試写会「カラー・パープル」☆スピルバーグスピリット

ストレートに胸に響く。
『黒人で女で貧乏でブサイク』(劇中の台詞)という逃れられない辛い運命を、様々な出会いによって自ら乗り越え切り開いていく爽快なラスト。辛すぎる前半はラストの為にある!

「カラーパープル」(2月9日公開予定)
1000015049.png
1906年、父との間に生まれた子を奪われたセリーは、妹の方を気に入っていたミスターに父に命じられて嫁ぐ事になる。前妻の子供3人を育てながら、夫の暴力に怯える日々を送っていたが、長男の結婚相手で自由に生きるソフィアと、セクシーな人気歌手となって街に戻ってきたシュグによって少しずつ気持ちが変化していく。
遂に家を出たセリーは…

1000015051.png冒頭からうら若き少女が父の子を生むという衝撃シーンからスタート。時代的にまだまだ差別が酷い時代だったとは言え、良くある黒人差別ものとは一線を画す覚悟をここで求められる。全編に渡って魅せてくれるパワフルな歌とダンスがあるからこそ過酷なストーリーにも耐えられる。
1000015053.png
この男が酷い!暴力夫に横暴な父、心の支えは亡くなった母の面影と、遠くへ行かざるを得なかった妹(ディズニー映画アリエルのハリー・ベイリー)のみ…ってあんまりだわ!
正直1985年のスピルバーグ作品の時代には非常に重要だった黒人差別テーマも、このコンプライアンスがちがちの時代に今更?と思いながら見ていたけれど、人種に関わらず起きるDVの問題・家族による搾取・親都合の教育など現代でも通じるテーマが多い。
1000015052.png
街中の男達をメロメロにする尻軽女のシュグが意外といい奴!
今回試写会で登壇したLiLiCoと3時のヒロインも大好きなキャラと絶賛してたwwwかなでは劇中のダンスを見事に披露してたYO
Screenshot_20240131-085805.png
(写真は中日スポーツさんより拝借)
どちらかと言うと、1985年のスピルバーグ版のあとに作られたミュージカルをそのまま実写にした感じ?(スピルバーグ版は未見)
特に親からの悪しき教育に影響を受け続ける父に対し、父の横暴を嫌悪し真逆の夫婦関係を築く息子という、時代の流れを感じる展開は秀逸。
1000015050.png
ラストはしっかり爽快で、今回も制作に名前を連ねているスピルバーグのスピリットがしっかり受け継がれているといった印象。
天罰が当たってちゃんと改心したり遺産も手に入ってな都合良さは気になるけど、やっぱり弱者が救われてくれないとね☆
楽曲は本当に素晴らしく、観ていて一緒に踊りたくなる!

この記事へのコメント

  • セレンディピティ

    まだ~むさん こんばんは。
    カラーパープルの試写会、楽しまれたようですね。
    私はスピルバーグ版を見たのはだいぶ前なので、だいぶ忘れてしまっているのですが、衝撃を受けたことはよく覚えているわ。
    黒人差別の映画も辛いけれど、同じ黒人同士の中で、しかも家族の中で、このような暴力がまかり通っているということが、よけいにつらく感じてしまったの。(「プレシャス」でも主人公が父親の子どもを産み、そのことで母親にいじめられるという設定でしたが)昔は黒人社会ではこういうことはよくあったのか、それも教育を受けられなかったことの弊害なのか、といたたまれない気持ちになりました。
    でもそういう過酷な物語も、音楽がすばらしければ、あまり辛くならずに見れるかもしれませんね。
    女性たちの友情物語でもありましたね。
    2024年02月03日 21:54
  • ノルウェーまだ~む

    >セレンディピティさん☆

    私はオリジナルのスピ版は見てないんだけど、当時見たら相当衝撃的だったでしょうね〜
    でもね実は父の子を…の部分は後で真相が分かるので、この物語の中では逆に救いになるんですよ☆
    「プレシャス」は本当に辛い映画で胸をかきむしられたけど、今作は殆どが歌パートだし、その中でも悲しい歌がなくて、どんな時でも元気を貰えるので大丈夫~
    女性同士の強い絆が救いになって、モチロン最後は爽快です!
    2024年02月04日 09:38
  • ノラネコ

    オリジナルを観てると、ちょっとダイジェスト感がありますが、よくできたリメイクでした。
    ミュージカルも見事でしたが、キャラクターの立て方はやっぱスピルバーグはド天才と言うのを改めて感じました。
    こっちも皆好演してるんですけどね。
    2024年02月21日 21:21
  • ノルウェーまだ~む

    >ノラネコさん
    >
    なるほど~歌を歌っている時間が多いから(結構1曲が長いですよね)その分、物語パートがダイジェストになっちゃったのかな?
    オリジナル版をいつか見てみたいデス。
    2024年02月22日 16:22
  • 小米花

    ご無沙汰しておりました。
    ノルウェーまだ~むさんのブログは変わらず丁寧でしっかりした記事ですね。
    私はコロナ禍、映画館鑑賞をすっかり怠ってしまって、ほとんどAmazonプライム鑑賞となっていました。
    なので、以前書き込ませて頂いてたお友達ブログから足が遠のいてしまった状態でした。
    映画館へも少し行くようになりましたので、またお邪魔させて頂きますね。

    カラーパープル、旧作を見たのは随分前でその衝撃が印象に残っていたため、リメイクを見ているという感覚から脱しきれないまま見終わってしまった感じです。
    でもこちらの映画はとにかくエネルギッシュで元気を貰えました。
    2024年03月10日 20:59
  • ノルウェーまだ~む

    >小米花さん
    >
    確かにそうですね~!特にミュージカルであることで、歌からパワーを貰えて、より一層このテーマにぴったりだったのかもしれないです。
    旧作はまだ未見なのですけど、そんなに衝撃が強かったんですね?
    私もアマプラ鑑賞が多めなので、カラーパープル旧作の無料配信待ちですww
    2024年03月11日 00:32

この記事へのトラックバック

人気記事