トルコに駐在経験のあるママ友が、劇場鑑賞券を当てたので行かない?と誘ってくれたので行ってきたyo
犬と少年の話なら、のどかそうなあの映画ね?と思ってOKしたら、意外にも荒々しい映画だった。
どうやら「ベル&セバスチャン」と間違えていたみたい・・・・(滝汗)
ちょっとおませな少年が眼光鋭い目で真実を見抜いて、本当の意味で成長する話。
ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞。
「シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語」 公式サイト
<ストーリー>
トルコの広大な自然の中で暮らす11歳のアスラン(ドアン・イスジ)は、身体も小さく仲間からもなめられていた。
学芸会で大好きな美少女アイシュが白雪姫になったのに、やりたかった王子の役を人気者の村長の息子オスマンに取られたのが悔しくてたまらない。
ある晩、負けて瀕死のまま打ち捨てられていた闘犬シーヴァスを助けたアスランは、学校も行かず犬の世話に明け暮れ、次第に強くたくましくなり闘犬でついにオスマンの飼っている犬に勝つ。
学校で一目置かれるようになったが、肝心のアイシュは振り向きもせずアスランは・・・・・
全編もんんんんんのすごくピントが浅い
近眼の人にちょうどいいくらいに近い距離だけにピントが合っている映像が、最後まで続く。
手ぶれの激しい手持ちカメラで、至近距離以外はボケている状態だとクラクラしちゃって、これが寝ないでいられましょうか?
子供の目線を意識しているのか、見たい目的のものでは無く同級生の後頭部しか見えなかったり、大人の背中で画面がいっぱいになったり・・・・
まさにアスランの視線そのものを映し出している点では実は秀逸だったりする。
とにかく広大な自然が広がる
この岩と平原が続く大地で、どのようにして生活が成り立っているのかは、あまり見えてこない。
羊を飼っている人がいたり、アスランの家では牛を飼育しているようだけど・・・
この点でも実はアスラン少年の見ている景色だからだと、最後になって気が付く。何しろ子供は全体を見ずに、見たいものだけを見ているのだから。
映画の主人公には珍しい、常に眉間にシワをよせて刺すような目つきのアスラン
チビでしかもいつも不機嫌そうで三白眼だと、やっぱり女の子にはモテないねぇ~~
幼さが残っている分、お母さんのおっぱいを盗み見たり、教師のSEXを覗き見したり、好きな子に猛アタックしたりと、更にはタバコも吸ってみたり(モザイク)しっかりおませさんなのがちょっと違和感。
でも11歳だものね。
小さいのにませている子居たわ~~そういえば。
負け犬だったシーヴァスに自分を重ねて、のめり込んでいく
シーヴァスが宿敵オスマンの犬を負かしたことで、一気に人気者になり、自分までが勝ったように思うアスラン。
更に今まで相手にもしてくれなかった村長をはじめ、父、兄、村の男たちがアスランに言い寄ってくる。
近すぎる映像はアスランの視点であり、闘犬シーヴァスの視点でもある・・・・それにしても近いよっ
後半は戦っているところは写さないけど、闘犬のシーンは犬好きなら耐えられないほどの激しさ。
耳もちぎれ、傷だらけで血まみれのシーヴァスを見て、アスランは決意する。
映画サイトで★2なのは、斬新だけどブレブレで見にくい映像のせいだと思うけど、これはきちんと見たら見事な作品と言える。
アスランが背伸びして真似したタバコもHなことも、警察の目をかいくぐって勇ましく出掛けて行く闘犬も、全て大人の「恥ずかしい部分」であって決して誇らしいことではないと、彼はその鋭い観察眼で見極めたのだ。
子供は大人の背中を見て育つ。アスランのように反面教師になればいいけど、実際はそうはいかない(大麻吸ったり?)。ホント環境って大事☆
それはこの近さで「ちゃんと見た」からこその答え。
背景のぼやけた景色は、大人の曇った目で見た景色に違いない。
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この記事へのコメント
セレンディピティ
「ベル&セバスチャン」は今、原作(児童文学)を読んでいますが、すでにぼろぼろ泣けてきています。
実はこの作品も、犬と少年ということで気になっていたのですが、テイストはだいぶ違うようですね。男の子の目を見ても厳しい世界を描いた作品だということが伝わってきます。
映像も独特でとっつきにくそうですが、トルコという国の一面に触れられそうです。
ノルウェーまだ~む
これは監督の長編作品デビュー作らしいですが、斬新なカメラワークといい中々に実験的な映画でした。
児童文学の愛と涙にあふれる物語と比べるとちょっと違うようですね~
厳しい自然の中で暮らすトルコの人たちの日常が垣間見えて、興味深い作品でした。