初めに見た「世界の都市伝説を暴け」はUFOや噂が何の根拠も見いだせない「うわさ」の域を出ないのでイマイチ。
しかし次に見たこの番組は、アメリカ史上初のシリアルキラーを高祖父にもつ弁護士が、元CIA捜査官と共に彼がロンドンの切り裂きジャックと同一人物だったのではないかという仮説を立証すべく綿密に調べ上げいく過程が実に面白いドキュメンタリーで見応えバッチリ。
「アメリカン・リッパー 猟奇連続殺人の真相」全8話
弁護士のジェフは40歳で初めて『自分の高祖父(祖父母の祖父)がアメリカ史上初の連続殺人鬼』だったと知りリサーチをはじめたところ、様々な観点からロンドンの『切り裂きジャック』との類似点を発見する。
最初は懐疑的だった元CIA捜査官のアマリリスも、歴史的資料・筆跡鑑定・科学捜査・遺骨からのDVA検査により謎に近づいていく。

そんな先祖がいることを大っぴらに発表するのは普通嫌なのでは?と思い、最初はこの手のネタで眉唾物の番組を作っているのかと斜めに見始めた私だけれど、これが実に大真面目。
20年かけて調べ上げた資料と、更に凄いのが元CIAだけに専門機関のつてが多く(笑)、本格的で納得できる調査内容になっているのだ。

でもそれを引き上げなかったのは何故??
見つかっていない被害者の遺体が埋まっているに違いないと予測した、「殺人の城」の跡地は許可が下りずに発掘調査が出来なかったのとか、最後HHホームズの墓を掘り返す時に親戚全員の許可を得て裁判所に掛け合い、許可が下りるまで2か月かかったなど、ドキュメンタリーならではの真実味がある。

アメリカのシリアルキラーとロンドンの切り裂きジャックを繋げようとするところに無理があるよね?と当初は思っていたものの、HHホームズがアメリカでの活動記録がない期間が、切り裂きジャックが暗躍していた時期に重なるのと、蒸気船の乗客名簿に彼の名前が載っているところ、ジャックの目撃情報を現代の技術で似顔絵制作したものと、HHホームズの写真が瓜二つなのをみて流石に驚愕☆
これはあながち同一人物説も嘘じゃないかも??

最後の回は独房で1年半過ごし出版社から回顧録を巨額の金で受けたHHホームズが、賄賂で首つり刑を免れていたのでは?という件を、墓を暴くことで実証。
セメントで固めたダミーの棺を自分の棺の上に設置していた驚くべき真実と、DNA検査から中に安置してあった遺骨は本人だったと判るところで終わっている。
あれ?結局切り裂きジャックと同一人物かどうか判明してないよ(≧▽≦)
結果はどうであれ(笑)このHHホームズなる人物を、ディカプリオ主演でマーティン・スコセッシ監督が映画化しようとしていると判って、また一つ楽しみが増えたのだった♪
この記事へのコメント
隆
犯人が何を考え、求めていたか、という処にまで行き着きそうな徹底したリサーチで凄いと思います。
ホームズはまだ続きが長いので分かりませんが、この前半で語られている切り裂きジャックというのは、愉快犯とも観る人も居るかも知れませんが、おそらくは、邪魔が無い処でゆっくりと仕事をしたかっただけで、ロンドンを騒がせている事に刺激を受けての事では無いでしょう。それを、調べる側は、殺人の技術を進化させたと、言っていますが、ロンドンの娼婦という、犯人にとっては気軽に接触出来る相手を選び出していて、罪悪感は無かったのでしょうね。
人と言うのは、ダークサイドに堕ちたとしても、その闇の中でも序列や立場を見つけたがり、自分よりもより罪深く、深い闇の中で下位に居る他人を見下し、それだけでなく、こうした、犯人というのは標的にするものだと思います。正義というのは、現実の中で、穢れてしまったものだと思いますが、それでも人が自分を正当化したがる理由というのは、我だけは美しく、他人よりもマシにありたいと考えるからでは無いでしょうか。
これを止めるのは、法的な介入だけでなく、犯人にきっかけが生まれて、何らかの人間らしい感情を芽生えさせる事では無いでしょうか。
ノルウェーまだ~む
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早速ご覧になられたのですね。もしや在宅勤務中映画三昧ですか?(笑)
なかなか興味深いレポですよね~?
しかしこのシリーズは少なくとも切り裂きジャックとHHホームズが同一人物であるかないかを検証していくものなので、犯人に殺人を止めさせるための手段を考えるテーマとはなっていないようです。