「さがす」 (2022年)アマプラ

さがす - 佐藤二朗, 伊東蒼, 清水尋也, 森田望智, 石井正太朗, 松岡依都美, 成嶋瞳子, 品川徹, 小寺和久, 高田亮, 片山慎三
妻をALSで亡くしてから無気力な父(佐藤二朗)が「指名手配犯を見つけたから報奨金貰えるかも♬」と言ったきり、行方不明になっていた。
中学生の娘は父の名前を騙って処理場で働いていた犯人を追うと、彼のポケットには父のスマホが入っていた。
てっきり父が殺されていると思った娘は・・・
「さがす」ものが次第に変わっていくというのがなかなか面白い。猟奇殺人者と父とのスレスレの駆け引きなどサスペンスフルな展開も見所ではあるけど、大阪の父娘の漫才のようなやりとりと恐ろしい事件とのアンバランスさが非常にユニーク。
ただし、あえてミスリードとはいえ冒頭のいい加減な性格の父と娘と、妻を失う前の献身的な姿にあまりに差があり過ぎるのと、身体が動かない妻の死因が問題視されないのはどうなの?と気になるところは多かった。
「朝が来る」 (2020年)河瀨直美監督作品 アマプラ

朝が来る - 永作博美, 井浦新, 蒔田彩珠, 浅田美代子, 佐藤令旺, 田中偉登, 中島ひろ子, 平原テツ, 駒井蓮, 山下リオ, 森田想, 堀内正美, 山本浩司, 三浦誠己, 池津祥子, 若葉竜也, 青木崇高, 利重剛, 河瀨直美, 髙橋泉, 河瀨直美
苦渋の決断で養子を迎える決意をした栗原夫妻は、赤ちゃんを朝斗と名付け慈しんで大切に育てていた。同級生の子供を身ごもった片倉ひかり(蒔田彩珠)は広島にある施設で出産後、栗原夫妻に子供を託したものの、世間体を気にする親に反発し、家を出て自活しようとする。6年後栗原家に少女がやってきて「息子を返して」と言うのだが・・・
まるでドキュメンタリーのように作られている。もしかすると主要なキャスト以外はドキュメンタリーを採用?と思えるような、自然体というか「演技をしてないけど本物の感情が溢れた表情」をしていて秀逸。
ドキュメンタリー風にちゃんと演じる浅田美代子や、ベビーバトンにいた出産間近の少女の涙など、あまりにナチュラルで中堅俳優たちの演技が嘘くさく見えてしまう程。
誰も悪くないけど多くの人たちが傷付いて、家族も崩壊してしまうのに、血の繋がりのない人たちが絆を深く家族以上の関係を築いている所が胸に刺さる。
エンディングの最後の言葉がいつまでも心に余韻を残してくれる。
「前科者」 (2022年)アマプラ

前科者 - 有村架純, 森田剛, 磯村勇斗, 若葉竜也, マキタスポーツ, 石橋静河, 北村有起哉, 宇野祥平, リリー・フランキー, 木村多江, 岸善幸, 岸善幸
中学生の頃の出来事を背負って仮釈放の人たちの保護司の仕事をしている阿川(有村架純)は、間もなく保護観察を終えて社会復帰が見込まれる真面目で寡黙な工藤(森田剛)を気にかけていた。ある日、警察官が撃たれ奪われた拳銃で2人の人が殺され・・・
当時は重たそうでさすがの私も二の足を踏んで劇場で観なかったけれど、評判通り素晴らしい映画だった☆
これは泣く!有村架純演じる阿川の朴訥で穏やかな話し方が、前科者だけでなく私たちの心も静かに癒し、諭し、そして救ってくれる。
辛い過去を背負った元受刑者たちにも寄り添おうとする姿を、彼女自身が贖罪の気持ちと格闘しもがきながら生きる姿勢と共に描くことで、綺麗ごとにしていないのが非常に良かった。
最近劇場公開されたばかりなのに早くも配信になっているものが多くてビックリ☆ 間もなく仕事を始めるので今のうちに見ておかなくちゃ♬
この記事へのコメント
latifa
私も「さがす」見ました。
凄い吸引力で、息をのんで最後まで見てしまう映画でした。
でも私も同じく、やっぱり刑事事件的に、それはどうなの?バレるよね・・・って処が残念に思いました。
息子さんからの紹介だなんて、いいなー!
親子で映画についてワイワイ話せるの羨ましいですー。
ノルウェーまだ~む
>
こんにちは~!コメントありがとうございます♬
そこですよね~?刑事事件的にも、「手伝わされていた」と証言して済まされることなのか?全てを実は練りに練って計画していて成功させたのなら相当な切れ者であるはずで・・・
息子が学生頃は反抗期でほとんど口をききませんでしたが、最近帰省すると家に居る間は一緒に映画を観る様になったりして、今が一番仲良しなんです。映画の話をLINEしたときだけ既読になるんですよ(笑
latifa
あ、上に私のコメントが。
「さがす」を見た時は、「前科者」の事を知らなかったのですが、新規で配信された事で興味を持ってみるに至りました。
最近配信開始になるのが凄く早くてビックリします。
私は嬉しいけど、制作会社の方とか経営のスタッフは大変だったりするのではないかなあ・・。
>彼女自身が贖罪の気持ちと格闘しもがきながら生きる姿勢と共に描くことで、綺麗ごとにしていないのが非常に良かった。
そうそう。そうなんですよねー。
彼女には幸せになってもらいたい!って強く思いました。
ノルウェーまだ~む
>
2度目のコメントありがとうございました!
多くの人が「善意」に対して疑問を抱き、理解出来ないことで彼らを「偽善者」と呼ぶことにいつも抵抗を感じていた私ですが、このお話のようにその心の奥に何らかの葛藤を抱えて、自分を滅して相対することで心のバランスを保ったりしている人もいるのかもしれませんね。
勿論色々な人が居るでしょうけれど・・・
そんな本音の部分も描かれていたのが良かったですよね☆