ウクライナの映画を探していたらhuluで配信になっていたのを発見。
何故、こんなにもロシアはウクライナにだけ酷い仕打ちをするのか?
何故ここまで酷いことが出来るのか?映画を見ても答えは何も判らない。
「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」 公式サイト
1933年ヒトラーに取材をした実績があるイギリスのジャーナリストのガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)は、世界恐慌の最中唯一富める国ソ連について取材しようと、単身乗り込んだ。決められたホテルへ到着すると手引きをしてくれた仲間は既に粛正されたあとだった。
ピューリッツアー賞も取ったことがあるウォルター(ピーター・サースガード)はアヘンと女と酒に溺れガレスを取り合おうとしないが、ガレスは遂に当局の眼をかいくぐりウクライナ行きの列車へ乗り込む。降り立った地で見たものは貧困にあえぐ人々の姿だった・・・
実話ベースであるにしてもこんなにも酷い話が・・・?と思っていたものの、ロシアとウクライナの今現在を見れば容易に納得できてしまう。恐怖政治によって体制に無力な市民、捻じ曲げられた報道、生きるためにする密告・・・しかしなぜいつもウクライナなのか?
映画では土壌が豊かな土地であると話していたから、それならばもっと皆で元気に沢山働いて収穫を上げ、沢山税金を納めて貰えばいいのに、何故人工的飢餓ホロドモールをを仕組まなければならなかったのか?
そして何故今も尚ウクライナばかりを標的にするのか?
ロシアの犬に成り下がったピーター・サースガードの演技がいやらしくて絶妙☆
とにかくどこにでも当局がいて、壁の向こうから話を全て盗聴している。
こんな状態でいつでも命を狙われているとしたら、当然真実の追求など諦めてしまうのも致し方ないのかもしれない。
そういった生活が常に付きまとってきた歴史が、先日見た「ラブレス」の『社長に逆らえない社員たち』にまで脈々と受け継がれ、現政権のプーチンと側近にまで及んでいるのだと暗澹たる気持ちになる。
見ているこちらはこれから展開されるウクライナの惨状を知って見ているので、ぎゅう詰めの列車でミカンをむき始めたらもうヒヤヒヤしちゃうし、食堂車での食事もちゃんと食べておかないと!とか、コートとパンを交換したら後で困るよ?なんて思ったりしてしまう。
実際ガレスも自分が生死を彷徨う事になるとは思わないでウクライナへ赴いていて、誰もこの隠ぺいされてきた現実を知る由もなかったことが伺える。
凍てつく雪のウクライナの広大な景色は余りにも過酷。
『お兄ちゃん』を食べるしかなかった幼い子供たち、生きるために必死な姿を誰が責めることなどできようか?
冒頭とラストに登場するジョージ・オーウェルの『動物農場』を読んでいないと、この唐突な登場に誰?となってしまうのが難点。
共産主義のもと富農から土地財産を巻き上げて、分配せずに上層部の遊興に充てる構図を農場の豚と犬と馬と羊になぞらえた作品で、映画の前にせめてwikiであらすじをなぞっておくと良いかも☆
劇中に登場した「パリ・ロンドン放浪記」は実に面白かったので、パパンの蔵書から探して読んでみようかな☆
動物農場 (角川文庫) [ ジョージ・オーウェル ] - 楽天ブックス
赤い闇 スターリンの冷たい大地で スペシャル・プライス/ジェームズ・ノートン[DVD]【返品種別A】 - Joshin web CD/DVD楽天市場店
ラブレス [ マルヤーナ・スピヴァク ] - 楽天ブックス
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この記事へのコメント
セレンディピティ
まさに今見るべき作品のようですね。
ジェームズ・ノートン、ピーター・サースガードと
いい俳優さんたちを起用していて、真摯に作られた
よい作品だということが伝わってきます。
ただ、見るのにかなり覚悟がいりそうですが...。
オーウェルの「動物農場」は読みました。
まるで童話のような語り口ではじまりますが
読み進めていくうちに、背筋が凍ります。
ノルウェーまだ~む
>
こちらにもありがとうございます!
「動物農場」はスタジオジブリのアニメもあるようです。アニメでありながら非常に不条理で非情ですが、是非子供たちに見て欲しいですよね。
この映画はホロドモールやカニバリズムも登場しますが、決してグロいシーンはなく、雪に閉ざされた白と黒の世界が墨絵のようで美しいくらいです。
ロシアのしている事の方がよっぽど残酷だとしみじみ感じました。
ここなつ
これは本当に背筋が凍るような作品でした。
現在の状況と照らし合わせてみても…根深いですよね…
ノルウェーまだ~む
>
リンクありがとうございました。
現在の状況を見ると余計訳が分からなくなります。
通常、ドイツがユダヤ虐待の過去を認めて、真摯にその歴史に正面から向き合い歴史を保存しているのに対して、ソ連はこのような歴史を経て、尚、平気でウクライナへ侵攻しているという事実・・・
反省の気持ちはおろか、未だに隷属させてOKと考えているとしたら、なんとも言葉もありませんね。