「哀れなるものたち」☆ヨルゴス・ランティモスわ〜るど炸裂

ヨルゴス・ランティモス作品が好きなのである。彼の監督作品が全て何らかの賞を受賞しているからなのではなく、彼の作品と共鳴するからなのだ。

「哀れなるものたち」
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自殺したベラ(エマ・ストーン)はお腹にいた胎児の脳を移植され、大人の身体を持ちながら赤ん坊の状態でアンバランスに成長していた。創造主であり父でもある博士(ウィリアム・デフォー)は、解剖学の生徒を記録係として連れて来る。結婚する前に外の世界を観たいと熱望したベラは、金持ちのダンカン(マーク・ラファロ)と旅に出る。遊び人のダンカンと欲情に耽る日々だったが…
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アンバランスさを表現した不協和音と広角レンズで歪んだ世界がモノクロで展開され、いきなりのヨルゴスワールドへ引きずり込まれる。
デフォーさんの、実の親に身体をツギハギにされた哀しき科学者も見事。沢山キメラを飼っているので、なんてことを⁉と思うけど、自分がされた事に比べたらまだソフトな方なのね…
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時代は古い様なのに、近未来感もある摩訶不思議なゴシックホラーな世界観。
きらびやかな衣装やお城のようなお屋敷に目も眩むけど、そんなことは問題じゃないようなトンデモナイ話が展開していく。
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彼の作品と共鳴すると書いたけど、正直「性」に関する感覚だけはどうも相容れない。
彼の作品では独特な性描写が欠かせないのだけど、いつもSEXに愛が介在しない。ギリシャ神話の影響か?監督は人間を動物と捉えているフシがあり?「ロブスター」でも犬に変えられた兄と暮らしている。それであのラスト(笑)
私は博士の脳を移植するんじゃないんかーい⁉とツッコんじゃったけどwww
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躾をちゃんとしなかったせいなのかベラは性に奔放。その倫理観も一般常識も無い無垢な女性を、良いように利用してきた「哀れなる者たち」。彼女に翻弄され、愛を知ってから初めて苦悩するマーク・ラファロが絶妙だったwa でも本当に純粋無垢なのは医学生のマッキャンドレスだと思わない?

最終的に読書の歓びを覚えてから、大人の女性と言うより「人間」として成長を遂げて開放されるラストは確かに爽快〜☆私としては子どもの成長は食欲の後に知識欲、その後が性欲だと思うんだけどね…

この記事へのコメント

  • こんばんは。
    まだ~むさんのレビュー楽しみにしていましたヨ。
    いや~、まさに同感です!!摩訶不思議なゴシックホラー、監督の作品の世界観って毎回スゴイ!!
    そんな世界であんなトンデモナイことが次々に~~ですもんね。

    >私としては子どもの成長は食欲の後に知識欲、その後が性欲だと思うんだけどね…
    そうですよね~、ベラは身体が大人だったので、先にそっちに気づいちゃったんでしょうネ。まるで何か面白いことを発見したかのようでしたよね。

    マッキャンドレス・・・可愛い人でしたよね。でも意外と現実的なことも(性病検査)指摘したしっかり者だったわ!(^^)!
    2024年02月02日 20:40
  • ここなつ

    こんにちは!
    遂にご覧になったのですね!
    ヨルゴス・ランティモス、一体どこへ行くのだろう…!と恐れおののく作品でした。
    一応、赤ちゃんから少女から大人の女への変貌ストーリーなのだけど…やり過ぎだろ!と(笑)。

    弊ブログの東京国際映画祭時のレビューにいち早く来てくださって、ネタバレ炸裂だったので、興味が削がれないか心配でしたが、無事鑑賞されたようで本当に良かったです。
    2024年02月02日 20:54
  • ノルウェーまだ~む

    >瞳さん
    >
    マッキャンドレスがある意味唯一まともだったって事なのでしょうね(笑)
    ちなみに倫理観だけの問題ではなく、男性と違っていくら身体が大人でも精神面と性欲は密接に関係してるから、先にそっちに気付くことは無いんじゃないかなぁ〜と私は思ってます。
    とは言え、この映画はそこが物語のど真ん中なので、急速な発達に教育が追い付かなかったって事で〜(笑)
    2024年02月03日 11:48
  • ノルウェーまだ~む

    >ここなつさん
    >
    無事鑑賞できましたよ〜!
    本当にヨルゴス監督、何処まで行っちゃうんですかね??っていうか、もっとこの先があるのか?心配になっちゃうくらい。
    ホントやり過ぎだろ〜?でしたね(笑)
    ここなつさんのレビューで興味を削がれるどころか、これは観なくちゃ!でしたょ。
    改めて感想書かせて頂きますね☆
    2024年02月03日 11:54
  • にゃむばなな

    この作品が面白いのは、男性の感想よりも、女性の感想の方が一つも二つも深く掘り下げられていること。
    なので女性の感想を拝読すると、私を含め男性陣は自分もやはり「哀れなるものたち」だと思ってしまうのではないでしょうか。
    やはり男という生き物は傍から見ると滑稽ですね。この映画を見て、久宝瑠璃子さんの名曲「男」を聞いて、改めてそう思いましたよ。
    2024年02月08日 12:50
  • ノルウェーまだ~む

    >にゃむばななさん
    >
    やはり男性と女性では感じ方も違うかもしれませんね。
    ヨルゴス・ランティモス監督はその点、人間と動物を区別しないというか(すぐ人を動物に変えるので)動物的本応が優先されがちな「哀れなるものたち」と、人間のあるべき姿を対比させることで、動物とは違うんだよと伝えたいのかなって思いました。
    2024年02月09日 10:17
  • latifa

    ノルウェーまだ~むさん、こんにちは!
    私も見ました。
    面白かったわ。

    >ギリシャ神話の影響か?監督は人間を動物と捉えているフシがあり?「ロブスター」でも

    これ、そうだなーって思ったわ。
    ロブスターは面白く見たけど、もう結構忘れかけちゃってるなあ。

    >子どもの成長は食欲の後に知識欲、その後が性欲
    そうだよねー 
    人によっては性欲あんまり無い人もいるし。
    知識欲も個人差あるかー。
    前にユーミンかな?黒柳徹子さんとの会話かな?
    性欲より知識欲の方が旺盛で・・って言ってた。
    2024年02月10日 10:08
  • ノルウェーまだ~む

    >latifaさん☆
    >
    「人間は考える葦である」というだけあって、動物との違いはその「知識欲」にあると思うんですよね。
    勿論、既に生殖機能が大人なベラだから、そこがアンバランスだと言う事なのでしょうけど、脳の機能は身体の動きに密接に関わっているので、特に女性はそう都合よく簡単には「幸せ」に導かれたりしないと強く訴えたいですww
    多分、徹子さんの仰る通り、知識欲は性欲に勝るので、ベラの様に学業に励んだり沢山趣味がある人は、すっかりそっちに興味を失うのかも??
    2024年02月10日 16:55
  • ノラネコ

    最後人間をヤギにしちゃうし(笑
    動物的な人間たちが蠢くこの世の中で、最も被支配的な動物的な存在であった主人公が、洗練された大人になることで解放されてゆく。
    なかなかに捻くれた、ランティモス的世界観を堪能する怪作でした。
    まあ他の人には作れない映画なのは間違い無いですね。
    2024年02月11日 15:40
  • ノルウェーまだ~む

    >ノラネコさん
    >
    ヨルゴス監督、すぐ人間を動物にしがちですよね~(笑)
    彼の人間というものの捉え方が、一種独特というか「所詮人間は動物」と言いながらも、それを打ち砕こうとしているのが判って、物凄く面白いんですよね。
    「籠の中の~」でもそうでしたけど、男が作り出した『女性性』の殻をぶち破るところが何とも爽快でした!
    2024年02月11日 22:52

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