「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」☆全世界の頑張るお母さんへの応援歌に号泣

多分劇場で一番大泣きしていたのは私でしょう。もう号泣!!
だってこの映画は母と娘のお話だからね。
アカデミー賞を取ったのに世間でも振り幅の大きい評価なのは、子育ての経験もないような人にはまず理解が難しいからなんじゃないかなww

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」 公式サイト
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破産寸前のコインランドリーを切り盛りしながら、頑固な父親を介護しつつ、反抗期の娘と気弱な夫に何も任せられないと一人で悪戦苦闘しているエブリン。
税務署での申告で問題を指摘されている最中、豹変した夫に世界を救うよう指令を受ける。マルチバースに存在する様々な自分のスキルを獲得しながら、次第にラスボスに近づくが、それはなんと娘のジョイだった・・・

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本当はジャッキーチェンであて書きされたお話だったのが、様々な事情で主役をミシェル・ヨーに変更。多分これが成功のカギだったというか、ミシェル・ヨー演じる母と反抗期の娘の組み合わせだから、ここまで面白く感動的で魅力的になりヒットしたのだと思う。
アカデミー賞助演男優賞を獲得した『気弱な夫』役のキー・ホイ・クェンも特殊メイクも無しに全くの『別の自分』を演じ分けて見せて本当に最高! 
あの「インディージョーンズ」の子役の子は、あんなに上手だったのにどこに行ったのかな?と長年思ってきたので、俳優業に復帰してくれて本当に嬉しい~~☆
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自分がしっかりしなくちゃ・・・と何もかも一人で背負い込んで税務署へ向かう所から話は始まる。
「税務署職員は移民の敵」と感じているエブリンと、不正を見抜いてやる!と意気込む職員は最初から臨戦態勢なのだけど、きちんと事情を知ればカラオケ機材もお客様感謝デーに使われる必要経費だったと知ることが出来る。
先ずは相手に寄り添う事が必要なのだとこのマルチバースの世界の指ソーセージは教えてくれているのだ。
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戦いのシーンはとにかくハチャメチャでカオスもいいところ。
『突飛な事をやると、異次元への転送機のスイッチが入る』という混沌とした世界観は、監督があの「スイス・アーミー・マン」のダニエルズと知って納得!!トロフィーだってお尻に刺しちゃう☆
カオスでハチャメチャなのはあくまでもエブリンの深層心理を「イメージ」したもの。初めは思いつくのも難しかった「突飛な事」を、やすやすと思いつくようになって初めてエブリンは「母親はこうあるべき」「夫はこうであるべき」「頑固な父には従うべき」「娘の理想の姿」「家事も稼業も完璧にやるべき」「理想の家庭の姿」等々の既成概念の壁を飛び越えて、その向こうにあるシンプルに大切な『愛』に気付くのだ。
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ミシェル・ヨーの元ミスマレーシアの本領発揮。
駆け落ちしなければこんな未来があったかも、その時それをしなかったら・・・のIFの世界は、生きてきたら誰にでも経験があることでしょう。
エブリンはまさに私。ドンピシャでトロフィーはお尻じゃなくて胸の真ん中に刺さったのだった。(ちなみに駆け落ちもしてないし、夫にも不満はないけど)

時々渡辺直美に見える娘のジョイは、日本カルチャー好きなダニエルズ監督が絶対彼女を参考にしているとしか思えないww
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加えて監督は今敏の「パプリカ」「もののけ姫」のファンなのだそう。成る程ね~~!これまさにパプリカの影響大だわ~~
パプリカの精神世界のように崩壊寸前になる前にブラックベーグルホールから逃れるためには、きちんと言うべきことは言ってそして愛も伝えるのが大切なのだとこのカオスな映画は単純に教えてくれるのだ。
エブエブ最高!!

この記事へのコメント

  • margot2005

    こんばんは。
    絶賛ですね。
    実はかなり眠っていたので、石が出てきて??だったりしまして。
    これ確かに親子、夫婦、家族愛ですね。
    息子と母の愛だったら号泣していたかもです。息子の母です。
    「スイス・アーミー・マン」で納得です。私は途中挫折しました。
    クールな、ミシェルと異次元のキーホイかっこ良かったです。
    オスカーの多様性を示した映画でしょうか?
    2023年03月25日 21:37
  • ノルウェーまだ~む

    >margot2005さん
    >
    寝ていらしたのですね!?(笑
    家族愛の話なので、これが仮に息子でゲイとして登場しても同じように泣いたと思っています~~☆
    確かに最近アジア系の監督さんや俳優さんが注目されてますね。
    「スイス・アーミー・マン」に途中挫折ですか?あれも相当ぶっ飛んでいましたものね・・・
    2023年03月25日 23:19
  • 風情☭

    こんにちは♪

    >夫にも不満はないけど

    の 「 けど 」 が気になるところではありますが…。

    それはそれとして、まぁ言いたいことは十分以上に解っているつもりではいるんすけど、
    昨今流行りの マルチバース やら ポリコレ という設定やワードに囚われすぎたという
    か、理解するのに時間を要して置いていかれ気味になったりで、いまいちケツの穴…胸
    に突き刺さるものが… でした。
    2023年03月26日 11:28
  • ノルウェーまだ~む

    >風情☭さん
    >
    理解は不要なんですよね~
    きっと監督のダニエルズこそ、理解しにくいマルチバースの世界観に一言申したくてこのような、あえてカオスな世界観をぶち当てて来たんだと思います。
    ちなみに彼らの描く映像は「説明」ではなく、「感覚」なんだと思うんです。
    その映像から感じるものが答えで、結果「訳わかんない」という感覚がある意味正解なんですよね・・・
    混沌としたものから感じる、何となく不安な気持ちを、一回シンプルに整理すると残るのが「愛」なんです。
    2023年03月26日 12:53
  • ノラネコ

    なるほどジョイは渡辺直美!
    そう言えば彼女は「ミニオンズ」でミシェル・ヨーの吹替え担当してましたね。
    カオスな映画に見えて、実はハリウッド王道の親子ものってところが受けたんでしょうね。
    お見事な傑作でした。
    2023年03月26日 22:37
  • ここなつ

    こんばんは。
    ご覧になったのですね!そしてとても気に入られてらっしゃるようですね。
    ちょっと目まぐるしくて複雑な展開でしたが、割とわかりやすいお話だったと思います。
    そう、おっしゃるように、母娘の子育て物語なのですよね〜。私たちには(と同列に括ってすみません)わかりみが深かったのかも。

    アカデミー賞についてはね、私はアジア勢総なめが何だか…?と訝しく思ってしまいました。なーんか、この年はこんな傾向!と決め打ちしていたような気がして。
    2023年03月26日 22:59
  • ノルウェーまだ~む

    >ノラネコさん
    >
    ジョイのカラフルな衣装やメイクや髪型が渡辺直美じゃなかったですか!?絶対意識していると思うわ~
    「ミニオンズ」で彼女がミシェル・ヨーの吹き替えだったの知りませんでした。っていうかミシェル・ヨーが声だったんですね?

    お話は複雑そうに見えて、実は王道の親子ものなんですよね♪
    実に見事でした!!
    2023年03月26日 23:11
  • ノルウェーまだ~む

    >ここなつさん
    >
    そうそう、母親にとっては「わかりみが深い」お話でしたね☆
    娘世代が観てもわかりみ深いと良いのだけど・・・

    アカデミー賞は実は昨年から結構アジア勢が頑張ってますよね~
    主演女優・男優賞はちょっとサービスし過ぎかな?という気もしました。
    作品賞は他を見回しても妥当かなぁ・・・
    2023年03月26日 23:16
  • にゃむばなな

    今の自分は数多ある過去の選択を繰り返してきた結果という事実を受け入れるのは、案外難しいことですよね。
    不満も不安も多々ありますが、この人生を送ってきたから今のこの幸せがあることだけは間違いないこと。

    あの日あの時あの場所で君に会えなかったら~僕らはいつまでも見知らぬ二人のまま!という歌詞を思い出しながら、この家族愛映画を楽しませていただきました。
    2023年05月23日 01:05
  • ノルウェーまだ~む

    >にゃむばななさん
    >
    沢山コメントありがとうございました。
    まさに小田和正ですね~☆
    失敗や成功を繰り返して今の自分があるし、過去に戻る事は映画じゃないから出来ない訳で、それならマルチバースの自分の力を信じて、良い方向へ自らの力で人生を変えていくしかないんですよね。
    2023年05月23日 14:27
  • latifa

    ノルウェーまだ~むさん、こんにちは!
    ツボにハマっていたのですねー。
    薄目で映画を見る前に、こちらの感想は以前ちらっと拝見していました。

    そっかあーー。私はあまりハマれなかったのが残念です。

    でも、これは中年の女性にして大正解。
    ジャッキーだったら、ここまでの作品にはなれなかったんじゃないかな?と思いました。
    2023年07月01日 09:32
  • ノルウェーまだ~む

    >latifaさん
    >
    そうそうそう!これは母と娘の物語だから成功したんでしょうね~
    まさに冴えない中年女性が私の等身大で、しっかりハマりましたよ♬
    latifaさんはイマイチでしたか・・・
    家事と仕事と様々な悩みを抱えていても、マイナスばかり追わないでハッピーに生きていけるヒントを貰えた作品でした☆
    2023年07月01日 11:42
  • こんばんは。
    コメントありがとうございます。
    子どもを持つ母の心に響きましたよね。
    >先ずは相手に寄り添う事が必要なのだ
    そうなのよね~、ついつい日々のことに追われたり、目の前のことにいっぱいいっぱいになってしまうけれど、相手の話を聞き、自分の話も聞いてもらう、そこから始まるんですよね。

    ちょっとカオスぶりがすごくて、中盤おうち映画ではうとうとしてしまったのですが、母の愛、家族愛はシンプルに伝わりました。
    キー・ホイ・クェンの演じ分けは素晴らしかったですね。
    2023年08月27日 19:35
  • ノルウェーまだ~む

    >瞳さん
    >
    そうそう!シンプルに母の愛に胸を打つ話でしたよね〜
    日々のアレコレに囚われて見えてなかった大切な物を、改めて見直さないと…と思いました☆
    シンプルな話なのにここまでカオスに仕上げるあたりは、やはり「スイス・アーミー・マン」の監督だなって感じ!
    是非そっちも見てみて下さいね☆成る程〜ってなりますよ。
    夫の七変化凄かったですね。演技が素晴らしかったです〜!
    2023年08月27日 21:53
  • ボー

    たしかに、異世界に行ったときは渡辺直美になっていてもよかったのでは、と思ったりなんかしちゃって、ほい!
    2024年03月31日 23:46
  • ノルウェーまだ~む

    >ボーさん
    >
    もう渡辺直美さんが異世界ですもんねwww
    2024年04月01日 11:35

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