テレワークも挟んでゆっくりとお正月を過ごして行った息子チョイスの映画祭もこれが最後。今回は古い時代の映画が多いせいか、どれも3時間近くて見るのも一苦労だったwa~今の若い子は逆にこのくらい古いのがエモいのかな?
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト」
イタリア・アメリカ合作(1968年)セルジオ・レオーネ監督
大陸横断鉄道でやって来た元娼婦の女は線路わきに広大な土地を持つ男と結婚する予定が、一家は既にギャングに殺されていた。土地の利権を巡って刺客を放つ強盗団のボス(ヘンリー・フォンダ)は、流れ着いた凄腕のガンマン(チャールズ・ブロンソン)に阻止され怒り心頭。黒幕である雇い主すら撃ち殺し、全てを奪おうとするのだが・・・
私が小学生の頃大好きだったチャールズ・ブロンソンが若くて超カッコイイ!(私の知ってる彼は既に中年だった…)善い人役が多いヘンリー・フォンダが悪役というのが当時話題だったそう。
夫となるべき人を殺したギャングをたらしこんでまでこの土地にしがみつこうとする元娼婦のしたたかさも、何故か可愛らしく見えてハッピーエンドを素直に喜んでしまう(笑)
息子はご存じ「荒野の用心棒」や「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・アメリカ」で有名なセルジオ・レオーネにハマっているのか、今回は「夕陽のガンマン」も、ついでに黒澤明の「用心棒」まで鑑賞。初めて「用心棒」を見たのだけど、もうマカロニウエスタンそのまんま。というか、カット割りから砂ホコリ舞う荒野の雰囲気まで逆にレオーネ監督丸パクリしてんじゃん!と知って、改めて世界のクロサワの凄さに感心したのだった。
「第七の封印」(1957年)スウェーデン
イングマール・ベルイマン監督
第七の封印 【4K修復版】 DVD [DVD] - マックス・フォン・シドー, グンナール・ビューンストランド, ニルス・ポッペ, ビビ・アンデショーン
十字軍遠征から妻が待つ城へ戻る途中の騎士の元へ死神がやってきた。生死を決めるチェスを申し込み一刻の猶予を貰うのだが…
キリスト教がベースとなっている?白黒だし騎士は「神の存在意義」について終始悩んで辛気臭いのに、いきなり登場したなりチェスの申し出をOKする死神がシュールでもう笑うしかない!テーマは真の「信仰」。特に面白いのは教会へ赴いた時にペストで死にゆく人々を壁画で描いていた絵師に、なぜこの様な惨状を絵にするのか?と問いかけて「その方が恐れをなして教会に人が集まる」とさらりと言ってのけるシーン。
ペストが蔓延する終末において、一緒に旅をしていた明るく陽気な旅芸人の夫婦だけが助かるラストも意味深。
「ドッグヴィル」(2003年)デンマーク
ドッグヴィル - ニコール・キッドマン, ポール・ベタニー, クロエ・セヴィニー, ローレン・バコール, ベン・ギャザラ, ラース・フォン・トリアー, ラース・フォン・トリアー, ヴィベケ・ヴィンデレフ
田舎の小さな村に女(ニコール・キッドマン)が逃げ込んできた。小説家のトム(ポール・ベタニー)は美しいその女を村の皆で匿う事を提案する。住人に気に入られる為に各家の手伝いをして徐々に受け入れて貰うようになるが、女を探して街からギャングや警官がやってきたことで戦々恐々とする。住民たちの要求は次第にエスカレートしていき…
こちらもキリスト教がテーマになっている。
床に町の地図が線で引かれているだけの、まるで舞台劇のような映画はとにかく斬新でユニーク。
しかし美しいニコール・キッドマンが次第に窮地に追い込まれていく話は決してユニークではなく、小さな村の市井の人々がどんどんと欲望を露わにして変貌していく酷い話になっている。
女を匿っているとバレると自分たちの身が危ない・・・という発想はあながち責められないとしても、それを良い事にあれやこれやを要求していって、最後は首に鉄の鎖と巨大な重りを付けさせられる!
なーんそれ!?と思ったら、実は彼女はイエスキリストを暗喩しているらしい。考察読んでようやく胸の落ち着かない気持ちが収まったww
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この記事へのコメント
ふじき78
題名長い。初公開時の「ウエスタン」という邦題が良いと思うなあ。なるほど絵が強いけどやっぱ3時間とか長い。そしてブロンソンに髭がないのはやっぱ不思議。
瞳
息子さんのチョイス!興味津々な映画ばかりだわ。
ブロンソン私も大好きですヨ(*^-^*)「ワンスアポン~」は昔観てると思うんだけど記憶が薄いわ。観返してみようかな。ヘンリー・フォンだの悪役って珍しいですよね。
「第七の封印」これは未見ですが、ベルイマン監督の名作なのでぜひ観てみたいわ。
「ドッグヴィル」そうそう、要求がどんどん酷くなるんですよね。昔見た時腹が立ったなぁーー。確かにイエスを暗喩してるというの、わかりますね。
ノルウェーまだ~む
>
こちらにも有り難うございます。
そうなんですよ~邦題は「ウエスタン」なんですよね。DVDには長い方の題名が書かれてました。
題名も長いけど映画も長いwww
若いチャールズ・ブロンソン格好良かったですよ~
ノルウェーまだ~む
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マカロニウエスタンはどれもまぁまぁ似てるので、見たっけ?ってなりますよね〜
実際見終わってから、見たことあるわっ!となること多々あります。
「ドッグヴィル」も実は2回目。その時は考察を読まずに、「えー?あんまりだわ」だったせいか印象良くなくてレビューも書かずにいたんだけど、改めで見てみると凄く面白かったんですwww
セレンディピティ
息子さんの映画の趣味、ほんとうに渋いですね。
どれも長編&なかなか重厚な作品ですが、いっしょにおつきあいしてご覧になるまだ~むさんもすてきです。うれしいお正月休みになりましたね。
さて、この3作品の中では「第七の封印」のみ見ています。
もう何年も前ですが、映画好きというからにはベルイマンくらい見ていなくては、と思って見始めたのですが、どれも難解で骨が折れました。一応私クリスチャンなんですけど...。
比較的わかりやすかったのは「秋のソナタ」(これは早稲田の名画座で見たのもいい思い出)それから「処女の泉」でしょうか。この2つは心に残っています。
ニコール・キッドマンがデンマーク映画に出ているとは珍しいですね。これはちょっと気になる。見てみたいです。
ノルウェーまだ~む
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ねー?なかなか渋いでしょう?ちょっと小さい頃から英才教育しすぎたかな?なんて思ってます(笑)
「第七の〜」は本当に難解でした。特に私はクリスチャンではないので、逆に外側から映画を楽しめたところもあるかな…やはり基本的な部分が判らないのでキリスト教の教えなど考察を調べちゃいましたwww
「秋のソナタ」良かったですか?ベイルマン作品他にも見てみようかな〜
「ドッグヴィル」は是非セレンさんの感想をお聞きしたいわ!
ごみつ
わ~、息子さんのチョイスが本当に渋くって、お母さんの映画好きの血をひきついでますね!
私も映画をよく見る様になったのは、父親が映画好きでテレビで毎日の様に見てたからなんですよね。
ところで!ベルイマンの「第七の封印」は超大好きな映画なので、今回の息子さんセレクトに入ってて嬉しい!
ずいぶん前にテレビ放映されたものを録画してあるので、近いうちに私も再見しよう~っと。
あと黒沢の「用心棒」は最高です。「椿三十郎」が続編みたいな映画なので、もし未見でしたらそちらも是非。
マカロニウエスタンも懐かしいですね~。「ドッグヴィル」も未見だからこっちも見てみたいです。面白そう。
ノルウェーまだ~む
>
わぁ~お褒め頂きありがとうございます。
私はバリバリハリウッド映画も好きなのですけど、息子は実に渋い方向へ突き進んでいるようです(笑)ごみつさんはお父様の影響を受けていらっしゃるのね♬
「第七の封印」お好きなんだ〜!?内容はペストが蔓延する世の中で死生観と宗教観と深刻なはずなのに、あのそこはかとない可笑しみが何とも言えませんよね〜
「椿三十郎」は未見なんですよ。探してみます!
「ドッグヴィル」は絶対好きと思いますよ。是非感想お聞かせください〜