歴史家・磯田道史による評伝「無私の日本人」に収録されている一編「穀田屋十三郎」を映画化したと後で知って納得。
まさかのこんなに泣ける人情映画だったとは!!ハンカチ用意するの忘れていて、焦ってしまったわ。
「殿、利息でござる!」 公式サイト
<ストーリー>
仙台藩の重税に苦しむ百姓や町人たちの夜逃げが後を絶たない小さな宿場町の行く末を案じた造り酒屋穀田屋の主(阿部サダヲ)は、知恵者の菅原屋(瑛大)と千両を集めてお上に献上し利息を取るという秘策を考案する。
計画が明るみに出れば打ち首も覚悟の上、資材を投げ打って小銭を集め始めるのだが・・・・
これがなんと全部実話だというのだから凄い!!あなたにこれが出来ますか?
今回は阿部サダヲらしさをやや封印
つぶらな瞳で真剣に町民の行く末を案じる姿や、父に捨てられたと思い込んで皮肉れている様子は、今までの彼のキャラとはちょっと違って新鮮。
あえて最後までおふざけ無しでいったのは、ちょっと意表を突いたけれど、これが大成功。
なのに普通の時代劇と何が違うのか?現代劇ともとれる気さくな会話が『実はコメディのようにみせかけて、物凄く真面目なテーマ』をいとも軽く見せることに成功している。
養子に出された穀田屋(サダヲ)は、実家の金貸し業を継いで厳しい取り立てをする弟(妻夫木聡)を面白く思っていなかったが、実は・・・・
後半明かされていく真実に、涙・涙・・・・
そして親の教育って大切なんだとしみじみ。
私は子供たちに何を残せているかしら・・・・?
酒屋の女将(竹内結子)のきっぷのよさもピッタリ
今回キャストが絶妙!
収まるところに収まっている配役に、普段はワル役をする人が案外良い人だったりと登場人物も楽しい。
何より冷酷無比な藩の財政担当奉行の役人の松田龍平の目付きがヤバイ!!
これは見もの!!
何より出資者が自らに課した『つつしみの掟』が凄い!!
自ら破産に追い込まれながらも、全財産を百姓・町民のために差し出した者たちが決めた掟。
①喧嘩しない
②計画を口外しない
③寄付するときに名前を出さない
④道を歩くときも偉そうに真ん中を歩かず端を歩く
⑤飲み会でも上座に座らない
ここまでせねばならぬのか?と私まで言いそうになっちゃう。
切手代をごまかしたり、税金で高いホテルに泊まったりコレクションをネットで買ったりするような人に、是非観て欲しい。
原作者の磯田道史氏は、文献を読みながら東大図書館で涙をぽろぽろこぼしたそう。
彼のその時の胸を打った感動が、そのまま映画になったと言っても過言ではない。
こんな世の中だからこそ、『無私の日本人』でありたい。
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この記事へのコメント
ノラネコ
そんでお金を出し合った旦那衆は、来日していた世界一貧しい大統領に通じるものがありますね。
こういうのは時代じゃなくて、結局個人の心のありようなんでしょうね。
なかなかここまで無私を貫くのは難しいと思いますが。
ノルウェーまだ~む
個人の心の有りようも、やはり親の教育のたまものなのだとしたら、人としてやらなければならないことが見えてきますね。
先人はそういう事も考えて、良いものを残してくれたのでしょう。
何より現在の酒屋の様子からそれがひしひしと伝わってきました♪
後世に残すのは名ではなく、その「心の在り方」で有りたいものです。
yukarin
これが実話だというから驚きですね。
今の時代...考える所もありました....
後半は良い話になっていてうるうるしてしまいました。
ほんとうに...誰かさんに見てほしいですよねぇ^^;
ノルウエーまだ~む
このような奇特な方が実際に何人もいたなんて、本当にビックリでした。
大いに考えさせられましたね。
色々と見習わなくては!としみじみ思っちゃった。
後半はほんと泣いたわ~~
みすず
とっても良かったね!
わたし、泣けるって知らなかったから、ハンカチなしで困ったよー^^;
コメディと見せかけて・・・って、本当によくできてる。
ふじき78
ノルウェーまだ~む
そうそう!
私もまさか泣かされるとは思わず観てたから~~
人情溢れる話で、よく出来ていたよね☆
ノルウェーまだ~む
そうそう、そうなんですよね~
全員がものすごい良い人ばかりっていうのは、嘘くさいけど、なんとなく引っ張られて、気付いたら仲間になって抜けられなくなって…っていうのが、よりリアルで良かったです。
とらねこ
最後に「穀田屋」の現在の姿が出て「やっぱりそうだったのか!」と驚きました。
いつか必ず穀田屋さんには訪れてみたいと思いますし、吉岡宿も行ってみたいです。
ノルウェーまだ~む
そっか、予告編を見ない主義だもんね?
案外そういう事を知ってて観るのも印象が違った鑑賞できて楽しいかも☆
吉田宿、今はどんなふうになっているのでしょうね~~??
是非、行って見てどんなだったか教えて~~!