それって面白いの?とママ友にいぶかしがられただけでなく、パパンにまで同じ質問をされたけど正直面白い。
物語としては速い車を生み出すために情熱を費やす男たちと、熱い友情、企業戦略の実態・・・と想像の域を出ないのだけれども、クリスチャン・ベイルの演技が見事に光っている。
そのうえ題名は「フォードvsフェラーリ」といいつつフェラーリ側はほぼ描かれてはいない。
とはいえ何しろ映画で使われているのはコレクターから集めた本物のフォードやフェラーリがずらり。車好きの男性でなくともワクワクしてしまうのだ。
「フォードvsフェラーリ」公式サイト(1月10日公開)
人気レーサーを引退し気鋭のカーデザイナーで実績を上げるシェルビー(マット・デイモン)は、自動車メーカーのフォード社からル・マン24時間耐久レースでフェラーリに勝つ車を作るように依頼を受ける。
生活に行き詰っていた敏腕レーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)とタッグを組み、フォード社では絶対不可能と言われた最速の車の制作に乗り出すが・・・
これがやたらしゃくれているのである。
最後までそのことに気付かず、「あれ?クリスチャン・ベイルってこんな顔だったかしら・・・?」と思いながら観ていた私。
つまりそのくらい自然体なのだ。日に焼けて油まみれの無鉄砲な車バカをごく自然にその顔つき仕草だけで、映画では描かれていない彼の生い立ち・人生までも表現しきっている。これぞカメレオン俳優クリスチャン・ベイルの真骨頂!
痩せて太ってまた痩せて再び太って・・・を繰り返してきた彼だけれど、痩せるとか太るとか禿げるとかしなくても、こうして全く別人になれる彼は、やはりゴールデングローブ主演男優賞ノミネートも納得の俳優なのだ☆
互いにリスペクトし合いつつも、大企業フォードにおもねる形でしかこのプロジェクトを続けられない苦い現実を突きつけられるが、彼らの目標「世界最速の車を作る」に向けて、失望することなく立ち向かっていく姿は男気マックスで胸が熱い☆
極限まで車高の低いフォードGT40で疾走するレーサー目線のレースが激ヤバい!!
普通カーチェイスものの映画は寝てしまう私なのだけれど、一瞬のスキがクラッシュに繋がる緊張感を観客はそのまま味わうことになって、寝られる余地無しなのだ!!
家族思いのマイルズは息子に物凄く良い言葉を残す。
好きな事にだけ打ち込んで結果も出し、愛する息子に尊敬され、さらに心に響く教えを残す・・・これって全男性のあこがれでは??
事実を物語にすると平坦な印象で終わってしまう事が多いけれど、この映画は物作りの現場で大企業の経営陣と戦う姿や、マクラーレンは聞いたことあるけどケン・マイルズって知らなかったわ・・・の事実を知ることにもなり大変興味深い。
しかしそれよりも何よりも、車がカッコイイ!!この程度の表現しか出来ないのに、試写会観に行ってゴメンナサイというくらい。
クールでセクシーな車のボディラインに惚れ惚れして、ああ、車種が判ったらどんなにか良かったかとつくづく思う私なのだった。
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
セレンディピティ
実は車ものが好きな私、この映画も絶対に見たい!
と楽しみにしています。
ジェームズ・ハントとニキ・ラウダを描いた「ラッシュ」も
よかったので、本作も期待しています。
クリスチャン・ベイルのなりきりぶりも楽しみです☆
ノルウェーまだ~む
>
ええーーーっ!?そ、そっか・・・ロボットものもお好きですものね。
やはりリケジョの方はそういったものがお好きなのかしらん(笑
「ラッシュ」も凄く良かったのでそういう方向かと思って観に行ったのですが、これがまたちょっと違うんですよ~
二人の熱い友情は実は内に秘められていて、さらりとしています。そこがまた良いんですけどね♪
それよりも企業戦略と現場との戦いみたいのが面白かったデスyo
隆
技術革新で、アップル社とかジョブズは、アイポッドのコンパクト化で、厳しい支持をエンジニアに出したそうですが、アメ車は化石の如くですね。決して、小さくならないのでしょうし、メンタリティが鷹揚なんでしょうね。乗車人数も多いと思いますし、日本の軽なんて、アメリカでは恥ずかしくて乗れなそうです。スタローンの「エクスペンダブル」の続編だかで、軽が馬鹿にされていましたが、雲泥の差ですね。
ノルウェーまだ~む
>
アメ車は本当に大きいですよね。
中に乗る人間がそもそも大きいから、日本車では窮屈なのかもしれません。
コーラもピザもポップコーンも大きいので、お国柄なのかも!!
それにあまり小さいと組み立てる人の指が入らないのかもしれないですね(爆)
にゃむばなな
己と仲間のアイデアと技術を使って絶対王者を倒すうえに、その姿に憧れる少年に格好いい言葉を残せるなんて。
ただそんな男たちが最後に企業側の要望を取り入れて3台同時ゴールしちゃうのは、史実とはいえ残念でしたわ。
yukarin
クリスチャン・ベイルがご本人にそっくりでさすがです。
企業というより人間ドラマだったのも見やすかったのかもしれません。
レースシーンは迫力がありテンション上がりました!
今回ケン・マイルズという人を知ることができてよかったです。
ノルウェーまだ~む
最後まで己を貫くのも男なら、あえて貫かず企業側の主張を尊重するのも男なのかなぁと思ったりもしました。そんなケン・マイルズが超カッコよかったです♪
あくまでフェラーリを打ち負かして速い車を作ったということこそが彼らの勲章なのでしょう☆
ノルウェーまだ~む
>
私もケン・マイルズを知らなかったですが、なるほどそう言う事だったのね~と思いました。
実際のケン・マイルズにそっくりになってましたよね。クリスチャン・ベイル凄い~!!
ここなつ
マット・デイモンとクリスチャンベールの2人の触れ合いというか、化学反応みたいなものが良かったですよね。ケンの奥さんと息子との触れ合いも二重丸なんだなぁ。
これに出てくるのはGT4なのですが、私そもそもマスタングがメッチャ好きで。もっと手足が長かったら絶対に乗ってみたいアメ車です。
ノラネコ
しかし組織vs個人という戦いは普遍的なだけに、愚直な男たちの物語は実に面白かったですね。
貴重なGT40やフェラーリ330Pなんかがバンバン出てくるのは眼福でした。
流石にクラッシュシーンはレプリカでしょうけど。
ノルウェーまだ~む
>
ええ~~っ!?ここなつさんはお車詳しいのですね~?
マスタングに乗りたいなんてカッコイイ!!
ちなみに嵐の相葉ちゃんはマスタング乗っているそうですよ☆
私、車の事解らないし、そもそもポスターからしていかにも車好きの人なら楽しめるけど・・・的な印象でしょう?それが女子が見てもホント面白いんだもの!
二人の友情…というよりも正に仰る通り「化学反応」これが素敵でしたね!!
ノルウェーまだ~む
>
やっぱりそうですよね?
実際本物を走らせていたらしいですけど、クラッシュばかりはレプリカじゃないと、ファンがマジ怒りそう(≧▽≦)
これだけ「面白くなさそう」な雰囲気を醸し出しておきながら、観客動員数は結構あったみたいなので、世の中判りませんね(笑
まあ、実際面白かったし、それこそ口コミで評判良かったってことなのでしょう、良かった良かった♪
隆
組織で個人を貫く事が和を乱す振る舞いとして、封殺されるのは、組織運営が最大の利益を生む以上は仕方ない事ですが、そうした厳しい考え方とは、責任ある経営者にこそ必要でしょう。
まだ、未見なのですが、スターもまた、個人的な存在でありながら、権限と責任の両方を負っているものと思います。カラリとした爽やかさもスターには必要でしょうし、本質的な明るさは周囲を良くしますね。
ノルウェーまだ~む
>
2回もコメントありがとうございます。
映画をご覧になるとまた印象も変わってくるかもしれませんね。
ご覧になったらまたご意見お聞かせくださいませ~
ituka
エンドロールのご本人の画像見てびっくりでしたよ。
最後のフィニッシュでシェルビーのブチキレ演技が可愛かったです。
1966年当時、すでにあんな流線形スタイルの車だったのがチョット驚きでした。
ノルウェーまだ~む
>
エンドロールのご本人とそっくりでしたよね~クリスチャン・ベイルさすがです!!
私も当時すでに流線形スタイルの車(特にフェラーリ)だったのがビックリでした♪
ごみつ
私も見に行ってきました!
この映画、とっても気に入りました。
車の開発部分はわりとサラっと描かれてましたが、フォード社のエンジニア達も含めてたくさんの人間が努力してマスタングは作り出されたんだろうな~って思います。
あ~、これ日本なら「プロジェクトX」みたいな映画になってたと思う!(笑)
人間ドラマ部分も良かったですが、ル・マンのシーンがとにかく素晴らしかったですよね。( ;∀;)
ノルウェーまだ~む
>
確かに!
下手するとプロジェクトXみたいに堅苦しいものになっていたかも・・・
世界一のものを生み出す裏には色々なドラマがあったのですね~二人の熱い友情もよかったけど、この辺の裏話的なところがとっても興味深かったデス☆
ル・マンのレースシーンは手に汗握りましたね!!
ボー
しゃくれるので、カーレーサーなんか、なるものではないと、わかった映画。
ノルウェーまだ~む
>
むふふ・・・結構早い試写会でしたyo
しゃくれていてもあの驚異的な速さの車には乗りたくないですねぇ。
SGA屋伍一
ベイルさんは今度はマイティソー最新作に出られるそうです。また太ってクリヘムとWメタボ対決とか見てみたい気もします
ノルウェーまだ~む
>
えー!?車まったく判りませんよ~
乗ってもカーアクション観ても寝てしまう私が、それでもガン見できたくらいだから、物語が面白かったという事でしょうね。
ベイル氏はマイティソー最新作ですか!?楽しみ♪
隆
現場と経営陣、レーサーとサラリーマン、青春と拝金の違いでしょうかね。
何の為にやるか、という事がしっかりしてないと、こういう複雑な職場は混乱しますね。経営陣は、欲望ならば欲望の為と、恥じない事はアメリカ的と言うか、企業の原理として、美学と欲望というのは対立する事によって、両立もし合う必須のものだと思います。
ノルウェーまだ~む
>
再びコメントありがとうございます。
大企業ならどこにでもある経営陣と現場の温度差を見事に表現して、気持ちよく現場の職人たちを応援したくなるお話になっていましたよね。