劇場鑑賞券が当たったよと誘っていただいて、今まさに親の介護に直面している私たち二人にピッタリな映画に行ってきたyo
重たすぎず、しかし映画のようなゆったりとした気持ちで、まさに自分を見直す良い機会になったwa
「わすれな草」 公式サイト
<ストーリー>
妻の介護を始めて4年経つ父を訪ねて、ドイツの実家へ手伝いに行ったダーヴィット。
認知症が進んだ母のグレーテルの面倒をみながらも、すっかり疲れてしまった父マルタがスイスの別荘へ暫く旅立つ間介護をすることになったのだ。
美しかった若い頃、革命の母としてニュースキャスターや学生運動もし、自由恋愛を掲げて多くの男性と浮名を流した母の過去を調べつつ、変わりつつある母の姿に戸惑う息子のダーヴィット。
自身も浮気を繰り返してきた父マルタは、妻の古い日記を見つけると、実は子育てをしながら夫の不倫に苦悩していたことを初めて知り・・・・
はいお膝に乗って♪とママ(膝の上が監督のダーヴィット)仲の良い家族は・・・・
普通は介護の苦労から家族がバラバラになったり、結束したりするのが介護をテーマにした映画の常。
でもこれはドキュメンタリーであるから、過剰に泣かせるようにしたりもなく、かといって過激な展開は一切ない。
終始穏やかで愛に満ち溢れているが教訓じみている訳でもない。
若い頃は超美人だった母の過去をたどり、浮気相手の男性のところにまで取材するって凄い~~
とかく単調になりがちなドキュメンタリーを飽きさせずに見せているのは、ひとえに両親の生き様にびっくりさせられるから。
何しろ互いに自由恋愛を楽しんでいたなんて・・・・ドイツってそういうお国柄なの?と思ったけれど、当時の浮気相手だった男性の話を聞くと、自分はそういう考えは絶対ムリと。(不倫しておいてヒドイ!)
母とのとんちんかんな会話がユーモラスなので、決して暗くなる話では無い
一人で介護してみて初めて大変さを知る息子。
思うようにいかない認知症の母に決して声を荒げることも無く、終始まったりと暖かい空気が流れている。慈しむ思いが作品全体を優しくしてくれるのかもしれない。
特に暫く息子が世話していると、夫マルタの事を忘れてしまい、息子を夫だと言って父が焼き餅を焼くところなどほっこりしてしまう。
そんな父もひとりで介護を背負ってきた背景には、母の日記を読んで彼女が『実は夫の浮気に思い悩んでいた』ことを初めて知ったからという事実も。
おっぱいが大きい人も考えものだと最近思い始めた私・・・・
最終的にホームに入れて母が元気になってきたのに、訪ねてきた姉に反対され自宅介護に戻るラストは、改めて何が正解なのか答えが無い事を示しているようにも思える。
ある意味、大きな家に住んで住み込みの介護士を雇える余裕があるとか、スイスの別荘で絶景を見ながら気分転換も出来る環境とか、自宅で寝たきりになってからそう長くない時に他界していたりと、どの家庭にも当てはまるという話ではない事は確か。
ただし、映画の前半ではいつもいつも同じボーダーのTシャツしか着てなかった母グレーテルが、最後自宅へ戻り言葉の通じる介護士に面倒をみて貰えるようになってからは、明るい花柄の服を着て非常に表情も豊かになり、再び美しい母へ戻った瞬間があった。
このことが1つの答えになっていると思うと再び深く考えてしまうのだった。
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この記事へのコメント
お昼寝にゃんこ
ドキュメンタリーなのに、ドキュメンタリーじゃない見せ方に、心地よく引き込まれました。
1つの物語を読んでるみたい、なんでだろ?と思ってたけど、まだ~.むのコメントを読んで、そうかと納得!
分析力、文章力、さすがです!!
ありがとう(^ー^)ノ
ノルウェーまだ~む
鑑賞券誘ってくれてありがとう~~
そしてお褒め頂き恐縮です。
へ?私なんて書いたっけ?って読み返しちゃった(笑)
何というか…他人が撮影すると「答え」を出そうとしたり、意地悪く意味を持たせて撮ったりするけど、これは『息子』が撮ったからこその映像なのかなと思ったわ☆
悲壮感がなく温かい映画だったね♪