「TENET テネット」☆難解で痛快

難解と聞いていたので、あえて色々な人のレビューを読んでから一足遅れて噂の「テネット」を鑑賞。
噂通り難解だけど、様々に仕込まれた伏線の回収はちゃんと見届けられたし、時間の順行と逆行を同時に撮影するトンデモナイ監督の頭の中をちょっとだけ垣間見られて大満足♬

まさに体感する映画!

「TENET テネット」 公式サイト
テネットポスター.jpg
爆弾テロを阻止する任務の最中に捕らえられた名も無き男(ジョン・デヴィット・ワシントン)は服毒自殺を図るも助かり、突然大変な任務を任される。
研究所で時間を逆行する現象を目の当たりにした彼は、未来から送られてきた「時間を逆行させる」謎の装置による第三次大戦から人類を守るべく戦う命を受け、ニール(ロバート・パティンソン)と手を組んで先ずは武器商人の住むマンションへ潜入する。
そこで黒幕のセイター(ケネス・ブラナー)を探すようアドバイスを受けるが・・・

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クリストファー・ノーラン監督お得意のど派手な映像マジックがさく裂。
とはいえ、やたらドンパチと爆発とカーチェイスで展開するけど内容は何もないアクション物とは一線を画し、物理的時間の逆行という複雑怪奇で理解不能なテーマを、SFものにありがちな『設定が破城している』かどうか、観客が解らないくらいのスピードと難解さで見事に超越させて見せた点で唯一無二といっても良い。
テネットニール.jpg
「主人公」を常に助けるニール役のロバート・パティンソンがとってもカッコイイ☆そしてラストの友情に涙。
彼はキャット(エリザベス・デビッキ)の息子という説もあるそうな。
確かにロバート・パティンソンが金髪にしているのはそう言う訳なのかな?
とは言え、やたら色白で髭が黒く濃いのに髪だけ金髪はちょっぴり違和感。(そこ?笑)
テネット奥さん.jpg
夫から激しいDVを受けている美しい妻キャット。10頭身!?なスタイルの良さは溜息が出るくらい♬
ベルトにカフスを付けるプレイをするぞ・・・のシーンが全てを物語っているのでしょうけど、末期がんの夫を何度も殺そうとしたり、海に突き落として尚そのまま海を引きずって行く点では、後から冷静になって考えると意外と彼女も残忍な気がしないでもない・・・
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赤い色が順行、青い色の部屋が逆行、コンテナもしかりで判りやすくしているけど、一つの目標(スタルスクの決戦)に向けて時間が順行しつつ逆行していく話は複雑すぎて理解不能。
とはいえ、大きな流れは世界滅亡を阻止するべくそれにかかわる人物の命を守るために戦うといった大雑把なストーリーで、従来のアクションものと変わりないし、『敵なのか味方なのか判らないスパイ映画』同様、最後まで謎を引っ張っていく映画と考えて観ていれば、その『何だか判らない』感覚を楽しむ事が出来るのだ☆
Clipboard01552.jpg
テネット考察の記事を探していて見つけた『1世紀ごろのラテン語の回文』
「SATOR式」と言われる長文の回文(農夫のアレポ氏は馬鋤きを曳いて仕事をする)を並べると、それぞれの単語も回文(斜めに見ても!縦に読んでも逆に読んでも互いの単語になる)なのが判る。
セイターはラスボス、ゴヤの贋作を作ったアレポ、冒頭のオペラハウスに、ROTUSはフリーポートの企業の名前なのだとか。

IMAX用に撮影されたらしいので、出来ればIMAXで観たいところだけれど大画面で鑑賞できただけでも充分楽しめたので良かったかな♬
考察を読んで改めて考えると、色々疑問も沸いてくるけど、今度は配信になったら何度も見て検証していきたいな☆

この記事へのコメント

  • セレンディピティ

    まだ~むさん、こんばんは。
    まさにノーラン監督のマジックに、翻弄されつつ楽しみました。
    まだ~むさんはちゃんと予習をされてご覧になられたのですね。
    主人公がどうしてあそこまでキャットを守ることに固執したのか
    なるほどあの子がニールだとすれば納得です。
    海を引きずっていくところは、なんとなく「太陽がいっぱい」を
    思い出しちゃいました。
    IMAXではなかったのですが、Dolby
    2020年09月30日 00:58
  • セレンディピティ

    (すみません。途中で送ってしまいました。)
    Dolby Atmosだったので、重低音が体に響いて迫力ありました。
    あとで配信で確かめたくなる作品でしたね。
    2020年09月30日 01:03
  • きさ

    ちょっと難解ですが、映像がすごいので目が離せませんでした。
    実物にこだわるノーラン監督、空港での航空機の事故シーンではボーイング747を購入したとか。
    お話は最初は訳わかりませんが、未来から時間を逆行する装置を使って現在を滅ぼそうという敵がいて、主人公はそれと戦う事になります。
    時間を逆行する装置に入って出てくるとそこから周りは全て逆回しになります。
    同じ画面に時間を順行する世界と逆行する世界が同居する映像には驚き。
    色々あって最後の戦闘では何千人もの兵士が順行と逆行し、アタマがクラクラします。
    正直1回見ただけでは理解できたとは言えませんが、刺激的な映像体験でした。
    2020年09月30日 11:11
  • ノルウェーまだ~む

    >セレンディピティさん
    >
    私も多くの人の考察を観た後も研究して、なるほどニールは息子だったのね!?と思い納得した一人です。
    それを知るまでは単に主人公は彼女を深く愛してしまった…という展開だと思っていたので、一人の女性の為に随分沢山殺したなぁと思っちゃってました。
    配信になったら何度も見返したいですね♪
    Dolby Atmosでご覧になったのですね~いいなぁ☆
    2020年09月30日 17:36
  • ノルウェーまだ~む

    >きささん
    >
    お話が訳わからないで展開していくのは、スパイ映画っぽいですよね。
    007をこよなく愛するノーラン監督らしい作りになっていたのだと思います。
    まさに刺激的な映像体験を存分に楽しめちゃいました♬
    2020年09月30日 17:38
  • ボー

    ペケ。「私にとっての難あり映画」枠入り。
    2020年09月30日 22:58
  • にゃむばなな

    『メメント』をさらに進化させた、この面白さはクリストファー・ノーラン監督にしか描けない面白さですよね。
    何となく分かっているようで、実は何も分かっていないかも知れないけれど、そんな不思議な感覚も含めて楽しめる映画でした。
    2020年09月30日 23:45
  • ここなつ

    こんにちは!ご訪問が遅くなってしまいすみません!
    やはりこういう作品は考えるな、感じろ!なのかな(笑)と個人的には思っております。
    クリストファー・ノーランの頭の中、少しでも垣間見れたなんて素敵。私はすっかり掌の上で転がされております(笑)。
    2020年10月01日 11:39
  • ノルウェーまだ~む

    >ボーさん
    >
    あらま!残念でしたね・・・
    2020年10月01日 12:07
  • ノルウェーまだ~む

    >にゃむばななさん
    >
    そうなんですよ~
    ざっくり判ったけど、ほとんど判ってないのに楽しめちゃったのがこの映画の凄い所ですよね!
    でもそもそも細部まで説明できるような事象なら、既に時間を逆行させる機械が出来ていてもおかしくない?気もします(笑
    理解を超えた先にノーランありですね☆
    2020年10月01日 12:13
  • ノルウェーまだ~む

    >ここなつさん
    >
    いえいえ、頭の中を垣間見て、結局わからーん!となっただけでした(爆
    判らないを楽しんで体で感じる映画でしたね。
    それでもただドカンドカンと派手にやって映像だけの映画とも一線を画していたと思いますっ☆
    2020年10月01日 12:15
  • ノラネコ

    つまらない訳じゃないけど、今回はノーランのテラーとしての欠点がはっきり出てしまっていたと思います。
    今までノーラン作品は二度三度観ていたし、リピーターを誘うにはいい作戦なのでしょうけど、私はこの出来では二度は観ないですね〜。
    2020年10月01日 23:10
  • ノルウェーまだ~む

    >ノラネコさん
    >
    私も劇場では二度目は観ないかな・・・
    多分、2回3回観たからと言って理解できるようには、作ってないというか、作るつもりも無かったのかもしれないですよね。
    それで理解できるような原理のものなら近い将来実現しそうですが、全く架空のお話として理解を超えていて正解なのかもしれません☆
    2020年10月02日 13:58
  • yukarin

    こんにちは、かなりおひさしぶりぶりになってしまいました?
    難解な作品ほど理解しようと思ってはいけないんだということがわかりました。
    なんかわからないけど面白いと感じる不思議な作品、リピーター多いとのことで、ノーラン監督のすごさを改めて感じさせられます。
    2回観ましたが観るたびに新たな発見がありますね。
    2020年10月02日 16:18
  • ごみつ

    こんばんは!

    私も見てきました。

    物語自体は全く難解じゃないんですが、時間軸が2つあって、それが同時に流れるから、ややこしくて「何じゃこりゃ」とはなるんですよね。

    ただメインとなる物語がちょっと弱いのでそこは残念。映像が素晴らしいので、DVDにでもなった時そこはもう何回かチェックしたいです!

    上から読んでも山本山、下から読んでも~な回文の記事、私も読みました。こういうの面白いですね。
    ノーランのこだわりの凄さを感じました。(*´з`)
    2020年10月02日 20:13
  • メビウス

    まだ~むさんこんばんわ♪コメント有難うございました♪

    ノーラン監督流のスパイムービーは本当に複雑怪奇ではありましたけども、時間の在り方をこうも斬新に捉え、そしてそれを映像に落とし込むセンスの良さなどは流石だなぁとも思ってしまったので、要所で頭を捻りつつも逆行映像に驚愕させられた良いエンタメ作品だったと思いました^^
    観た感じそれほど詳しく人物描写や未来の事も描いていたわけではなかったので、ニールが実はキャットの息子?・・という説もこの世界観ならばあながち間違いに思えないのも面白いですよね。
    2020年10月02日 23:02
  • ノルウェーまだ~む

    >yukarinさん
    >
    もう2回目ご覧になったのね!?
    この映画はやっぱり大画面、しかもIMAXで観るのが正解でしょうが、配信になってから繰り返し見て新たな発見をするっていうのも良いですね♪
    なんか判らないけど楽しい!と思わせてくれるノーラン監督ってやっぱりスゴイです☆
    2020年10月03日 00:26
  • ノルウェーまだ~む

    >ごみつさん
    >
    回文にこだわって、時間軸も回文、上から読んでも~な拘りはしっかりしたプロットがノーラン監督にはあったのでしょうけど、あえて違和感や不信感をそのままにして、観客も物語の真ん中に放り出したのが成功の鍵だったんじゃないでしょうか。
    何しろ本当の話じゃないんだから、そりゃオカシナところや?と思うことあって当然ですしね♪
    2020年10月03日 00:30
  • ノルウェーまだ~む

    >メビウスさん
    >
    そこですよね!ノーラン監督しか思いつかないような斬新さと、奇抜なアイデアをしっかり映像に落とし込むセンスの良さ。
    これは他にはないものなので、素直に面白かった!と感じました。
    ニールがキャットの息子ならヒゲも金髪の人をキャスティングしてほしかったかも☆
    2020年10月03日 00:35

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