豊川稲荷を参拝したあと、赤坂御所の周りをぐるりと回り、四谷駅前をかすめて四谷三丁目を目指しお散歩を続行していると、ふと思い出した。
そう言えばねえねが幼稚園の頃、四谷方面に住んでいるお友達の家へ行くのに細い路地をママチャリでくねくね走っていたら、道の両脇に「お岩稲荷」がある路地を通った事があったっけ。どちらも『本家』だの『元祖』だの書いた真っ赤なのぼりを立ててのっぴきならない雰囲気が漂っていたのを覚えている。
しかしその後散歩の度に通ってみるのだけど、一度もそこへたどり着いたことが無かったのだった。
我が家ではそれを『お岩稲荷の怪』と呼んでいた。
それなら再びチャレンジしようじゃないの!!
はい、到着!なんたって25年前と違ってこっちにはGoogle マップがあるんだからね!
そんな25年もかかってたどり着くような小さな小さなお稲荷さんに、何人もお参りする人がいるyo?
豊川稲荷でも沢山の方が参拝していたけど、今はそんなにもパワスポブームなのかしら~~??
「田宮稲荷神社跡」東京都指定旧跡 四ツ谷三丁目より5分
言わずと知れた『お岩さん』ゆかりの神社。と、若いママ友に話をしたら「お皿を数えるやつ?」って~~それ、番町更屋敷だからっ!
勿論お岩さんといえば、伊右衛門に毒殺され戸板にくくりつけられ川に流されたけれど「うらめしや~~」って出てくるアレ。
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私はこちらの京極夏彦原作、唐沢寿明&小雪主演の「嗤う伊右衛門」が好き☆
嗤う伊右衛門【レンタル落ち】
実際は「東海道四谷怪談」として戯曲や映画が人気を博した作り話なのだけれど、江戸時代初期に実在していたお岩さんは『田宮家に婿入りした伊右衛門と一緒に傾いた家業を再興した円満夫婦』で有名で、この田宮家の敷地にあるお岩さんも使った井戸水(写真⇧)を商売繁盛にあやかって貰いに来る人が多かったのだそう。(今はお飲みになることは止めて下さいと書かれている)
質素でひっそりとした小さな神社で、お賽銭箱の横には『ご自由にお持ちください』と心に響く御言葉が書かれた紙が、石ころで飛ばないようにそっと置かれている実に誠実そのものの神社なのである。
25年前は『映画やお芝居の前に厄払いを済ませておかないと怪我をしたり死んだりする』という宣伝も兼ねたおどろおどろしい噂をまだまだ結構信じていたところがあって、神社の前をビクビクしながら通った記憶がある。
実際はうす暗い舞台袖で突然消える仕掛けなどの操作の時に怪我をする裏方さんが多かったことから、このようなエピソードが生まれたらしい。
さて、おどろおどろしいのはそんな程度の話ではなく・・・
この「於岩稲荷田宮神社」の住宅街の細い路地の真向かいにあるのが『於岩稲荷陽運寺』公式HP
25年前とは違いぐっと綺麗にリニューアルされていた。今は元祖だの本家だのののぼりも無いようす?
入口の看板から提灯からのぼりから様々な字体で「於岩」「於岩」と書かれていて、お岩さんゆかりの井戸とか至る所にお賽銭を入れる場所が設置されている、まるでアミューズメントパーク。
大変美しく整備された境内は温泉街の休憩所のようでデートスポットにはピッタリね♪
お岩さんだけでなく縁結びをアピールしているようで、25年前には無かったカフェにはカップルが何組も来ていたyo
実は調べてみると、明治に大火で焼失した於岩稲荷田宮神社を歌舞伎役者の市川左団次が中央区の荒川に私有地を提供して再興。
その後昭和になって四谷に突然陽運寺が出来てお岩ゆかりをアピールしていると知って、慌てて元の屋敷跡へ戻ってきたというのが真相らしい。
お寺さんのほうはお金をかけた立派なHPでも堂々とお岩ゆかりを謳っているのが凄い・・・(ちなみに神社にはHPすら無い)
デートでパワスポめぐりするのもよし、綺麗なカフェでお茶をするのもその人の自由。
でも本当にご利益があるのはどっちか?お賽銭を入れたいのはどちらか?お岩稲荷の乱での本当の意味での勝者はどちらか?
御朱印も集めているなら、是非とも霊験あらたかな方で頂きたいものですな☆
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この記事へのコメント
隆
お岩さんとお稲荷さんの争いですね。お岩さんを鎮める為に、お稲荷さんを東京に持ってきたのかどうか。こうして並べて語ると、両社が御利益争いをしているようで、盛り上がりますね。
中国では、風水を建築に取り入れ、銀行だかが、ライバルの銀行に対して、手の指を指したような、呪い懸けをする建築にしたのに対して、ライバル側も手のひらで跳ね返すような呪い返しの建築にして意趣返しをしたとの事です。
縁起担ぎは、古典的ですが、日本では呪いにもノーサイドと行って欲しいですね。
zooey
ちょっと入ると結構、下町もありますね。
でもこんなに神社があるとは知りませんでした。
個人的には、御利益とかは信じていないのです。
普段、宗教とは縁遠い暮らしをしているのに
その時だけお賽銭をあげて拝むのって、なんだか勝手なような気がして…
ノルウェーまだ~む
>
お寺さんのほうはお岩さんの霊を慰めるためにこの地にお寺を建立したと言っているようですが、神社のほうはお岩さんが元々信仰していた神さまをそのまま受け継いだ形となっているようです。
互いにライバル視しているようですが、もう勝敗は決まっていますよね?
そもそも呪いなどないのですから~~
ノルウェーまだ~む
>
そうなんです!最近の流行はパワスポめぐりだの御朱印集めだの、どちらかというとポケモンGOに似ているなと感じています(笑)
その時だけ都合よく願い事をするのも考え物ですよね~
寺社での参拝は、日頃の平穏な暮らしに感謝をするのが参拝の本来の姿であって、お願い事をする場所ではないのです☆
セレンディピティ
若くない私も一瞬「お岩さんて、一枚、二枚...だったけ?」と
思ってしまいましたが、四谷怪談でしたね。
お岩さんからの~ 縁結びとはかなりこじつけ入っていますが^^
本家云々はともかく、お岩さん伝説を伝えているという功績はあるかも?
25年間の謎が解けてよかったですね☆
ノルウェーまだ~む
>
あらま!四谷怪談あまりご存じなかったですか~?
実はどちらのお岩稲荷も元々の『商売繁盛』や縁結びよりも、ストーカー対策の『縁切り』で実力を発揮するので有名だそうですyo(≧▽≦)
昔はひっそりとしていましたが、こうしてどちらのお稲荷さんもパワスポ人気の影響で繁盛しているのなら、それこそまさに『お岩さんのご利益』なのかもしれないですね☆
yukarin
私も一瞬...お皿を数えるやつ?と思ってしまいました?
ごっちゃになってる、、、
カフェがいい感じですね。
今度行ってみようかしらーん
ノルウェーまだ~む
>
こちらにもコメ嬉しいです♪
カフェはなかなか素敵でしたよ~~
パワスポで有名なのか、結構多くの人が来ていたんですよ☆
お皿は数えませーん!!
隆
神社の近隣の家々って、静かだし森があったりして、公園の隣にあるより住み易そうだと思いますが、聖域って、そこに住まう人が最も、その良さが分かっているのではないでしょうかね。恥じもかき捨ての如く、観光地でどんな人が来るかも分からない状態は、寺社にとっては流行っているという事だと思いますが、観光での訪問が昂じて、リスペクトになるという事は、寺社や住民の側が、オープンで無いと、難しいと思います。観光スタッフのようにサービスをしろと言うわけでは無いですが、観光客は文化財として、建物と人の双方を評価すると思うのです。
ノルウェーまだ~む
>
2度もコメントありがとうございます。
パワースポットは最近のブームなので、それに上手にのっかって後世に文化財として残していくつもりなのかもしれません☆
近年作られたものであっても、人気があればそれが文化となるのでしょう。