コメディ映画によく使われる題名のイメージと、予測されるありきたりな副題「可笑しいのに、涙が止まらない」がなんとなく陳腐で、多少期待を薄目にして観に行ったのだけど、なんと!!これ本当に涙が止まらなかった!!
まだ白黒映画が全盛だった頃の、アメリカのコメディ界を席巻したお笑いコンピ「ローレル&ハーディ」が、紆余曲折あって晩年に再起をかけてイギリスを巡業した時の実話。
チャップリンとも組んだことがあるローレルだけに、お笑い的には古くて私には笑えるネタではないけれど、じわりじわりと泣けてきて最後まで涙が止まらないのは本当だったyo
「俺たちのラストステージ」 公式サイト(4月19日公開)
<ストーリー>
白黒コメディ映画で大人気を博していたお笑いコンビのローレル(スティーブ・クーガン)とハーディ(ジョン・C.ライリー)は、ローレルが彼らを見出したローチ(ダニー・ヒューストン)と揉めたことで袂を分かつことになって久しかった。
晩年になり再び再起をかけてイギリスでの再出発を目論んだものの、お客はなかなか入らなかったが、若手並みの営業もこなしていくうちに、ついにはロンドンの劇場のチケットは完売した。
ロンドン公演の前にサヴォイホテルへ妻を呼んだ二人だったが、パーティで二人は大喧嘩になり…
ストーリーとしてはお笑いのコンビを組んでいる人にとっては、あるある過ぎるお話でしょう
互いの意見が食い違い、そのことでコンビが解消したり、片方だけが売れたり、ネタを作るほうは大変でもう片方は遊んでばかりとか、片方だけがバチバチ叩かれたり痛い目にあったりとか(古いコメディはそんなのが多かったよね)
互いに不満を持っていても、それでも互いを必要とし大切に想うのは、どこか夫婦に似たところもあり…
実際のふたり このたっぷりお肉のハーディそっくりに太ったジョン・C・ライリーは特殊メイクなのかな?
イギリス巡業の最初の方に登場する『駅の階段でやっと運び上げた木箱を下まで落としてしまう』のシーンはこちらの二人のコメディ映画「極楽ピアノ騒動」をリスペクトしたもの。
何でも破壊して、やたら痛い目に遭って最後に滅茶苦茶になるドタバタ喜劇。昔のお笑いのスタイルだったよね~
ちょっとドリフっぽいかんじ。
ロンドンのサヴォイホテルへ妻を呼ぶ あえてプライベートな部分を取材させるというのもプロモーションの一つだったのね。
今やパパラッチを追い払うのが当然…どころか、一般の人までSNSで拡散する時代になるんだから~~
ちなみにハーディの奥さん役は声が特徴的なシャーリー・ヘンダーソン。ハリポタでトイレに住んでいる嘆きのマートルの人!!この声~~っと思いながら観ていたけど、まさか年齢が私と変わらない人とは…
夫の健康管理に厳しく、妻同士がバチバチ火花を散らせているのも、ひとえに夫を愛するがため…
水に落ちたり痛い目に遭ったりと言うネタを書くローレルに不満を持つハーディの妻。
妻が夫を大切に想う気持ち、コンビが相手を大切に想う気持ち、愛情を持っているからこそ封印してきた本音を初めてぶつけて、そこから生まれる真の友情・愛情にウルウルと涙が止まらない。
玉の汗をかきながら演じる舞台に、思わず私も手に汗握り大きな拍手をしたくなった
そっと涙を拭きながら、「妻が管理しないとすぐ紅茶にシュガーを4つも入れちゃって、だから倒れちゃうんだよね…」と内心思っていた私。
まさに愛が溢れる愛おしい映画だった。
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Excerpt: ハリウッドの映画創成期を支えたアメリカの伝説的お笑いコンビ「ローレル&ハーディ」の晩年を、「ナイト ミュージアム」シリーズのスティーブ・クーガンと「シカゴ」のジョン・C・ライリーのW主演で描いた伝記ド..
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Tracked: 2019-04-27 20:23
この記事へのコメント
ごみつ
面白い映画をチョイスなさいましたね!私、この映画、知りませんでした。
ローレル&ハーディーは名前は知ってるけど、作品は1本も見た事ないので興味津々。凄く面白そう!
ジョン・C・ライリー、そっくりですね。「チャーチル」のゲイリー・オールドマンみたいな特殊メイクなのかな?
タイトルが「俺たち~」になってるけど、「僕たち~」みたいですよ。(笑)
「俺たちフィギュアスケーター他」シリーズと混同?(笑)
ノルウェーまだ~む
これね、試写会だったのです~~公開日を書き足しておきました。
4月19日です!
そうそう、「俺たち~」シリーズみたいでしょう?だからちょっとおふざけな映画にもとれちゃって、邦題失敗なんじゃないかなと思ってます。実はしっとりといい映画なのですよ。
多分このネーミングは、ジョン・C・ライリーが昔「俺たち~」シリーズのまさに「俺たちステップブラザーズ」に出演したからなのだと思います。
ぽよぽよのお肌が自然で特殊メイクが凄いですよね?特殊メイクじゃなかったら、もっと凄いですが、そう言う情報は書いてなかったから…どっちにしても凄いのです☆
セレンディピティ
ローレル&ハーディ、とてもチャーミングなコンビでしたね。私は知らなかったのですが、きっとこの後に続くお笑いコンビに、大きな影響を与えたんだろうなと思いました。シンプルでレトロな笑いが楽しかったです。
妻は4回?も変わっているのに、仕事のパートナーはずっと続いているってすごいです。^^
隆
一緒に居る事によって、力は倍増し、素晴らしいパフォーマンスが出来るなら、相性は良い、と言えるでしょうね。
他人から観て、素敵とか、イケメン、才能のあるコメディアンだから、組みたい、という事ではなく、まずは、二人の世界を作れる事でしょう。それが、人の笑いを生む、というのは結果論で、戦慄や統制を生む事すら、芸と言えるのでは無いでしょうか。人を熱くする愛や笑いこそが、最も偉大な才能だと思います。
コンビがパートナーだとすると、観客は常にのろけ話を聞かされている事になりますね(笑)。いいですが。
ノルウェーまだ~む
なかなかチャーミングなコンビ、そしてチャーミングな映画でしたね~
そうそう!妻は4度も変わったのに、確かに相方は一生変わらずって凄い事ですよ~~☆
一生の大切な「パートナー」ですものね!ぐっと胸にきました。
ノルウェーまだ~む
なるほど~~
相性のいいパートナーとのコメディは、ふたりのラブラブを見せられているってことになるのかもですね!
なかなかに深いです☆
まっつぁんこ
ノルウェーまだ~む
本当にお久しぶりでしたね~~
もぐもぐタイムで失礼いたしました(爆)
Nakaji
この映画、ブランチで特集されてました。みたいな~って思いながら、富山には入らないかな~って思いつつ・・・
まだ~むさんの記事見てもっと見たくなりました。
ノルウェーまだ~む
とってもお久しぶりです~
私もブランチの特集見てましたよ♪富山では公開無いのかしら?
正直、ぐっとくる良いシーンはほぼほぼブランチで流してしまったから、おいおいっ!って思いましたけど、通して観たほうがずっと心を打たれますよ。
テレビ見て思い出して涙が滲んじゃいましたもの…