タイムループを繰り返すうちに自分の生き方を見直して人間が成長していく映画は「恋はデジャブ」や「ハッピー・デス・デイ」など、ラブコメものには良くあるパターン。
こちらの映画も90分と短くさっくり見られて気軽な映画・・・と思うなかれ。案外深いテーマがそこには隠されているのだ。
「パーム・スプリングス」(4月9日公開)web試写会
カリフォルニア砂漠のパーム・スプリングスで行われる妹の結婚式で介添人を務めなくてはならないサラ(クリスティン・ミリオティー)に、猛アタックをして次第に良い感じになっていくナイルズ(アンディ・サムバーグ)は実はこの日をもう何十万回も繰り返していた。
眠るか死ぬかすると同じ朝を迎えるナイルズに興味を持ったサラは、彼の後をついて謎の洞窟へ入り込むと自分もタイムループを繰り返すようになる。
元へ戻れないと諦めた二人は羽目を外してしたい事をし放題で楽しむうちに…
自分は一度結婚を失敗しているので、この日腹違いの妹(多分)の結婚式で介添人をやるサラが世を拗ねているのも判らないでもない。
言い寄ってくる男性もいるけれど、どこか冷めているわけがタイムループをしていくうちに次第に明かされていく。
主役のナイルズは恋人に付き添って結婚式に出席する事になっているのだけど、何故か一人アロハシャツ。それもそのはず、もう何十万回も出席しているから~~他の人の立派なスピーチも暗記しちゃってるのだ(笑
この辺は何度繰り返しても同じ結果になっていく従来のタイムループものとは一味違って、自分たちでこの1日を自由に行動することが出来るのが面白い。
それ程美人でもないサラとさほどイケメンでもないナイルズが主役なのがミソ。
サラも途中からタイムループするようになると、また不思議な化学変化が起きてくる。
最初はタイムループに巻き込まれたことを恨んで何度もナイルズを殺しに来るけど、途中からそこに留まることに幸せを見出してしまうロイ(J・K・シモンズ)の、最後の笑顔でこの映画が実は深い話なのだと気付かせてくれる。
ループから抜け出す努力を諦めて、二人でハチャメチャやって楽しんでいるうちは良かったけれど・・・
諦めて立ち止まることや過去に引きずられることなく、何度失敗しても本当に大切なことを思い出して前へ進んでいく大切さを教えてくれる、実は素敵な映画。人生に行き詰っている人には是非観てほしい作品☆
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この記事へのコメント
ノラネコ
あのリゾートで楽しめるんなら、まあ一月ぐらいはいてもいいけど、やっぱ永遠はヤダな。
人生うまくいかない時の堂々巡りを、うまくSF設定で比喩した気持ちのいい佳作でした。
ノルウェーまだ~む
>
ただ繰り返しに悩む話じゃないところが良かったですよね。
そこそこ楽しく生きる人生だとしても、あんまり上手くいかない仁瀬田としても、このままでいいの?と問いかけてくる映画だったと思います。
瞳
まだ~むさんの感想、そうそう!と頷きながら読みました。
ポップで軽~いノリだけど、実は人生について考えちゃうような深さが隠れていましたね。
自分だったらどんな道を選ぶのか、考えてしまいますね。
その日が最高に幸せな日なら繰り返してもいいか~と思ったりも(笑)
主演の二人の雰囲気も映画にぴったりでした。
ノルウェーまだ~む
>
コメントありがとうございます。
毎日パリピでいいじゃん♬とはいかないほど、人生の深い部分を描いていたんですよね~
そういう意味でポップな雰囲気とは真逆の哲学的なお話だったのかもしれません。
ボー
ノルウェーまだ~む
>
リゾートとしては長期滞在したくなりますね♬
永遠には…?