さすが是枝監督!やっぱり私は是枝作品が好きだな~
これは私的今年の映画ナンバー1とここに断言します!
「怪物」 公式サイト
クリーニング屋で働くシングルマザーの麦野(安藤サクラ)は、愛する息子の湊が先生(永山瑛太)に度々暴力を受けていいると聞き学校へ乗り込んでいく。
しかし学校の対応に不信感は募り、遂にメディアを巻き込んで担任教師は退職を余儀なくされる。
先生は根も葉もない噂から、教師の職を追われ恋人も去ってしまったことで失望していたが、いじめの対象だった星川依里くんの作文を読んである事に気が付き・・・
羨ましいくらいに仲良しの母息子。色々な職場で色々な人に出会うけど、シングルマザーのご家庭のほうが、息子と仲良しという私のプチリサーチww
そんな仲良しでも、母には話せない秘密がある。
学校の対応はとにかく酷い。とはいえ、多くの学校が似たり寄ったりなのは事実でしょう。
私だって多分、同じ状況に置かれたら先ず学校へ行って同じことするし!それは何より子供を愛しているから。母親なら間違いなく。
とは言え、大切なのはきちんと対話すること。子供とも教師とも。まあ、それがちゃんと出来ないから学校でも様々に問題が起きるわけだけど。
物語は3部構成になっていて、それぞれの立場から描くことで、どんな食い違いが起きているかが次第に判明していく。
ただ「怪物だ~れだ?」という予告編と、「怪物」と言う題名に多くの人が騙されている。
この映画はどの人が怪物なのか?誰が悪いのかを追求する映画ではなく、彼らの手作り「怪物だ~れだ?ゲーム」のように、1人の人物は他人によって色々な見られ方をする・・・つまり見え方は人によって違うと言いたいだけ。
つまりこの映画を「こういう映画に違いない」と観客に思わせるミスリードが既に予告編から始まっていて、物事を一方向からしか見ることが出来ない我々を惑わせているのだ。
ねえねの友達からはLGBTの描き方に不満を持つ人も多いと聞いているけど、私は逆にここでLGBTを持ってくる必要性は無かったかなと。
彼の揺れる心情のせいで母に本当の事を言えない…と言う事にしなくても、子供は何でも親に話すかというとそうでもないのだ。それで勘違いや食い違いが起きて来る。親子の間でも。
長いトンネルを抜け、障害となる壁の向こう側へ辿り着いた二人については様々な憶測が飛び交うところ。私としては生まれ変わりについてしきりと話に出て来たので、やはり天国に着いたのかな?と。必ずもう一度観たくなるというのも納得だ☆
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この記事へのコメント
セレンディピティ
この映画、私も予告編を見た時には(おそらく)みごとにミスリードされて、子どもが先生からいじめを受ける話だと思っていたので、絶対に辛くて見れないだろうな、と思っていたのです。
この映画を見た知人から「ところが違うんですよ! 悪い人は誰もいないんです。しいていえば父親かな...」と言ってましたが、合ってますか?(笑)
いずれにしても、是枝監督作品ですから、見た人によっていろいろな解釈ができる作品なのでしょうね。
配信になってからになってしまうかもしれませんが、いずれ是非見たいと思います。
ノルウェーまだ~む
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そうなんです~恐れることなく是非ともご覧になってください!
「悪い人」は誰もいないと言えばそうだし、子供に確認せず思い込んで突っ走った母も、新任教師だからと言って生徒たちにきちんと向き合って事実確認しなかった教師も、学校を守るため新任教師に背負わせる学校も、自分の罪と向き合わない校長も、勿論『父親』も、みんな悪いんですよね、実は。
でもそれは誰にでもある事で、その一方的なものの見方から起こるズレが事態を悪くしていくお話なんです。
またいつか感想を楽しみにしていますね!!
にゃむばなな
大人は子供のためだとか、学校のためだとか、色々理由を付けますが、やっぱり最後は自分最優先がこじれて自己中心的になってしまうのが世の常。
子供の頃のように友達を労わる心を持てていない者こそが、怪物なんだなと思いましたよ。
ノルウェーまだ~む
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二人の子供たちの友情を見ていると、つくづくそう感じますよね。
大人の事情による思い込みや勘違いが、いかに愚かなことか。
初めから決めつけてしまうことで、世の中の色々な事が曲がっていくんですね・・・