満を持して話題の映画を観てきたyo
冒頭は、声がわんわん響いて聞き取りにくい廃墟の中で、どこかたどたどしい映像が続き、うーん大丈夫かな?と一抹の不安もあったけれど、ある意味それがあえての演出だったとは!
そしてまさか最後に泣くことになるなんて・・・
「カメラを止めるな!」 公式サイト
<ストーリー>
とある廃墟で「ワンカットワンシーンゾンビサバイバル」映画を撮影中のスタッフが、本当のゾンビに襲われ次々とゾンビ化していく・・・
という設定の映画を撮影中、様々にトラブルが発生。
本物のゾンビから逃げつつトラブルに果敢に挑んでいくメンバーが最後に辿り着いたのは・・・・
42テイクも撮りなおすほど下手くそでもない…というか、どちらかというとゾンビや他のメンバーのほうがたどたどしい
「そこそこの映像を撮る」監督と、そこそこのスタッフ・役者が集まって、『ゾンビ映画を生中継で、しかもワンカットで撮る』というお題に挑むというのが大筋。
撮影中の様子より、休憩中のほうが何故かぎこちないんだけど、それが後から効いていくという斬新なしかけが今回話題になったこの映画の面白さ。
脚本の巧さは目を見張るものがある。
ラストにはメイキングのメイキングもあったりして、実に面白い
監督と女優が不倫しているとか、端役の人のこだわりが激しすぎるとか、アイドル女優の事務所NGをたてにした我が儘とでかい態度など、あるあるネタと業界の裏話的な部分もありがちだけど面白い。
ゾンビ映画をどうやって作るか・・・を知れるのも興味深いけれど、この映画の面白さは、実は『どうしてそうなっちゃったか』にある。
ゾンビよりインパクトのあるプロデューサーほか、上層部は暢気なもので…
無茶ぶりな企画を立てて、製作人だけが苦労をするのは業界でよくある話なのかな?
ドタバタの現場と、人の苦労も知らず和んでいる上層部の対比も笑える。
映像制作の裏側のドタバタ劇とみせかけて実は・・・
ゾンビコメディとして秀逸。
低予算で粗削りに作られた話題の映画は、これだけ話題になるのも納得の面白さ☆
しかし一番素晴らしいのはラストシーンを撮るところ。
まさかこの映画で泣くことになるとは思ってもみなかったのでハンカチの用意もしてなかったけど、まさに『娘を肩車している子供の頃の写真を懐かしんで号泣する父』のように涙がだーだーと出てしまったのだった。
夢半ばで諦めている人たちが情熱を取り戻す瞬間と、バラバラだったメンバーが最後には一致団結する爽快感、距離を感じていた親子関係が一気に縮まる仕掛けと、実はこの映画の素晴らしさは構成の面白さだけでなくこのようなところにあるんじゃないかな☆
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この記事へのコメント
セレンディピティ
前半の居心地の悪さが、みごとに回収される後半がみごとでしたね。
そしてまだ~むさんもおっしゃるように、これはみんなが力を合わせてひとつのものを作り上げる喜びを賛美する作品なのだと思います。
ちょっと危なっかしく見えて応援したくなりますが、それもあえての狙いだったとしたらすごいですね。^^
ノルウェーまだ~む
ご紹介いただいたのは相当前でしたけど、ようやく観てきました♪
危なっかしくわざと作っているところもニクイ演出でしたね。
それをあえて狙ってきているということで良いのでしょう~~
業界あるあるネタを入れつつ、映画愛・親子愛が描かれていて中々の傑作でした。
ここなつ
そうそう、業界あるあるネタも面白かったけれど、実は家族愛(夫婦愛、親子愛)なんですよね~。「肩車」もそうですけど、女優を諦めて家庭に入った妻の職場復帰!にも注目しました。
いやでも「判断」を迫る娘は絶対に母親似ですよね(笑)。
ノルウェーまだ~む
そうそう!仕事を得る為に嫌とは言えない父に比べ、突進型は母親似なのでしょうね(笑)
全てのキャストが望みを叶えてワンランクアップする姿がなんとも素敵でした♪
ボー
低予算アイデア勝負。
ノルウェーまだ~む
低予算だからこそのアイデアが詰まっていて、粗っぽい映像もOkになっでゃう初々しさがありましたね~
あまり泣いた人居ないみたいですね…一人でボロボロしてました(笑)
zooey
観た時は面白かったのですけれど
一月ほど経った今ではもう忘れかけていて
まだ~むさんの感想を読みながら思い出していました。
護身術の「ポン!」は笑えましたね~
ノラネコ
ネタとしては昔からあるものですが、切り口が新しい。
誰も観たことのない、やろうとしたことのないことをやっている。
一応創作を生業にする同業者としては、正直嫉妬しかないです。
外野もうるさくなってきましたが、これはやっぱりやったもん勝ちです。
ぶっちゃけ羨ましくてたまらないw
にゃむばなな
そして最後の三段ピラミッドには色んな意味で物凄い映画愛を感じましたわ~。
Nakaji
すごく家族愛が書かれててすごくよかったな~!
私もこの映画は脚本が面白いとおもいました。やっぱりすごいなって思いました!
ノルウェーまだ~む
えー!?最後泣けませんでしたか??
これはコメディな部分とアイデアが面白いだけでなく、家族愛、仕事に対する情熱、夢を諦めない姿に感動するからこそ、ここまで人気になったのだと思ってました…
お父さんの夢が叶った瞬間に私ついぼろ泣きしちゃったのです~~
ノルウェーまだ~む
業界の人にはより興味深い作品だったですね。
低予算にして大ヒット!逆に低予算だからを前面に押し出して、しかもアイデア勝負っていうのが、兎に角すごいです☆
弱小高校のスポーツ部が優勝しちゃうような?
今後もこういった作品が出てくるのが楽しみですね♪
ノルウェーまだ~む
「運命じゃない人」は見てないのですが、映画愛にも満ちていましたよね☆
三角ピラミッドは愛の結晶でした!
ノルウェーまだ~む
突拍子もないストーリーなのに、家族愛がしっかり地に付いていて何だかグッときちゃいますよね~~
脚本の巧さが何より素晴らしかったです!!
ふじき78
ピラミッドはもう後5年先だったら規制緩和であちこち飛ぶようになったドローンとかになったかもだったりして。
ノルウェーまだ~む
そうなんですよね~
ポスターからしてこのB級感たっぷりなのが、本当に良い味を出してました。
ドローンも叩き落されてやっぱり三角ピラミッドな展開ですかね?
SGA屋伍一
最後のあたりは親御さんの立場の人は余計に感動するのでは、と思いました。よいピラミッドでした
ノルウェーまだ~む
はい、親の立場で観たらピラミッドは涙・涙でした~~
それにしても最初のエンドロールで帰っちゃう人って!!
いくらなんでもせっかちね。
きっと乗り越えた人だけがその頂上に到達出来るのかもしれないですね☆