今度のシーズン3では転げ落ちていくように事態が悪化するコーエン兄弟特有のコメディ要素は少なく、サスペンス的展開になっている。
特にエピソード5くらいまでは伏線を張って行ってる状態で、なかなか進展しないので退屈に感じてしまうかも・・・
映画もドラマ版も全体を通して共通しているのは、物事を正しくきちんと見て考える事が出来るのは「母となる女性警官のみ」という一点。他の男性どもは押し並べて愚かで浅はかだ(シーズン2はキルスティン・ダンスト演じる妻も愚かだったけど)
「ファーゴ」シーズン3
今回事件の核となるのはでっぷりとして禿げあがっているこの人!⇩ユアン・マクレガー!!しかも一人二役。
2010年、成功して豪邸に住むエミット・スタッシー(ユアン・マクレガー)は、長年確執のある弟レイ(ユアン・マクレガー)から貴重な切手を返すよう迫られていた。レイは知り合いのコソ泥に盗み出すよう依頼するが、誤って別のスタッシー氏を殺害してしまう。コソ泥に恐喝されたレイは刑務所上がりの恋人ニッキーと彼を事故に見せかけ殺す。
間違えられて殺された義父について捜査を始めた警察署長のグロリア(キャリー・クーン)だったが、上司に一蹴され思う様に捜査できずにいた。
エミットは突然現れた謎の男ヴァーガに会社を乗っ取られつつあったが、兄弟喧嘩の末エミットを殺してしまった後始末を頼んだために後へ引けなくなっていた。ニッキーはレイの敵を討とうと画策するが…
お兄さんのエミット役もユアン・マクレガー。って、禿げてるほうが弟!?
途中兄に化けて偽のエッチビデオを作るのにエミットっぽいカツラを被るシーンがあるのだけど、禿げのユアンが天パーのカツラで兄のユアンに化けるけど微妙に似てないという絶妙の演技が心底見事!!
今は天下のハリウッドの映画俳優もTV出演でここまでやるのね・・・と正直ビックリ☆だからこそ日本のドラマとは格が違うのかも。
警察署長のグロリアと別の署の交通課警官だけが、唯一真相に迫っていく。
シーズン2では社会進出し始めていた女性の立場も、警察署の中ではシーズン1からずっとダメな男の上司に抑えつけられていて、何十年経ってもちっとも状況が何も変わっていないというのがミソ。
因みにシーズン3は謎の過去を持つ義父が若い頃書いた小説がアニメーションで流れたり、東ベルリンのくだりや、謎の男(ツインピークスで美しい遺体の少女の父親役だったレイ・ワイズ)のシーンなど、『よく判らない』暗喩的な話が多く「?」がいっぱい出てしまう。
盛り上がったのは、会社を乗っ取ろうとしているヴァーガの手下によって転倒させられた護送車に、偶然乗り合わせたのがシーズン1に登場した聾唖の殺し屋レンチだったこと♬ここからぐっと話は走り出すのだ。
加えて他の男たち同様「こんなにイケてる女が金目当てでなく禿げたデブを本当に愛しているのか?」疑心暗鬼で見ていた私たちは遂に最終回にその答えを知ることとなる。
ラスボスのヴァーガ役はハリポタでルーピン先生をやったデヴィット・シューリス。出っ歯の入れ歯をして訛りの強い英語を話し、過食症で食べては吐く強烈なキャラがとにかく不気味。
「殺し屋」が続々登場しギャングが大勢を殺していくのが「ファーゴ」なのだけれど、2010年の現代を描いたシーズン3でのいわゆる「マネーロンダリング」やネットを駆使した犯罪が、昔の縄張り争いのような単純なものでなく一般人も陥れていく恐ろしさはシーズンを通して一番怖かったかも☆
シーズン4は昨年9月に公開されたので、配信で見られるのはまだまだ先かな?
余談だけれどシーズン2で夫婦役だったキルスティン・ダンストと肉屋役のジェシー・プレモンス、今回のユアン・マクレガーと恋人役のメリー・エリザベス・ウィンスレットは実際の恋人なのだとか♬
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この記事へのコメント
セレンディピティ
ユアンがこんな風になってしまうなんて大ショック!でもすごい!
ユアンの一人二役というのは「アイランド」という映画で見たことがありますが、ほんとうに演じ分けが見事でした。
本作はビジュアルも全然違いますが、メイクの力もすごいですね。
最後の2組の恋人情報にもびっくり。
ジェシー・プレモンスは、結構いろんな映画でお見掛けしますが
存在感は抜群。特に「バイス」の役は強く印象に残っています。
ノルウェーまだ~む
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ファーゴの記事全部にコメント頂きまして、ありがとうございます!
「アイランド」はユアンに初めて出会った大好きな映画でした☆その頃からイケメンだけど演技派でしたね~
しかしこの風貌はショックですよね!こんなユアンは見ていて正直げんなりしましたが、彼らの愛が本物だったというオチに繋がる意味ではユアンにしか出来なかったのかも・・・