主人公ポールを演じるティモシー・シャラメの繊細な美しさと演技力もさることながら、どのシーンも抒情的に描く絵力の見事さ、遂に可能になったSF要素の映像化、重厚なドラマ、不穏な気持ちを駆り立てる音楽、皆が期待する壮大な戦闘シーンと盛りだくさんの3時間もあっという間。
しかしながら、SFにつきものの聞き慣れない国名・民族・用語が長いカタカナ名の羅列で登場し、その上あえて謎めいたまま引っ張るのでどうしてもストンと入ってこない。
ということもあり、出来れば公式サイトで相関図と専門用語を予習しておこう☆
「DUNE デューン 砂の惑星」(2021年)
西暦1万190年、皇帝が厳格に惑星を治めていた。アトレイデス家のレト公爵は皇帝の命により抗老化作用のある特殊な香料が採掘できる砂の惑星デユーンの統治をすべく移住した。
しかし恐れていた事態が起こり、皇帝とハルコネン男爵の策略によりアトレイデス家は壊滅。妻と未来予知の能力を持つ息子のポールも囚われの身となるが、辛くも逃げだし巨大ワームが襲い掛かってくる砂の大地を行くと・・・
⇧体から出る水分を全て(あれも?)飲み水に変えて水分補給できる万能スーツ!!
手首をタッチするだけでシールドが出たり、これから実用化しそうな虫型小型殺戮マシーンとか、宇宙船の造形も1965年の原作小説で描かれていたとしたら物凄い発想力よね?
原作通りだった羽をパタパタさせるヘリはラピュタに影響与えているし、砂漠に棲む巨大なワームの造形と設定には度肝を抜かれる。
なのに~?
皇帝が絶大な権力を持っているとか、公爵がいて男爵がいて三銃士みたいなのがいたり、レーザービームで岩を砕くのにいざ戦う時はわおーっ!と言って剣を交えるとか!!デューンに降り立つときはバグパイプだし、お食事するときは水差しから水を汲む。
あえて古典的な要素を入れることでかえって新しいイメージなのか?未来の人間の政治に対する発想力はこれが限界なのか?
いかんせんAIの技術が入っていないところは60年代のSFってかんじ。
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見終わってもこのぶよぶよに太っているのにプカプカ浮いてるハルコネン男爵が、ステラン・スカルスガルドだったとは全く気付かなかった私。
ちなみにポールの父レト公爵が敵の手に落ち、ハルコネンの食卓で無残に全裸で同席させられているシーンは、まるで彼がユダに裏切られたキリストのようでなんとも神々しくさえ見える。
度々予知夢に現れていた砂の民フレメンの青き眼の少女。
なかなかハッキリ明かさない複雑なキャラ設定で謎多い印象を最後の方まで与える本作。それでも大きなくくりでいけば、ほぼ内容は「スターウォーズ」だからご心配なく(笑
予想通りラストに至って「この物語は始まったばかりだ」といって終わるのもお約束だけど、ドバイとノルウェーで撮影された映像はとにかく美しいので存分に堪能できる☆スターウォーズロスな人は必見!!
この記事へのコメント
きさ
確かに原作読んでいるか、リンチの前の映画を見ていないと話がわかりにくいでしょうね。
まあリンチの映画がどれくらい参考になるかは疑問もありますが。
結構、映像化の難しい原作を良く見せました。
まあ一族が滅びるという暗い話ですが、復活する後半も作って欲しいです。
ティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソンら俳優陣も好演していましたね。
ノルウェーまだ~む
>
リンチの作品を未見なので、これから見てみたいと思っています。
逆に本作がリンチ作品の参考になるかしら?(笑
陰謀を薄々感じていたレト公爵が何故家族みんな連れてデューンへ行ったのかがちょっと理解できませんでした。
ティモシー・シャラメもレベッカもとっても良かったですね☆
瞳
私も観てきました~!!
久々に劇場でたのに現実に戻り切れない感覚を味わいました。素晴らしい映像美、映像化でしたね!!
原作もず~っとむかーし読んだので忘れているところが多いのですが、思惑渦巻く(宇宙を舞台にした)宮廷絵巻って記憶です(*^-^*)
映画はすっきりまとめてたな~と感じました。
キャスト魅力的でしたね。
スカルスガルド、膨れてましたね(笑)
リンチ版、私も観返そうと思います。
ノラネコ
原作ファンの私は終わってないこと以外は文句なしだったのですけどね。
映画観る前に、久しぶりに原作読み返そうかと思って引っ張り出してきたのですが、文字が小さすぎて断念しました。
文庫は若者のものだったのか。
ノルウェーまだ~む
>
なんと!原作も読んでいらっしゃるのですね!?それならかなり楽しめたことと思います☆
私は登場人物の名前からカタカナ用語から~に翻弄されて、ちょっぴり混乱してしまいました。
実は前日に夫と「惑星ソラリス」を見てこれがまた3時間もあったので、少々SF疲れしてたんです(苦笑
リンチ版はしばらくあとになってから見ようかな~
ノルウェーまだ~む
>
あらま、ノラネコさんも文庫の字の大きさにサジを投げる年齢になりましたか~
この映画で初デューンでしたが、いつもスターウォーズで寝てしまう私でも、一瞬も見逃さず惹きこまれました。
戦いシーンが少なかったからかも・・・♬
にゃむばなな
映像の美しさ以外では評価が大きく分かれそうな気がしますよ。
それが原因で続編の製作がなされないということだけは、ありませんように。
ノルウェーまだ~む
>
私は勝手にこのペースでいったら3部作だな・・・と思っていましたので、逆に前後編なの??と驚いております。
確かに絶賛している人とそれほどでも~という意見に分かれているみたいですね。
続編は楽しみにしたいと思います!
ごみつ
私も今日見てきました!
キャストがシャラメ君以外は、のきなきDCやマーベル映画の出演者達なので、安っぽくなっていやしないかと若干の不安がありましたが、見たらまあこれまた素晴らしかった!
私はこういう映画を見るために生まれて来たんだ!(笑)と思いながらスクリーンを見つめちゃいました。
やっぱヴィルヌーブ凄いね。
実は3本も映画を見てるのですが、全然記事に出来て無くてこのあとがんばります。(; ・`д・´)
ノルウェーまだ~む
>
ホントどのキャストもビシッとハマっていて素晴らしかったですね~
ごみつさんが以前オススメされていたので、いの一番に観に行きましたが、まさか『こういう映画を観るために生まれて来た』とごみつさんに言わしめるとは…
リンチ版のデューンもいつか見たいと思いつつ、惑星ソラリスも家で見たのでちょっぴりSFでお腹いっぱいな私です。
ふじき78
シスの暗黒卿はデブでハゲじゃないもんみたいな票が集まるか?
ノルウェーまだ~む
>
やっぱりほぼスターウォーズですね~☆
ここなつ
そっかそっか、ドバイとノルウェーで撮影ねぇー、私これどこで撮ったんだろう?と思っていたので、納得です。
ともかく凄まじい映像美でした。それもCGバリバリがまるわかり、と言う感じではなくて、あたかも本当にロケしているのを編集で繋いでいるだけ、みたいなのが凄すぎますね!
ノルウェーまだ~む
>
巨大な宇宙船は当然CGなのでしょうが、やっぱり全てをCGにしてしまうと、どこか現実感が無いんですよねぇ。
そこがロケだからそこのリアリティーが生まれるし、砂の荒れ地で暮らす人々の過酷さなんかも伝わってくるんですよね☆
それにしてもドバイであの衣装だと、それこそ過酷な撮影だったでしょうww
きさ
といっても英国史に詳しくないので、そうですか、、という感じですが。
ノルウェーまだ~む
>
もともとが17世紀の話を下敷きにしているということなら一見古臭い三銃士とか「あり」なわけですね・・・
それではSFではないような気もしますが(笑
ボー
ノルウェーまだ~む
>
かわいい女の子が出てこないとですものね(笑
最初はじっくりと美しい映像を見せるのでリラックスして眠くなるのは、身体に良い環境映像なのかも☆