「BLUE/ブルー」web試写会☆真の強さ・真のカッコよさ

ボクシング映画と言えば「ロッキー」だったり「あしたのジョー」だったりと、とかく不屈の精神で不死鳥のごとく蘇ったりしてドラマチックに演出されるのが常。
勿論、勝ってなんぼなのだ。

ところがこの映画で「試合に勝つ」シーンは実は少ない。
しかし不器用に生きて真摯に努力する人が『本物の強さ』を持っていて、そんな男こそが実はカッコいいと気付かせてくれるのだ。
「BLUE/ブルー」 公式サイト(4月9日公開)
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ボクシングジムで昼はおばさん相手に、夜は新人のボクシングトレーナーを務める瓜田(松山ケンイチ)は、ひたむきな努力家なのに負けてばかり。
後輩の小川(東出昌大)は才能も技量も勝ってあと少しでチャンピオンに手が届く。瓜田の初恋の相手で今は小川の恋人の千佳(木村文乃)はそんな小川の心配を常に瓜田に持ち掛けるが、彼はいつも真摯に相談に乗るのだった。
モテたい一心でボクシングを始めた楢崎(柄本時生)は、はじめ「ボクサー風」に見えればよいと思っていたが、瓜田の指導を真面目に受けていくうちにメキメキとプロとして成長していく。
そんなある日の負け試合を最後に瓜田は姿を消し・・・

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勉強熱心で練習熱心なのに、どうして瓜田は勝てないのか?格闘技の事は良くわからないけど、一つは『優しすぎる』からなんじゃないかな?
人から試合で勝てないことを揶揄されてもニコニコと返し、何を言われても決して怒らない『いい人』に松山ケンイチがピッタリ~~
やる気ないのにボクシング始めて痛いのが嫌いで泣いちゃう男に柄本時生と、俺様気質で黙ってオレの言う通りにしておけっ!な格闘家あるある男に東出と、これ以上ないキャスティング!!この3人が同じくらいの比率で主役として描かれていく。
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離婚騒動以来あまり良い印象がない東出昌大も、美しく鍛え上げられた肉体美を披露してくれて、本当にボコボコパンチを食らうリアルな演技にひたすら感心。
特に優勝を果たした瞬間、コーナーのロープに駆け上がるもずるっとコケる姿はうっかりなのかと思ったら、リアルに演技しているのだそう。
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とにかく松山ケンイチが素敵☆
常に穏やか。常に優しく。燃え滾る情熱を内に秘めつつも、リアルに嫉妬を抱えながら決して怒らず、真摯に実直に努力する。これぞ男!!
そんな優しい眼差しが出来るのは、彼しかいないのでは?
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現実は厳しく・・・

努力は報われず最後まで負け試合で引退していく瓜田。
しかし後輩の指導は完璧で、瓜田のDNAはしっかり受け継がれていく。

これはボクシングの話だけれど体操選手やアイススケート、柔道でもバレーでも音楽でも・・・多くの夢を追う人たちとも共通した話で、沢山の人が共感できるはず。
たとえトップに立てなくても芽が出なくても、日々努力を続ける全ての人たちが主役になるそんな映画なのだ。

この記事へのコメント

  • セレンディピティ

    まだ~むさん、こんにちは。
    お話をうかがうと、とてもよさそうな作品ですね。
    松山ケンイチさん、一見鋭いまなざしの中にやさしさも垣間見え。。。
    ほんとうに役ごとに違う個性を見せるすばらしい役者さんですね。

    東出さんは、以前舞台の演技を拝見して魅せられたので
    こうしてまた映画で活躍されるのがうれしいです。

    見たい映画がなかなか見れてないので、劇場で見るのは難しいかもですが
    いつか是非見たいです♪
    2021年04月03日 12:02
  • ノルウェーまだ~む

    >セレンディピティさん
    >
    格闘技を普段見る機会がないのと、格闘家を好きになりがちな女性(変な言い方ですけど・笑)に寄り添えないので、個人的にはぐっと入り込めない作品なのですが、格闘家でなくてもどんな人にも当てはまるとっても良いお話でしたよ。
    東出クンは背も高いし花があるので舞台映えしそう~☆
    松ケンは本当に素晴らしかったです!!
    2021年04月03日 13:32
  • ノラネコ

    ボクシング映画としては相当に異色ですが、これはマツケン史上、最高にカッコ良かったですね。
    以前山岳ドキュメンタリーの「メルー」という映画で、監督が「これは登山の映画ではなく、登山家の映画だ」と言ってたのですが、この映画も「ボクシングの映画ではなく、ボクサーの映画」でした。
    2021年04月17日 20:11
  • ノルウェーまだ~む

    >ノラネコさん
    >
    確かに!
    ボクシングを描いているのではなくて、一人のボクサー、否、ある意味アスリートの人生を描いているようにも感じました。
    マツケンは三枚目から真のイケメンまで幅広くて演じて本当に素晴らしい役者さんですよね!!
    2021年04月18日 13:01
  • ふじき78

    マツケンが試合で勝てないのは気持ちで負けているのでしょうねえ。「オレオレ」が全くない性格で、勝利への渇望感がどう見ても対戦相手より低い。
    でも、それなら、トレーナーとかになってもいいのじゃないか、と。それは木村文乃の手前、イヤなのかなあ。
    2021年04月28日 23:31
  • ノルウェーまだ~む

    >ふじき78さん
    >
    そうなんですよ~
    私もそんなにボクシング好きなら、どうしてボクシングのトレーナーで生活していこうとしないのかな?って思っちゃいました。
    ま、そこが彼らしさでもあったのでしょうけど。
    2021年04月29日 00:03
  • ここなつ

    こんにちは。

    もうこれは松山ケンイチの背中が全てでした。
    負け続けの人生だけれど、普通の人の人生ってそんなものだと思います。でも、松山ケンイチは一周回ってカッコ良かった。
    吉田監督らしからぬ、でも真の吉田監督が伝えたかったことってこの作品なんだよなぁ、と思わせる作品でした。
    2021年04月30日 15:43
  • ノルウェーまだ~む

    >ここなつさん
    >
    ですよね~
    一周回ってカッコいい☆
    何と言ったって彼の人となりがカッコいいわけで、誰でも一周回ったらカッコよくなるわけじゃないところがミソでもありますよね。
    人間的に勝っていたらもうそれで優勝です♬
    2021年04月30日 23:28

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