「ミッドサマー」などで一躍注目を浴びた新進気鋭の映画製作会社「A24」
「A24」が制作した映画を全部見たわけでは無いけれど、ふと気付くと好んで観ている作品がA24だったりする!
そこで私の好きな順にランキングを付けてみたYO(かなり個人的好み)
題名をクリックすると詳しいレビューに飛びます。
1位「ルーム」(2015年)
庭の倉庫に長年監禁され誘拐犯の子供(ジェイコブ・トレンブレイ)を育てている少女(ブリー・ラーソン)は従順を装いつつ脱出計画を立てていた・・・
実父に24年間監禁され7人の子供を産まされた実際の事件がモデルになっているけれど、希望が持てる作りになっている。今を時めく子役のジェイコブの出世作。
泣いて泣いて泣いてしまう作品。
2位「ミッドサマー」(2019年)
スウェーデンの田舎の村の夏至祭に招待された大学生の仲間たちは謎の儀式を卒論の研究テーマに選び見学していたが、一人また一人と姿を消していき・・・
唯一無二な展開に度肝を抜かれる作品。
見る人を選ぶので万人受けは決してしない(汗)
目も眩むような美しい大自然と衝撃的な事件のギャップ、救いようのない展開に救われていく主人公の不条理さに観客も翻弄される。
3位「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」
有能な心臓外科医のスティーブンは以前、飲酒したまま行った手術で死なせてしまった患者の息子を家族に秘密で何かと世話していた。
どんどん懐いてい来るその少年は次第にストーカーの様になっていき、拒絶をすると家族に不幸が起きると予言する。
すると息子が突然歩行不能になり・・・
謎めいていて不安が募る映像と音楽でぐいぐいと惹きつける。ギリシャ悲劇をモチーフにしているのを踏まえて見るべし。思わせぶりだけど答えを出さずに終わるエンディングが最後までぞっとさせてくれる。
4位「フロリダプロジェクト」(2017年)
フロリダの安モーテルでその日暮らしをするシングルマザーのヘイリーは、詐欺まがいの商売で日銭を稼いでいたが遂に部屋で客を取るようになる。
いたずら盛りの6歳の娘ムーニーはついに児童施設に送られそうになり…
フロリダの太陽とパステルカラーのファンタジーの中に深刻なテーマが見え隠れしていて、その描き方が秀逸。
まるでドキュメンタリーを撮影したの?と思うほど子役たちが自然で見事☆
5位「ムーンライト」(2016年)
いじめられっ子で麻薬常習の母がいる家にも居場所がなかったリトルは親友との間に抗えない気持ちを抱えていたが、ある日その親友からも虐められ以来一人で過ごしてきた。大人になったある日…
静かで切ない抒情詩のような作品。さすがアカデミー作品賞だけのことはある。
LGBTだけでなく人間としての尊厳を描いていて、とにかく号泣する。
切なさに胸が押しつぶされる珠玉の作品。
6位「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」(2019年)
大量に出血をした男性が病院の前に倒れていた。小さな町は凶悪な殺人犯の噂で大騒ぎだったが、真相を知る親友たちは、なんとか彼の名誉の為に死因を伏せようとするあまり、証拠の隠滅を画策するがすべて裏目に出てしまい、遂には自分たちのところへも捜査の手が及んできたが…
とにかく実話ベースというのが驚き!主人公の慌てぶりとバカっぽさは笑うしかない~
悪ふざけはどこまで許されるのか?
ある意味答えは明白だけど(苦笑)
7位「エクス・マキナ」(2015年)
検索エンジンのプログラマーの青年は社長の別荘に招かれる。個室にはまるで人間のように見える女性のロボットのエヴァがいて、対話の実験に参加することになる。
次第に疑似恋愛のような感覚に陥る青年にエヴァは・・・
絶妙な心理戦が繰り広げられる。
ほとんど人間の様な感情に翻弄されていく青年は、ラスト見事に騙されるところで初めて「やっぱりロボットは人間的情緒は皆無なのだ」と思い知らされる。アカデミー賞脚本賞・視覚効果賞受賞作品。
8位「ガンズ&ゴールド」(2014年)
刑務所で牢名主のブレンダン(ユアン・マクレガー)に助けられたJR(ブレントン・スウェイツ)は彼の脱獄を手伝う。ロシアンマフィアの金塊強奪に参加するがマフィアの女と恋に落ちてしまい・・・
あまり話題にもなってなかったけど、とても面白かった作品。親子の様な信頼関係が崩れていくかにみえるブレンダンとJRの表情が絶妙。
A24にありがちな難解だったり哲学的だったりしないところがかえって異色のアクションクライムムービー。
すっかり忘れていた作品だけどこれもA24だったのね・・・
9位「複製された男」(2014年)
大学の講師アダム(ジェイク・ギレンホール)は自分とうり二つの俳優が存在する事に気が付く。対面を果たすと、実は生年月日も一緒だと判明する。ある日互いを入れ替えようと提案するが・・・
象徴的に巨大な蜘蛛(六本木のオブジェ「ママン」のような)が登場することで、この男性が精神世界で精神分離していることが判ってくる。
蜘蛛は絶対的支配下である「母」を象徴して、浮気をやめられない男の歯止めとして登場する。
世の中で一番クモが苦手な私だからか、見たのに一切内容を忘れていた(苦笑
10位「スイスアーミーマン」(2016年)
無人島で絶望のどん底にいた男(ポール・ダノ)は流れ着いた死体(ダニエル・ラドクリフ)が万能なことを発見し、名前を付け便利に活用していくうちに良き話相手にもなっていく。森で二人の生活を楽しんでいると・・・
本当に死体にしか見えないダニエル・ラドクリフの演技が絶妙。口からポンプのようにして水を出したり、おならで水上ボートのようにしたりは面白いとキモチワルイの境目が難しいところ。
実は絶望から這い上がる若者のかすかな希望を描いている。
11位「手紙は憶えている」(2016年)
妻が死んだことも忘れている認知症の男。1通の手紙からかつて家族を殺したナチスの残党に復讐するための旅に出る。容疑者4人を探し当て一人一人訪ねていくと、最後に行きついたのはとある老人ホームで・・・
題名でうすうす気づく衝撃のラストは展開としては見事だけれど、それほどの認知症の人が探偵張りの旅をすることなど無理!という気持ちが強くて(個人的に)素直に物語を楽しめなかったのが残念。
12位「ゴースト・ストーリー」(2017年)
愛する妻(スーニー・マーラ)を残して事故で死んだ男(ケイシー・アフレック)は思いが断ち切れず家に帰り、じっと妻を見守る日々だった。
辛い毎日からようやく立ち直った妻は家を出て新しい人生を始め、男は家に残りその家の地縛霊となった。気付くと入れ代わり立ち代わり新しい家族が住み、遂には巨大なビルの建つ街へと変貌していく。ビルから飛び降りたゴーストは・・・
ゴーストは喋らないのは当然だけど、幸せな日々を描く前半から台詞が少なく映像で魅せる間がタップリすぎて眠気に襲われる。夫を亡くした辛さをルーニーが見事に演じ、半分以上シーツを被っているケイシーがぽっかり穴が開いただけのゴーストなのに物凄く表情豊かに演じていて見事!
ラスト別のゴースト?と思っていたのに・・・?難解映画が好きな私でもちょっぴりストンと来なかった。
13位「イット・カムズ・アット・ナイト」(2018年)
1日で人を死に至らしめる感染病を恐れ、森の奥の家に隠れ住んでいたポール(ジョエル・エドガートン)一家。ある夜幼い子供を連れてやってきたウィル一家が食料と引き換えに水が欲しいと訴えるので、感染を防ぐルールを厳密に守らせ住まわせることにする。しかし男の話が信用できないポールは…
ホラーテイストだけど決してホラーでは無い。感染病 心理ミステリー。
疑心暗鬼が生み出す恐ろしい結果も、その真相は結局あえて(?)明かされず、映画の中の人と同様、疑心暗鬼に終わってしまうのでちょっぴりモヤモヤ。家族を守ろうとするあまり、他人を殺しても生き延びようとする姿はいかにもアメリカちっく。
14位「アンダー・ザ・シルバーレイク」(2019年)
定職にも就かず家賃滞納しているサム(アンドリュー・ガーフィールド)は、アパートの隣に住むサラに恋をするが彼女は翌日には失踪していた。都市伝説をこよなく愛するサムは捜査を開始。サラの痕跡を辿ると、LAに住むセレブたちだけが使う暗号が世の中に溢れていると気付き、謎に迫って行くのだが…
「マルホランド」的に謎めいていて、いつか驚くような展開に発展していくのかと期待していたら、全く大人になりきれない青年の妄想の世界を2時間以上見せられることになっただけだった。考察を読んでみても結局訳わからん!
私の考えは「成功を求めLAにやってきたけど何もなしえなかった青年が、腹いせに「犬殺し」とセレブによる陰謀説を追うことで現実逃避していた」・・・というところかな?
映画に散りばめられた暗喩は『現実を見据えて、とにかくシルバーレイクの水面下から抜け出すために1歩踏み出せ』
他にも面白い作品がいっぱいあるけれど、今まで見たのはここまで。
観たいと思っていてもまだ見る事が出来ていない「ヘレディタリー/継承」だけは何とか見なくちゃ☆
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
セレンディピティ
何かと話題のA24ですが、こうしてラインナップを見ると
大好きな作品から、無理~な作品まで
個人的には大きく分かれる感じです。^^
それだけ個性豊かな作品群ということなのでしょうね。
この中では、ルーム、フロリダプロジェクト、ムーンライト
エクスマキナ、手紙は憶えているの5作品を見ていますが
特にフロリダプロジェクトは心に残っています。
ミッドサマーは絶対ダメそう。
鹿殺しは気になっていましたが、う~ん...
A24というよりは、この監督さんがたぶん合わなさそうです。^^;
ノルウェーまだ~む
>
無理~な作品ってどれ?と思ったら、「ミッドサマー」と「鹿殺し~」ですか(笑)ごもっともです!
「鹿殺し~」に関してはグロいシーンは無いので思ったよりは平気と思いますが、確かにお好みではなさそうです。
この監督は「不快」さを押し出している作品が多いですものね。
ごみつ
A24って製作会社、知らなかったので意識した事もありませんでした!
なかなか変わった作品を中心につくってる会社なんですね。面白いですね。
私は「エクスマキナ」「ムーンライト」「複製された男」「手紙は憶えている」を見ましたが、確かにどれもひとくせある作品ばかりですね。
「ルーム」は苦手なテーマなので機会があったら・・かな~。「イット・カムズ~」はエドガートンなので気になってたのですが、評価がイマイチで二の足を踏んでた作品。「聖なる鹿」は必ず観たいです!
特撮好きな私が、今一番気に入ってる製作会社はレジェンダリーピクチャーズなのですが、中国資本の傘下に入ってしまいました~~。(;_:)
ノルウェーまだ~む
「イットカムズ~」はまあまあでした。お暇な時に・・・ってかんじですかね。
ごみつさんがおススメの「ヘレディタリー継承」がまだ見られてないんですよぉ~
今家に一人なので、ちょっと勇気が出ないのと、amazonで全く見掛けなくなってしまって・・・
レジェンダリーピクチャーズって知りませんでしたが、ラインナップを見ると結構観ている作品多いデス。
「300」が好きだった~~
にゃむばなな
大衆に迎合している訳ではないのがまたいい!
個人的にはこの他では
トム・ハーディの一人芝居『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』
素晴らしき女性賛歌『20センチュリー・ウーマン』
家族っていいよな♪『フェアウェル』も好きですね。
ノルウェーまだ~む
>
コメントありがとうございます♪
A24作品は確かに映画ファンには欠かせない作品が多いですよね☆
あ、トムハの「オンザ~」も見ていたのに書いてませんでした!
にゃむさんのレビュー見て気になっていたのですが「フェアウェル」見損ねちゃったんですよね~
「20センチュリー~」探してみます!
瞳
お遍路のお疲れ、どうぞゆっくり癒してくださいね。
リンクありがとうございました。
なんと!こんな楽しい企画をされていたとは(*^-^*)
あれもこれもA24だったんだ~!と今さらながら驚いてます。
まだ~むさん、なかなかに強烈なのが上位にきてる!(^^)!
「複製された男」「手紙は憶えている」が特に好きな作品です。
「ゴーストストーリー」はなんとも不思議な“間”の長さでしたね。ひたすらチョコタルトを食べるルーニー!!
全然よくわからない作品だったけど、不思議に心に残るんですよね。
「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」これがすっごく気になります。探してみよう~っと。
ノルウェーまだ~む
>
見てくださってありがとうございます!
そうなんです!あれも?これも?と、好みの作品がことごとくA24なんで、笑っちゃうくらいです。
この企画のあとに、どんどん話題のA24作品が
増えていったので、また改めてランキングしてみようかな…
「ディッグロング〜」は絶対見てほしい!きっとウケると思うわwww
お遍路はなかなかにハードで、今回もかなりハプニングな旅になりました〜