韓国映画初のカンヌのパルムドールを受賞した「パラサイト 半地下の家族」は、奇想天外・神出鬼没・笑いある社会派映画としてエンタメとしても存分に楽しめる見事な映画だった!!
とーにかく脚本が面白いおもしろい♪
突飛な話なのに一つも違和感が無く、リアルにありそうでどこか寓話的。さすがポン・ジュノ監督!!
(ちょっぴりネタバレぎみなので要注意)
「パラサイト 半地下の家族」
坂の下の方の半地下に住む失業中の4人家族。浪人中の長男ギウは幼馴染の大学生から家庭教師の代役を頼まれる。
美大志望の妹ギジョンが偽造した証明書を持参して面接に行くとまんまと成功。
豪邸に住むパク一家に気に入られ、幼い弟の美術の先生に知り合いと称して妹も紹介する。
遂には運転手に父キム、家政婦として母チュンスクまでも就職し計画は完璧だと祝杯を挙げていると・・・
実際に韓国では来るべき核戦争に備え、お金持ちがこぞって作ったけど使われない核シェルターを賃貸して半地下に住む人がいるのだそう。
とはいえ、雨の多い韓国で半地下に住むのって・・・
内職で組み立てるピザの箱ですら、キチンと作れないいい加減な性格で今まで事業にことごとく失敗してきた様子を上手く表現している。
対してIT社長のパク一家は、ちょっと天然な(『シンプル』な)妻とクールで厳しい夫パク、高2でおませな長女にやんちゃな男の子。
そしてこの家に長く住む家政婦が一人。
猟奇的な展開の多い韓国映画の事だから、てっきり「計画的に」この家を乗っ取って行く話なのかと思ったら大違い!
予想を全く裏切り、予測つかない方向へ話が展開していくと、わははと笑っていたのがグッと息を潜め、そして息を止める展開に。
4Dなんて全く必要なし!もう完璧匂ってくるから~~~
家の中で最も高い所にあるトイレ。
被災しているのにパーティーのお手伝いを頼まれたときは、さすがに避難所ではその匂い落ちないのでは??と、唯一ツッコんだけど(≧▽≦)
途中、母が甲斐性無しの夫をゴキブリよばわりして喧嘩になる「ふり」をした小芝居のところが、実は伏線になっている。
便所コウロギを消毒して、次に住み着くのはゴキブリ。
ただのハッピーエンドにしないところも、まさに韓国映画の醍醐味なのだ!!
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この記事へのコメント
yukarin
違和感なくお金持ちの家に家族が侵食?していく様子は笑えましたが、後半はまさかの展開に驚きました。
アカデミー賞にもノミネートされていて授賞式が楽しみになりました。
日本映画も頑張ってもらわないと....かなり離されてしまいました?
ノルウェーまだ~む
>
昨年パルムドールの「万引き家族」から、日本映画低迷ですよね~胸キュン映画とアイドル映画撮っているうちは賞取り合戦には参加できないのでは??
脚本に無理が無いのに、めちゃめちゃ奇想天外なのがビックリでしたよね。アカデミー賞楽しみです☆
セレンディピティ
早速ご覧になったのですね。
昨年末、オバマ大統領も昨年のお気に入り映画のひとつに
この作品を挙げていたので、気になっていました。
ことばの壁を越えて(字幕のわずらわしさを超えて)
オスカーの外国語映画賞でなく、作品賞にノミネートされちゃう
というのがすごいですね。
何の”匂い”なのかが気になります~
にゃむばなな
そのトイレから雨水が逆流するのを蓋に座って止めるしかない現実。
どんなに嘘で取り繕っても抜け出せない現実を強烈に印象付けるシーンでしたね。
やっぱりポン・ジュノ監督のこういうセンス、好きですわ!
ボー
ノルウェーまだ~む
>
オバマさんもお気に入りでしたか~?
セレブの方へ入る方たちにも支持されているのっていうのも凄い事ですよね!
これはしっかり作品賞で戦ってほしいと思いますが、どうかなぁ~?外国作品賞なら間違いなく受賞と思います!!
ノルウェーまだ~む
>
一つ一つのシーンに全く無駄が無くて、突飛な話なのにひとつも違和感なかったですよね☆
さすがポン・ジュノ監督!!
賞レースが楽しみです。
ノルウェーまだ~む
>
バター醤油?
いずれにしても香ばしい匂いですね♪
隆
誰が悪いとは言わないけれども、めぐり合わせで、家庭教師として入った家を荒らすという、いわば悖る行為を看過できるかによると思いますが、現実味の無さと引き換えにした一瞬の花火のようなドラマティックな展開に期待できそうです。
でも、猟奇的って歪んでいるわけでは無いですね。非日常や犯罪にすら類する出来事や、その縁に遭遇した事から、素直にヘイトとして鬱憤を晴らしているという事もあると思います。怒りに素直というのも、まあありじゃないかなと。
latifa
ご覧になられたのですね^^
>被災しているのにパーティーのお手伝いを頼まれたときは、さすがに避難所ではその匂い落ちないのでは??と
私も同じ事思いましたー
普段よりも、更に匂いが凄いことになってるはずですよね。
トイレのシーンは、ちょっと見るのがキツかったです。
でも、とても面白い作品でしたよね♪
ノラネコ
しかし、この映画の場合、映画的な嘘と背景の現実とのバランスが絶妙ですよね。
嘘といえば嘘なんだけど、これは現実のカリカチュアであることは間違いない。
濁流にのまれるところは昨年の台風被害を思い出したました。
避難所に高級住宅街の金持ちはいないんですよねえ。
ノルウェーまだ~む
>
富裕層に対して抱く鬱憤を晴らす類の映画ともちょっと違うんですねぇ。
彼らは雇ってくれたパク社長を最後まで素直に尊敬しているというのも面白い所なのです。
しいて言うなら、それまで意識してこなかった尊厳に気付いてしまった…というところでしょうか。
ノルウェーまだ~む
>
ですよね~?さすがにあの被災の状況からいくと、かなりな事になっていそうでしたし・・・
監督のインタビューだと道以外は全てセットということでしたけど、物凄くリアルに感じましたよね☆思わず息を止めちゃいました(≧▽≦)
ノルウェーまだ~む
>
なるほど!!
確かに高台に住む高級住宅街の人は、災害時に避難所で冷たいものを食べたり、体育館の人混みの中で寝たりしないわけで、それであまり環境が整備されにくいのかもしれないですね・・・
この映画はどこか寓話的なところもあるので、現実と嘘がいい感じにバランス出来てると思います。
そういえば、先日子供に万引きさせてた家族が捕まりましたね。やっぱりいるんじゃん・・・と思いました。
Nakaji
いやーー本当に脚本が上手でしたよね!本当に!!!
これ、臭いがただよってくるような気がして、おーーって思って居たのに、本当にただよっていたら、私、映画見れない!!!(笑)
しかし、半地下に住んでいる人が、約82万人がいるってすごくないですか?なんか・・・ここが韓国って闇なんだろうなって思いました。
zooey
本当に匂いが漂ってくるような作品でしたね。
私は匂いには弱いのです…
冒頭から出て来た石には、もっと意味が込められているのかと思いましたが
意外に呆気なかったですね?
ノルウェーまだ~む
>
ホント、脚本のうまさはハンパなかったデスね~~
82万人・・・
半地下はともかく、案外避難所のようなところで暮らしている方々が日本にも大勢いるのかもしれませんyo
ノルウェーまだ~む
>
冒頭の石はパワーがあるのか無いのか明らかにはしてなかったですけど、途中、落とした石を拾った「住人」が優位に立ったり、ラストの方でそっと川底に戻していたところをみると、案外不思議な悪魔的パワーを秘めた石であった(と、息子は思った)のではないかな☆
ここなつ
これ、面白かったですよね~。
結局ラストの惨劇も、あの「匂い」に社長が言及してこなければ、少なくとも自分の命は助かったのにねぇ…と思ってしまいました。
結局見せないようにしても、差別意識がありありでしたものねぇ…高台の家と半地下のアパートとの比較のように、明確な階層意識を持っているのだなぁ、と思いました。
ノルウェーまだ~む
>
パクさんは極力遠慮していたにも関わらず、やっぱり無意識に差別意識が出ちゃったのは、ある意味「罪のない罪」ってところでしょうか。
エンタメとしても超面白かったですよね~~
ごみつ
私もやっと見てきました。
アカデミー賞の後だったのですが、まさかの満席で入れなかったりして、日曜日のレイトでやっと見れました。
ホントに匂いが重要なカギになってましたね。
実は私も匂いには敏感な方で、あれこれ思う事があるのですが、不愉快な内容になりそうで記事には取り上げませんでした。
さほどに、「臭い」について触れられるのは、人にとっては容姿を悪く言われるよりも傷つくと思うんですよね。
自分の匂いって、自分ではわからないので、何だか不安になっちゃいます。
映画はハイレベルのブラックコメディーであり、かなり怖い作品でもありましたね。ポン・ジュノ、凄いな~。
ノルウェーまだ~む
>
そうなんですよね。容姿に次いで臭いはその人の個人を表すものであり、またある部分では容赦なく格差を見せつけられるものでもありますよね。
私、息子の野球チームの付き添いで、真夏汗だくで見学してたら、あとから来たママさんが「たった今シャワーを浴びて高級なボディローション付けてきました」みたいな物凄く良い香りを漂わせていてムカついたことがあります(爆)
SGA屋伍一
ともあれさすがポン・ジュノと言うべき傑作でございました
匂いの描写もさることながら、中盤に出てきたチャパグリ麺?のおいしそうな描写が秀逸でしたw
ノルウェーまだ~む
>
チャパグリ!!今度作ってみたいと思っています。
先ずは大久保に買い出しに行かなくちゃ(笑
ふじき78
ノルウェーまだ~む
>
ソン・ガンホは何にでもなれちゃうっていうのが凄い俳優さんですよね?あの体格なのに貧乏人感ちゃんと出てましたww