旅も続くと疲れるもので…
久しぶりに自宅でのんびり配信映画。
「オットーという男」
オットーという男 冒頭10分映像(無料)(字幕版) - マーク・フォースター
気難しいオットー(トム・ハンクス)は、半年前に逝ってしまった妻を追って死ぬ準備をしていたが、向かいの家族が越してきて邪魔ばかりされ思うように死ねない。何かと助けを乞う隣人を見兼ねて手助けをするうちに、今まで気付かなかった近隣住人の様々な事情を知る事になり…
公開当時の評判では、スウェーデンのオリジナル版にかなり軍配が上がっていた記憶。
確かに本作だとインテリの妻が誠実さが取り柄のオットーに惹かれていくいきさつや、車愛が強すぎて親友と決別したくだりが少々伝わりにくく、またオットーが学位を取るシーンが有るために逆に隣人のメキシコ人夫婦との共通点を見出しにくくなってしまっている。
ただ、序盤から涙が終始ウルウルしてしまうのは、決して私がオリジナルを見ていて既にこの物語のあらすじを知っているからなのではなく、充分涙ぐむ良作であることに間違いはないのだ。
「フェイブルマンズ」 (2023年)アメリカ
フェイブルマンズ (字幕版) - ミシェル・ウィリアムズ, ポール・ダノ, セス・ローゲン, ガブリエル・ラベル, ジャド・ハーシュ, スティーヴン・スピルバーグ, トニー・クシュナー, スティーヴン・スピルバーグ, クリスティ・マコスコ・クリーガー, スティーヴン・スピルバーグ, トニー・クシュナー
子供の頃、列車を衝突させるシーンを何度も見たくて、ホームカメラで撮影する事に目覚めたサム。映画造りを趣味と言い切る父親に対し、芸術家として夢を追う母は彼を応援してくれたものの、両親は離婚、サムも新天地の学校でなかなか馴染めず…
配信になるのを楽しみに待っていた作品。ラストシーンの地平線修正に、スピルバーグの類まれなるユーモアセンスが光っている。
今でこそ一番人気の職業がYouTuberだったりするけれど、近年まで『堅実な職業』を自分の子供達に求めるのはごく自然な事。芸術家肌の母の支えがあってこそ世界のスピルバーグが誕生したと思うと感慨深い。
しかーし!ホームカメラで母の本心に気付くより前に、既に父には判っていたはず…映画のかなり早い段階から父可哀想すぎ!
予期せぬ真実を捉えるカメラと、捉えた真実から生まれる予期せぬドラマに魅了されていくスピルバーグ。何処までも真っ直ぐ歩いていくラストの後ろ姿は眩しい程に輝き、この後次々と私達を楽しませてくれる事になるエンタメの未来を思わせてワクワクが止まらなくなるのだった。
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この記事へのコメント
瞳
あら~!!実は私も「オットーという男」を見たばかりなんですよ~(*^-^*)一緒でしたね。
過去シーンはオリジナルの方が丁寧でしたね。そうそう、車愛のシーンもね、ちょっと伝わりにくかったですよね。
でもさすが、トム・ハンクス、抑えた演技で私も自然に涙が何度もこぼれました。マリソルさんもとっても魅力的でしたね。
「フェイブルマンズ」あのラストシーン、素晴らしかったですね。
映画への愛とワクワクが感じられましたよね。
やっぱりスピルバーグって映画作り最高に上手い!!って改めて感じました。
ノルウェーまだ~む
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アマプラで「オットー〜」が最近追加されたのでおおっと!!と見たんですけど瞳さんもですか⁉
やはりオリジナルの丁寧さがなくて、オットーがただの頑固者になっちゃってましたよね…
学のある妻とブルーカラーの夫の組み合わせも、オットーが学位を取ってるので何だか生かされず中途半端でしたが、充分ほっこりする映画になってたと思います。
「フェイブルマンズ」は非の打ち所が無い映画でしたね。さすがスピルバーグです!
セレンディピティ
「オットーという男」期待していたのですが、私にはあまりピンとこなかったのですね。
オリジナルを見ていないので何ともいえませんが、おっしゃる通りに描かれていて、オットーがただの頑固者に見えてしまったのかも。
正直言って、どうして妻が彼を好きになったのか、理解できなかったもの。
「フェイブルマンズ」よかったですよね。
好きこそものの上手なれ、というけれど、スピルバーグの映画愛が彼を映画の道へとまっすぐに導いていったんだろうな…と確信しました。
ある意味これまで好きなものに幼少期に出会えたことは幸せなことですし、好きなものをとことん突き詰めていったというのもすごいことですね。
margot2005
「オットー〜」Amazonに来ましたね。
これはやはり感動を呼ぶ映画なのでしょうね。
メキシカン夫婦の夫役の俳優。
少し前にTVシリーズの「リンカーン弁護士」を観て、
主演のマヌエル・ガルシア・ルルフォがあの夫だと気づきました。
latifa
お家で映画鑑賞、ゆったりできて良いですよね。
スピルバーグが誕生したご両親と環境、そういうのを見せてもらうと納得する処も多いし感慨深いですよね。
結構なプライベートを公にさらして作ったのに、大きな賞は取れなかったみたいで残念に思います。
オットー
私もヨーロッパ版を先に見て、こちらアメリカ版だったのですが、やっぱり本元版の方が先に見たせいもあるけれど、過去の描写が良かったかも・・と思います。
確かアメリカ版の青年をトム・ハンクスの実の息子さんが演じてたと後で知ってビックリでした。
ノルウェーまだ~む
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そうなんですよ〜!頑固者のオットーを妻が何故こんなにも愛していたか?何故最後にはご近所さんからも愛されたのか?その辺がオリジナルではしっかり描かれていたので、主人公を誰もが愛するキャラクターとして見ることができたんですが、本作ではその一番大切な部分が欠けていたように思います。是非オリジナルの方をご覧になって、この映画の本当の良さを味わって頂きたいわ☆
「フェイブルマンズ」は大好きな映画監督への道をまっすぐに突き進んでいく様が、ラストシーンにもしっかり描かれてましたね♬
ノルウェーまだ~む
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さすが色々と欧米のドラマや映画をご覧になっていらっしゃるから、よくご存知ですよね〜
私はちっとも気付かなかったですが、調べてみると私が見たことある映画の多くに出演している俳優さんでした!
「オットー〜」はじわじわと泣けますが、オリジナルの方がもっとずっと心温まる作品ですよね。
ノルウェーまだ~む
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特に大変な岩屋寺の奥の院遍路の後でしたので、ゆったり自宅映画で心身共に休息が取れましたwww
スピルバーグは両親のことだけでなく、ユダヤ人としてイジメに合ってたとか、同じ英語国民で白人なのに…と、環境が変わることで子供達に大きな負担になったり、大学に馴染めず中退してもちゃんと大成するのだと知ってしみじみしました。
「オットー〜」の若き時をトム・ハンクスの長男が演じてたのを知って見てたので興味深かったです(笑)似てましたね〜