美しい水と新鮮な空気、多くの温泉地と国宝が見られる観光地がある栃木県。
そんな観光資源に恵まれながら、何故か廃墟も至る所にあるのがこの栃木の不思議なところでもある。
同じく廃墟となっているウエスタン村からほど近い所にあるのが、かつては箱根と並んで「東京から行きやすい温泉地ならここ」というイメージがあった『鬼怒川温泉』
今では巨大な温泉廃墟群があることでも有名になってしまった。
その廃墟の一部がいよいよ解体されるという情報を得て、最後の雄姿の見納めに鬼怒川までやってきたのだ。
先ずは滝見公園という小さいけど良く整備されている公園の駐車場に車を停めて、鬼怒川に掛かる滝見橋へ。
コロナ禍の影響か?紅葉にはまだ早いからか?はたまた廃墟のせいなのか?平日だから?平日なのに?ほとんど住民にすらすれ違わなかったこの地で、偶然にも小学生を連れたご家族連れが居合わせて、この結構な揺れを伴う吊り橋をびよんびよんやってくれたせいで、高所恐怖症のパパンが青ざめて駐車場へ逃げ帰る羽目に(爆
さてそんな吊り橋からの景色がこれ!ああ、鬼怒川の水のなんとキレイな事よ!!
美しく蛇行した鬼怒川の流れは結構早く、この景勝地を行くライン下りも楽しいに違いないと観光資源の豊富さに改めて感心する。
橋から見た反対側の景色も美しく、風光明媚とはこのことよ♬と思ってしまう。
しかーし!よくよく見ると実は立ち並ぶ温泉街の左側部分がほぼ廃墟となっているのが見て取れるのだ。ズームにすると縦に書かれた『きぬ川館本店』の「ぬ」と「館」が落ちているのが判る。
ここからプラプラとお散歩するとノラ猫ちゃんたちと遭遇。
人懐こく寄って来てピタリと足元に座ってナデナデしてくれるのを待っているYO
ここで気付いたのは栃木県は野良猫も多いとうこと。
このあと昼食を取るために立ち寄った龍王峡の蕎麦屋のおばちゃんは、ねこちゃんの鳴き声を聞いて姿を探している私に「観光客が勝手に餌をやるもんだから増えちゃってねぇ~」といかにも嫌そうに言っていた。まるで「エサやるんじゃねーぞ。」と私に釘を刺す様に。 ねこブーム続いてるの知らないのかな?
川の対岸から廃墟群の正面を見てみる。超豪華でビュッフェが大人気のあさやホテルに宿泊すると、お部屋からこの景色を眺める事が出来るらしい。
これが有名な「きぬ川本館」のかっぱ風呂(丸い張り出しの部分)
カッパの置物や壁画があったり、美しい丸いフォルムの湯船が特徴の非常にユニークで趣のある温泉だったらしい。
今まで一棟2億円とも言われていた解体費用がネックとなってそのまま廃墟となっていたけれど、このきぬ川本館の表の入口はゲートが出来ていて解体に向けて調査などが行われしっかりと管理されている模様。
とはいえ、お隣の「鬼怒川観光ホテル東館」も同様に廃墟なのだ。
真ん中を歯抜け状に解体してどうなるのかな?
それともいよいよ栃木県は巨額の税金をかけて全部を解体するのかしら?今回栃木県を旅をして気が付いたこと。
日光から鬼怒川へ向かう国道121号線沿いの沿道は歩道はあちこち雑草が生えているし植え込みが枯れ果てている所も。江戸村やワールドスクエアに行くときにも通るのに?
日光のいろは坂整備に巨額をつぎ込んで、他の地域に税金が回らないのかもしれないけれど、いっそ全国的にも稀に見る巨大廃墟群は、いつか次の世界遺産「軍艦島」にならないとも限らないので、新たなビジネスモデルを考える時が来ているのではないかな☆
今やコロナ禍で日本全国の観光地がこうならないとも限らない。温泉街だけでなく既に足元から廃墟の影が忍び寄ってきている気がした。
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この記事へのコメント
ごみつ
まだ~むさん、廃墟お好きですよね。
廃墟マニアはたくさんいらっしゃって、写真集なんかもけっこう出てますよ。
数年前に、友人と鬼怒川旅行をしたのですが、その時からすでに鬼怒川のホテルは廃墟群になってました。
指定のお店へ立ち寄ってスタンプを集めるとゆるキャラの鬼怒太のストラップがもらえると言う事で、けっこうあちこちまわったんですよね。(笑)
熱海もですが、昭和の時代につくられた大型の温泉施設はどこでも厳しそうです。コロナでさらに追い打ちをかけられているでしょうが、営業を続けているところにはがんばっていただきたいです。
セレンディピティ
以前、まだ~むさんの鬼怒川廃墟群を拝見したような気がしましたが
思い違いだったかもしれません。
それにしても、かつての栄華がうかがえるだけに
なおいっそうの寂しさがこみ上げてきます。
それと比べて、吊り橋から見る川と渓谷の風景の美しさ!
やはり人工は自然にはかないませんね。
そろそろ開発から、自然の保護へと
舵を切る時期に来ているのでは、と思います。
ウイル・スミスの「アイ・アム・レジェンド」を思い出しました。
ノルウェーまだ~む
>
鬼怒太のストラップですか~(爆
しっかり回って貰えたのかな?
この廃墟群はバブル崩壊から徐々にこのようになっていったので、かなり古いようです。
これだけの規模の温泉宿廃墟群はなかなか無いと思いますが、以前行った福島の向瀧温泉も川の反対側はほぼ廃墟になっていて、至る所がそのような状況が、このコロナでますます悪化していくのかな?と心配になってしまいます。
写真集は娘がいくつか持っているんですよ~☆
日光江戸村もワールドスクエアもスルーして廃墟だけ回ってきました(≧▽≦)
ノルウェーまだ~む
>
景色はまさに「アイアムレジェンド」ですね~
創られたテーマパークや箱ものより、自然の景観と美味しい食べ物♬だと感じた旅でした☆
鬼怒川廃墟群はもしや私のスマホをご覧になった時では??