「マティアス&マキシム」 (2020年)カナダ
前回グザビエ・ドラン監督にハマって一気見してから、劇場公開時に観れなくてずっと見たかった映画をようやく見た。

マティアス&マキシム(字幕版) - ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス, グザヴィエ・ドラン, ピア・リュック・ファンク, サミュエル・ゴティエ, アントワン・ピロン, アディブ・アルクハリデイ, ハリス・ディキンソン, アンヌ・ドルヴァル, ミシュリーヌ・バーナード, マリリン・カストンゲイ, キャサリン・ブルネット, グザヴィエ・ドラン, グザヴィエ・ドラン, ナンシー・グラント, グザヴィエ・ドラン
遊び仲間の妹が製作中の短編映画に、罰ゲームで参加することになったマティアスとマキシム。濃厚なキスシーンを演じたことで、互いの気持ちに気付いてしまう。間もなくオーストラリアへ旅立つマキシムの事が気になって仕事も上の空のマティアスは婚約者もいることから、マキシムに冷たく当たることで自分の気持ちに蓋をしていた。最後のお別れ会でついに・・・
親友を実は愛していた事に気付いて苦悩するというBLものでは定石の物語を、彼ならではの美しい映像で描いてみせている。
母とのこじれた関係性や胸に秘めた想いなど、ドラン監督ならではの感受性豊かな切なさが全編を覆っていて、今までの私だったら最も好き要素が入っているハズなのに、今回はそれほど萌えなかったのは何故かしら?
仕事にも身が入らない程一日中思い詰めるなどドラン監督自身の「想いの強さ」が強すぎたせいかな・・・
湖で頭を冷やすために思わず対岸まで泳いでしまったシーンは秀逸☆
「DEEP WATER底知れぬ愛の闇」(2022年)アメリカ

底知れぬ愛の闇 - ベン・アフレック, アナ・デ・アルマス, トレイシー・レッツ, リル・レル・ハウリー, ダッシュ・ミホク, フィン・ウィットロック, クリステン・コネリー, ジェイコブ・エローディ, レイチェル・ブランチャード, マイケル・ブラウン, ジェイド・フェルナンデス, グレース・ジェンキンス, ブレンダン・C・ミラー, デヴィン・タイラー, ジェフ・ポープ, ザック・ヘルム, サム・レヴィンソン, エイドリアン・ライン, アーノン・ミルチャン, ガイモン・キャサディ, ベンジャミン・フォークナー, アンソニー・カタガス
ドローン兵器のチップ開発で莫大な富を持つアレン(ベン・アフレック)は奔放な妻(アナ・デ・アルマス)が男友達といちゃついているのを見て見ぬふりをしていた。妻のお相手が次々と事故死するも、いつも冷静なアレンを周囲の人たちは疑惑の目を向ける人はいなかった。次第に不信感を募らせる妻は探偵や唯一疑いを持つ推理作家と夫の周辺を調べるのだが・・・
大金持ちが子供をシッターに預けて日々パーティー三昧なところで、もうなんだかなぁ~と思ってしまい、あまり感情移入出来ない(苦笑
奔放な妻が夫に嫉妬してもらいたいから他の男といちゃつくのを見せつけてるのは最悪まあアリとして、妻がアレンに「愛してる」と言っても決して自分から「僕も」と言わないクセに、嫉妬心がメラメラのあまり相手の男たちを亡きものにするって!ねじれた愛憎が、なぜそんな人間になったのか?と明かされないままなので少々消化不良になる。カタツムリが何かの暗喩だったのかと思ったらそうでもなさそうで謎。
冒頭のシーンがラストのシーンで、妻の涙の理由が判明するところはGOOD。
なにより表情少なめ俳優のベン・アフレックにはピッタリな役☆
「mid90s ミッドナインティーズ」 (2018年)アメリカ
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13歳のスティービーは強い兄に負けてばかりで悔しかったが、憧れてもいた。街で見かけたスケボー少年グループが気になり、たまり場へ出入りするようになると彼らは快く仲間に入れてくれて、ワルいことも沢山知った。深夜まで遊び歩くようになりタバコや酒やクスリに手を出した弟を心配した兄と母は、彼等へ絶縁するように直談判する。スティービーは構わず彼らの元へ戻っていくが…
コメディアンのジョナ・ヒルの初監督作品。あえて荒い画質にして自身の少年時代の思い出のビデオを見返すような感じに作られていて、まるでドキュメンタリーを見るようでもある。
誰にでも経験のある「ちょっとワル」に憧れる成長期の物語で、何とも愛おしくなる作品。何しろ普通の男の子が憧れる「ワル」の仲間が、別に悪ぶっているけどさほどはワルくない、まだまだあどけない顔をしているところも良い。
ただ、私はやっぱりどうしても母目線なので、心配しちゃうのも判るわ~ってなる。
クールな黒人のレイが「自分は最悪と思いがちだけど、周りを見るとよっぽど酷い家庭のやつが多いものだ」と静かに諭すシーンはぐっとくる。
この記事へのコメント
セレンディピティ
アマプラ、さりげなくよい作品を扱っていますよね。
マティアス&マキシム、mid90sはどちらも劇場で見ましたが、こういう繊細な青春映画、好きです。
マティアス~はいい映画だったんだけど、私もまだ~むさんと同じく、そこまで共感できなかったのです。2人の気持ちが本物であれば、たとえ遠く離れていても通じ合えるはず、と思ってしまって。でも情熱的な彼らは、片時も離れたくなかったのかかな?
https://blog.goo.ne.jp/serendpt3/e/694b881f2b28554be153cafc07c42fb7
mid90sは、あのジョナヒルがこんな繊細な映画を?という新鮮な驚きがありました。よい作品でしたが、これもまだ~むさんと同じく母親目線で見てしまってハラハラし通しでした。
https://blog.goo.ne.jp/serendpt3/e/9e07caf5fde48045b2718ca347cbaca7
DEEP WATERも見てみたいです。なんと、嫉妬にかられたベンアフレックが妻の相手を亡き者にするとは! ちょっとサスペンスタッチの作品なのですね。
ノルウェーまだ~む
>
「マティアス&マキシマム」はセレンさんが当時のレビューでちょっとね…といった感想だったのを覚えています。それで慌てて見ないで今頃になったのですが(笑
そうなんですよ~愛していたら遠く離れても、距離などは問題ないと思うのですが、まずは互いの想いを伝えるか否か・・・と言う所に視点が置かれていたのでしょうね。
「ミッドナインティーズ」もセレンさんオススメだったなと思いチョイスしました!一人っ子のおぼっちゃまキャラのジョナ・ヒルなので兄弟がいたとは!と思いました。
育ちがちゃんとしてる家庭の子でも、ちょっとワルに憧れたりってアメリカでもあるのね~なんて思いましたよ。
クスリでハイになっている弟を殴りながら泣く姿に、父親代わりの強い兄との絶妙な距離感が見事だなと感じました。
瞳
マティアス&マキシムご覧になったんですね。
http://teapleasebook.blog26.fc2.com/blog-entry-1269.html
監督自身の友人たちも出演してるということで、友だちたくさんでワイワイやってるところなんて監督自身の青春時代を思わせる作品だったのかな~と想像したりしました。
婚約者の女性の方がピンときて・・・っていうところなんて細やかでしたよね。
「底知れぬ愛の闇」もう!勝手にやってくれーー!って感じだったでしょ(笑)
2人とも共感できませんよね。映画の後、原作を読んだのですが、原作では夫の心中が中心で、妻は映画ほどミステリアスで魅力的には書かれてませんでしたよ~。
ノルウェーまだ~む
>
「マティアス~」リンクありがとうございます。
実際のお友達も出演だからこその自然体な演技だったのですね♬ マティアスが爪を噛み、マキシムがゆびしゃぶりって未成熟な感じも絶妙でした。婚約者の女性はピンときちゃって良かったのかな???
「底知れぬ~」の原作は夫の心の闇が中心なのですね?さぞドロドロでしたでしょう。映画の妻は魅力的で彼女の寂しい気持ちも判らないでもなかったけど、それにしても・・・ね?
ここなつ
「マティアス…」は、私はとーっても良くて、単なるBLではなくひとつの「青春もの」としてかなりハマりました。
でもまあ、お気持ちは何となく判ります。ドラン監督、色んな意味で濃い~いものね(笑)。
ところで「DEEP WATER~」って配信だけなのでしょうか?!観てみたいわん!
ノルウェーまだ~む
>
そうそう、濃ゆい~ですよね☆
それに母に対しても恋愛に対しても、物凄く重く思い詰めるタイプ。それだけ純粋で繊細ってことなのですけどね(笑
本来とーっても良いと私も感じる映画だと思うのですけど、今の私にはちょっと違う気がして~~
「DEEP WATER~」はAmazonオリジナルなんですよね。配信だけなんじゃないかな・・・