根底にあるのは温かな人間力と「そこにある生活」
今だからこそ見て欲しい、特にロシアのあの人に。ラストはちゃんとほっこりする本当に良い映画なので安心して。
「みかんの丘」 (2016年)
アブハジア自治共和国にあるエストニア人集落では、ジョージアとの紛争が起きたため村のほとんどがエストニアに帰国してしまったが、収穫時期のみかんが気になって仕方ないアルゴスと、それを入れる木箱を作るイヴァはまだ家に残っていた。
ある日、家の前で撃ち合いになって負傷した兵士を介抱することになる。一人はチェチェン兵(アブハジア支援)一人はジョージア兵で敵同士だったためいつも睨み合っていたが、イヴァは家の中で殺し合うことは許さなかった。
傷が治っていくとともに次第に打ち解けていくが、そこにアブハシア支援のロシア兵の一団がやってきて・・・
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みかんの丘[DVD] / 洋画 - ネオウィング 楽天市場店
ロシアの映画を探しているときに見つけた映画。
とにかくジョージアの紛争でエストニア人が出てきて、そこにチェチェン人がいてのアブハジアってそもそもどこ?といった具合で、登場人物もどちらがどちらの兵士だったのか?分からなくなりがち。
どことどこが敵対していて、どこで一体何を戦っているのかが見えてこないし、私の印象でイスラム圏の顔立ちの人はキリスト教徒で、チェチェンの兵士はイスラム教徒だ。
静かにただ静かにゆったりと流れる時間と裏腹に私は混乱するばかり。
しかしこれこそが映画の狙いだったのだと後になって気付くのだ。

こんな静かな山奥で何を戦う必要があるのか?
迷彩服で居丈高な兵士と対照的に、みかんだけが気になるアルゴスとイヴァがそこで「ただ生きていく」ことの気高さを教えてくれる。
「家の中では殺し合うな、外なら良し」という約束を守った敵同士も、時を経て外でも殺し合わずにBBQで食卓を囲むようになっていく。
隣人アルゴスと同様にマンダリンの収穫が気になって仕方ない私は、てっきり二人が元気になってミカン収穫を手伝ってくれるという展開なのかな?と思っていると・・・
ラストの悲劇を乗り越えてほっこりさせてくれるエンディングがまた良い。今こそ見るべき映画。
この記事へのコメント
latifa
私もこの映画見た事があります。
歴史とか紛争とか全然知らない状態で見てしまったんですけれども・・・。
確かに今、見る映画ですね。
ウクライナのニュース、もう見るのが辛すぎます・・・
ノルウェーまだ~む
>
私もその辺の紛争の歴史に疎すぎて、何度も途中で地図とかwikiとか確認しながら見る羽目になりました。
ほんの小さな地域の紛争なのに、遠い他国が介入しているのに改めてビックリしましたよ。
何でチェチェンが支援?とか・・・戦争がいかに無意味な行為であるかが非常に分かり易く伝わりました。
これロシアも合作の映画らしいのですけど・・・