえることも多い。
家族の障害(生涯)を背負って、ついに夢を諦める決意をするが・・・・
邦画ならたっぷりと苦悩するシーンをさらりと描く。
ヨーロッパ特有のどんよりとした湿度の高い曇天の晩秋において、こんなにもカラッと爽やかだなんて!
あえて言葉にしない、あえて顔に出さない、だけど歌にしたらその何倍も気持ちが伝わっていくのね☆
情熱的な愛の歌を学校の発表会で歌わせるって・・・・(爆)
音楽学校受験の時もシャンソンで受験するのは、フランスならではなのかな?
その後どうやって選挙戦を勝ち抜いたのか、どうやって商売も聴覚が不自由な3人で切り盛りしていったのか、まるで説明はないけどそんなことはどうでもいいの。
今まで聞こえないから聞いてこなかったのではなく、聞こうとしてこなかっただけ。
聞こえない耳で娘の心の声を聴いた家族が、そんな自分たちに気付いたあたりから、溢れる涙が止まらなくなる。
そして聞こえるし喋れるのに、相手の心の声を知ろうとしてこなかった自分にここで気付くのだ。
ラストの愛おしくて堪らないと全身で表現する家族の抱擁に胸が熱くなる。
この記事へのトラックバック
『エール!』
Excerpt: 飛び立つ親離れ、見守る子離れ。 聴覚障碍者の両親や弟にどうすれば自分の歌を届けることが出来るだろうか。どうすれば自分の夢を、想いを伝えることが出来るだろうか。 フランス ...
Weblog: こねたみっくす
Tracked: 2015-11-04 23:39
エール!
Excerpt: 青春の翼 公式サイト http://air-cinema.net 監督: エリック・ラルティゴ 「プレイヤー」 フランスの田舎町で酪農を営むベリエ家は、高校生のポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外、両親も..
Weblog: 風に吹かれて
Tracked: 2015-11-06 22:52
エール! ★★★.5
Excerpt: 歌の才能を認められパリの音楽学校のオーディションを勧められた少女と、聴覚障害のある家族との絆を描いた感動作。最愛の家族を支える役目と自らの夢の間で揺れ動くヒロインを、新人ルアンヌ・エメラが好演し、セザ..
Weblog: パピとママ映画のblog
Tracked: 2015-11-07 10:35
エール!
Excerpt: フランスの田舎町で酪農を営むベリエ家は、高校生の長女ポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外全員が聴覚障害者。 ポーラが通訳をすることで、特段の不便も感じることなく、明るく楽しい家庭を築いていた。 そんな中、..
Weblog: 心のままに映画の風景
Tracked: 2015-11-08 20:33
『エール!』
Excerpt: (原題:La famille Belier) たとえば観てから何十年も後にある映画のタイトルを耳にして 「あっ、それぼくも観たよ。よかったなあ」と 記憶の底から手繰り寄せてくることがある。 そしてぼ..
Weblog: ラムの大通り
Tracked: 2015-11-16 11:19
『エール!』
Excerpt: □作品オフィシャルサイト 「エール!」□監督 エリック・ラルティゴ□脚本・原作 ビクトリア・ベドス□キャスト ルアンヌ・エメラ、カリン・ビアール、フランソワ・ダミアン、 エリック・エ..
Weblog: 京の昼寝~♪
Tracked: 2015-11-17 08:25
『エール!』 2015年9月18日 京橋テアトル試写室
Excerpt: 『エール!』 を試写会で鑑賞しました。 初潮が高校生とはずいぶん遅い・・・そんな映画ではないですよ(笑) 【ストーリー】 フランスの片田舎の農家であるベリエ家は、高校生の長女ポーラ(ルアンヌ・エ..
Weblog: 気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!)
Tracked: 2015-11-17 11:45
エール!~生きる喜びを叫ぶ
Excerpt: 公式サイト。フランス映画。原題:La famille Belier。エリック・ラルティゴ監督。ルアンヌ・エメラ 、カリン・ヴィアール、フランソワ・ダミアン、エリック・エルモスニーノ。フランス期 ....
Weblog: 佐藤秀の徒然幻視録
Tracked: 2015-11-19 10:40
エール!/ルアンヌ・エメラ
Excerpt: 歌の才能に溢れる少女が聴覚障がいの家族たち音楽への道へ進む夢を理解してもらおうと奮闘する姿を描き本国フランスで大ヒットしたというハートフルなヒューマンドラマ。試写会観 ...
Weblog: カノンな日々
Tracked: 2015-11-19 17:58
エール! / La famille Bélier
Excerpt: ネタバレあり。 フランス映画祭2015(日本)観客賞<最高賞>、2015年セザール賞最優秀新人女優賞(ルアンヌ・エメラ)、2015年リュミエール賞最優秀新人女優賞(ルアンヌ・エメラ)・最優秀主演女優..
Weblog: 勝手に映画評
Tracked: 2015-11-19 22:47
エール!
Excerpt: 素敵な作品やった。
Weblog: だらだら無気力ブログ!
Tracked: 2015-11-19 23:46
映画「エール!」
Excerpt: 映画「エール!」を鑑賞しました。
Weblog: FREE TIME
Tracked: 2015-11-26 22:56
『エール!』
Excerpt: あまり上映している映画館がなかったので錦糸町で見ました。 ストリーは・・・ フランスの片田舎の農家であるベリエ家は、高校生の長女ポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外、 全員が聴覚障害者。コーラス部に入っ..
Weblog: sweetmagicのブログ
Tracked: 2015-11-27 12:09
歌が聴こえる/ベリエ家の人々~『エール!』
Excerpt: LA FAMILLE BELIER フランスの小さな村で酪農を営むベリエ家は、娘のポーラ(ルアンヌ・エメラ) 以外、両親と弟は耳が聞こえない。家族に手話通訳をするポーラは、音楽教..
Weblog: 真紅のthinkingdays
Tracked: 2015-12-09 10:06
エール!
Excerpt: エール! '14:フランス ◆原題:LA FAMILLE BELIER ◆監督:エリック・ラルティゴー ◆主演:ルアンヌ・エメラ、カリン・ヴィアール、フランソワ・ダミアン、エリック・..
Weblog: C’est joli ここちいい毎日を♪
Tracked: 2016-02-28 22:09
エール!
Excerpt: JUGEMテーマ:洋画 「エール!」 原題:La famile Belier 監督:エリック・ラルティゴ 2014年 フランス映画 105分 キャスト:ルアンヌ・エメラ カリン・ヴィアール フラ..
Weblog: マープルのつぶやき
Tracked: 2016-04-08 16:35
映画評「エール!」
Excerpt: ☆☆☆★(7点/10点満点中) 2014年フランス映画 監督エリック・ラルティゴー ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2016-11-05 09:15
「エール!」
Excerpt: 最後の歌に、盛り上がりを集めて持ってきたよね~!
Weblog: 或る日の出来事
Tracked: 2016-11-17 07:44
この記事へのコメント
にゃむばなな
しかも手話付きで歌うのがいい!
歌に想いが乗るというのは、やっぱりストレートに心に染み入りますわ。
zooey
細かいことが気になってしまいました。
あの母親はあんまりお友達になりたくないタイプかも。
家族愛の素晴らしさには打たれましたが
あまりにもあけっぴろげのセックス観に
日本人としてはついていけませんわ~!
ノルウェーまだ~む
ポーラの選曲はそのものズバリすぎる気もしましたが、手話付きで家族に届けるのにぴったりでもありました。
歌が本当にうまくて、心に染み入りましたね~~
ノルウェーまだ~む
やはりヨーロッパとは文化の違いを感じますね。
しかも片田舎だし、耳が聞こえないからお楽しみは限られちゃうのかも(笑)
その後のことはエンディングのあとに写真があったから、無事村長になったみたいでしたが、どうやって?の部分を知りたかった気もしますね。
セレンディピティ
同じテーマでも、邦画だともっとウェットでお涙頂戴的になってしまいそうですが、からりとコメディタッチで描かれていそうなところがいいですね。
ヒロインの女性の歌声がすばらしい!ときいているので、是非聴いてみたいです。
家族のドラマとしても引き込まれそうですね。
ノルウェーまだ~む
かなり娘にどっぷり頼っている家族なので、日本の思春期の子供だったら暗く悩んでしまいそうなところを、あえて性の話すらオープンなカラッとした性格がこの物語の救いになっているのです。
家族の絆に心打たれますよ♪
セレンさんもぜひ!
オリーブリー
ここの両親、やたら明け透けで憎めないんですけどね(苦笑)ハンディの手助けは家族として当然でも、娘に依存しすぎじゃない?とは思いました。
でも聴こえない体感にはっとさせられて、そこからは親の気持ちも切ないものでしたね。
巣立ちって誰もが経験するもの、笑いあり涙ありの素敵な作品でした。
ノルウェーまだ~む
気の毒なくらい娘に依存しまくっていたけど、親も子もこうやって巣立っていくものなのかも~って思える映画でした。
娘が清々しいほど純朴で素直なのが、このフランスの片田舎にぴったりでしたよね~
都会の娘だとさすがにこうはいかないのかも…
たいむ
それでもやっぱりポーラを手放して大丈夫?って逆に思ったりもするけれど、何でも乗り越えてきた強い家族だし、なんだかなんとかしそうですよねw
ノルウェーまだ~む
互いに愛情が深すぎて、つい依存しあってしまっていたのだと思います。それがあたりまえになっていたというか。
外商にしてもチーズ売りにしても、今はネット社会だし、メールや筆談で充分出来ることだったのかもしれないです。
障害も意識次第で乗り越えらるということかも☆
Nakaji
>音楽学校受験の時もシャンソンで受験するのは、フランスならではなのかな?
わたしもこれ思いました。それも自分の好きな歌を歌うってすごいな~って思いました。
もーーーラストの家族の抱擁は、愛しくてたまらなかったです。
ノルウェーまだ~む
都市部の話じゃないからなのでしょうか?より一層、その国らしさにびっくりすることいっぱいですよね。
ラストのシーンは本当に愛しくて気持ちの良い作品でした!
ボー
録画保存しておくかも。
ノルウェーまだ~む
何度見ても、明るく元気を貰えて、更に号泣ですよね~
保存版です!!
瞳
コメントありがとうございます。
まだ~むさんはオリジナルとリメイクどちらもご覧になっているんですね。
いろんな問題をさら~りと描いていましたね。全然重たくない(笑)
前半は家族を支えて彼女が頑張りすぎているのが気になってしまって、パパもママもちょっと頼りすぎ~なんて思ってしまうんだけど、
そういう気持ちも、合唱祭からオーディションを観ていくと、もう、涙涙・・・でしたね。
いったいどうやって選挙勝てたんだ~~(笑)
エンドロールのハッピーショットで解決~!(^^)!でもそのおおらかさも楽しかったです。
ノルウェーまだ~む
>
選挙のくだりは実はあまり覚えてないのですが、きっと全く困難と思われたことも、勇気を出して一歩踏み出せば何とかなるというお話だから、そこはおおらかに「良し」ってことなのでしょうかね?(爆)
ラストは涙・涙・・・
フランスっぽさが前面に出ていてなかなか素敵でした☆
いつかアメリカ版もご覧になってみて~