正直、何故今頃アンネ・フランク?と思っていた。
まさかロシアが本当に戦争を始めるとは思っていなかったから。
今だからこそ観たい、今だからこそ子供たちに見せたい映画。ラストは涙が止まらない。
「アンネ・フランクと旅する日記」(3月11日公開)公式サイト
「アンネの日記」と言えば世界で最も良く知られた本でしょう。
ある日「アンネの家」に展示されている日記の文字からキティが飛び出してきた。アンネが日記に綴った架空の少女だったが、キティはオランダの街を彷徨いアンネを探すのだった。
博物館で出会ったスリのペーターと仲良くなったキティは、日記を持ち出して彼と共にアンネ・フランクと名の付くところを全て回るが・・・
現在の「アンネの家」博物館ではジャスティン・ビィーバーや大物俳優も見学に来ているww
私が博物館に行ったときはそんなに並んだ記憶は無いのだけど、今でも早朝から大行列なのかな?
私が「アンネの日記」を読んだのは大人になってオランダを旅行する直前。
正直アンネの家を見学するために大慌てで読んだわけだけど、『戦時中息を殺して隠れて住んでいた』割りに暢気でワガママばかり言っているな・・・というのが第一印象だった。
でも・・・今思えば13歳の少女が日記に書くのだもの、何を書いたって自由よね。せめて日記の中だけでも自由にしたかったはず。
実際本に書かれている様に、本棚の裏から奥へ秘密の階段が続いていて・・・と、忍者屋敷のような建物を想像していた私だけど、当時(20年前)はその本棚がなかったような?
実際屋根裏や床下に潜んで生活していたユダヤ人は多かったと思うけれど、ことアンネに関しては扉の向こうに更に家がもう一つあって、意外と快適な生活をしていたというのが第一印象だった。何しろ日本の狭い家よりずっと大きかったのだもの。
(c) Anne Frank House / Photographer: Cris Toala Olivares
そんなアンネに対してさほど感情移入出来ていなかった私が、この良く知る話で感動出来るのかな?と思っていたら、ラストに近づくにつれてもう涙が止まらなくなって・・・
このアニメの素晴らしい所は、「アンネ・フランク」を描いているのではなく、彼女が生み出した架空の少女キティが、現代のオランダで難民の子供たちと出会い、彼らを救うために奔走するところにある。
まさにこのタイミングでロシアはウクライナに侵攻。
こうしてまた多くの難民が生まれ、彼らがユダヤ人のように迫害されていくのが現実だとしたら歴史を学ぼうとしない人間の何と愚かな事か。
アンネ・フランク橋の下をスケートで滑っていく。オリンピックでオランダがスケート強いわけよww
文部科学省推薦映画だけあってやや堅苦しいけれど、ファンタジー色も強いので飽きる事はない。今このタイミングだからこそ絶対子供たちに見せるべき作品。
アンネの日記 増補新訂版 - アンネ・フランク, 深町眞理子
アンネの日記 [DVD] - ミリー・パーキンス, ジョセフ・シールドクラウト, ジョージ・スティーブンス
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この記事へのコメント
瞳
中学の時「アンネの日記」を読んで、私も日記帳に名前を付けましたっけ。
ああいう状況に置かれながらも喧嘩もし、恋もする、アンネに当時とても驚きました。
>せめて日記の中だけでも自由にしたかったはず。
そうですよね!キティには何もかも打ち明けて自由に書きたかったはずですよね。
>こうしてまた多くの難民が生まれ、彼らがユダヤ人のように迫害されていくのが現実だとしたら歴史を学ぼうとしない人間の何と愚かな事か。
まさかまさか!またしてもこういうことが繰り返されるとは思いも寄りませんでしたね(涙)
ぜひ観たいと思います。
ノルウェーまだ~む
>
こんなにも多くの情報があって、多くの人が戦争はいけないものだと知っているのに、今の時代にまさか戦争が起きるなんて思いもよりませんでしたよね。
第2次大戦は遠い昔の事になってしまったのでしょうか?
アンネの家族が列車に乗せられる前に靴を脱がされているシーンが出てくるのですが、アウシュビッツを旅した時のことが思い出されて涙が溢れてしまいました。
是非映画見てください!!
ここなつ
映画とは直接関係ないのですが、アムステルダムに行った時、この隠れ家は前を通っただけで中には入らなかったんですよね。
同行者の夫が頑なに拒否。辛い思いをするのが判っているので絶対に嫌だ、と…
その当時は、すっと通り過ぎてしまえば判らない程の間口の狭い建物だった記憶があるのですが、こんなに観光客が押し寄せる場所だったのですね。
ノルウェーまだ~む
>
狭い事もあって劇中でも出てきたように、相当早くから並ばないと何時間待ちになるようです。
私が行ったときはどういう訳か並んだ記憶が無いのですけど…並ばなくていいツアーに入ったのだったかしら??(記憶喪失)
辛いといえばアウシュビッツのほうで、アンネの家は逆に夢がいっぱいで悲壮感は微塵も感じなかったんですよ、不思議と。
ノラネコ
この20年の間にお客さん増えたのかもしれませんね。
映画のキティが時代に呼ばれたように、この映画もウクライナの事態で新しい意義を持ったのではないでしょうか。
どんな戦争にも、それぞれのアンネはいるでしょうし。
先日のニュースで、防空壕で小さな女の子が震えながら「死にたくない」って言ってたのが忘れられません。
ノルウェーまだ~む
>
やっぱりそうでしたか?
早朝から行列っていうのは以前から聞いてはいましたが、まだ20年前はそれほどでもなかったですよね。
不幸な戦争が繰り返されるなんて、夢にも思わなかったので、今こそこのタイミングでこの映画を観て学ぶことが重要ですね。
ボー
ロシア侵攻開始と同時期だったのですね。なにか気持ちにシンクロするものがあると、グッときますよね。
アニメから、こういうことがあったんだ、と知る入口になればいいんだろうな、という作品ではありました。
ノルウェーまだ~む
>
アニメでファンタジー要素を入れて制作したことで、当時の事を知らない若者への導入として成功している気がしますね。
そうは言っても、現在進行形で戦争が起きているという何とも悲しい現実があって、何とも言えなくなります…
隆
アンネ・フランクが何を動機に、このような絵日記を書けたのか、が気になりますが、ご指摘の通り、家族とは広い部屋で暮らして居たなら、色々な物語を話し合うぐらいの事は出来たと思います。
上述したように、長いものに巻かれろ、が普通であって、闇の時代にはそういう強い者をどう捉えるか、という考え方が不安定になると思いますが、ナチスが勝つのでは無いか、と踏んだとしても、強い者よりも、正しい者を評価出来て、弾圧や迫害といった行為をしない事が、その一つの基準では無いか、と思います。
アンネの中での正義の味方が、まさにそういう価値観では無いか、と思いました。今に通じる、お願い事のようなものですね。。
ノルウェーまだ~む
長いものに巻かれろという意識だったかは分かりませんが、従わなければ命を取られるようなやむを得ない現実があったのでしょうね。
子の映画を見たときは、ウクライナの人々が他国で難民として辛い生活を強いられるかもと危惧していたのですが、今思えば他の難民の方々より余程手厚く受け入れられたので、そこは本当に良かったですよね。
愚かな人々によって戦争が繰り返されてはいますが、人間は少しずつでも歴史から学んでいますね☆