当時戸倉温泉の中で最も大きく立派だったこのホテルは、長野オリンピックを当て込んで増改築を続けて、迷路のように増殖したもののオリンピック会場から遠いという理由で使われず、オリンピック後に倒産したのだそう。
人々の期待を背負ったオリンピック景気後の本当の姿は、こんなかげろうのようなものなのか・・・?
実は宿泊したホテルからも、徒歩でも行ける距離にその巨大な廃墟はあったのだった。
4~5年前までは管理の目も厳しかった様子。
内部は自然に朽ちただけではない、相当に荒らされた跡も見受けられるので、ご近所の方がナーバスになるのも納得。
今は礼儀正しい(?)廃墟を愛でる廃墟マニアによる訪問が中心で落ち着いているのか、特に管理の目もない様子。(勿論何の確証も無い)
広大なロビーの巨大なシャンデリアの向こうに広がる信州の山々の緑が眩しい。砕けたガラス片が足の下でシャリっと音を立てた。
斜面に沿って建てられたホテルの本館へと続くエスカレーターはその先も見えないほど長い
渡り廊下を行くと、あっと息を呑む光景が広がっていた。
並べた2つの写真を見比べて欲しい
左が帰宅後見つけた2013年ころの写真、右が今回ねえねが撮影したもの。たまたま全く同じ場所から撮っているわけだけれども、完全に床が崩落しているのが判る。
これはさすがに心霊スポット巡りの人たちやヤンキー的な輩の仕業ではない、自然の現象といえる。
崩れた部分の下から見上げると、天井が斜めになっていた。勿論危険なのでこれ以上は立ち入らない。
先ほどの崩落していた木造建築部分。この姿で存在するのもあと何年か・・・・?
100年も経てば解体されることなく残っているこの巨大なバブルの遺産も軍艦島のような歴史遺産として価値が出るのだろうか?
それともGWだというのに閑散としてるこの千曲の街が、すでに廃墟の波に飲まれ始めているのだとしたら・・・?
釘を踏み抜くことも無く、崩落に巻き込まれることも無く無事に脱出。
駐車場で振り返ると、建物の奥の方でガターン!!と大きな音が鳴った・・・・・
*2018年夏の時点で、手前の木造の建物は重機が入って取り壊され撤去された模様。➡その118:信州観光ホテル【灼熱長野4/6】
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