ねえねの歯科治療を待っている間、昼間の丸亀城を見学したのち香川遍路はまた続く。
「79番札所 天皇寺」 公式HP
讃岐で『憤死』した崇徳上皇の御霊を鎮めるために、境内に崇徳天皇社が建立されているお寺。憤死~!
奈良時代に行基が開基、入り口には『俗世と霊地との結界』を意味する三輪鳥居があり正面口が天照大神、向かって右口が胎蔵界、左口が金剛界を象徴しているそう。
1156年、崇徳院は保元の乱をおこし後白河天皇と戦うが敗れ、流刑となったこの地で戦死者の供養と反省を込めて血で5つの写本を書いて差し出したが、京から送り返されてきたことで憤慨し舌を噛み切って、その血で「この経を魔道に回向(えこう)す」と書き込んで憤死した
そんな物騒な歴史があったなんて全く感じさせない、整然と綺麗に整えられた境内はとても静かで穏やかだった。
「80番札所 国分寺」 公式HP
741年聖武天皇の勅願により全国に創られた国分寺の1つ。(各国にある)かつて金堂や七重塔があった事を示す礎石は、気付かず見過ごしてしまいそうだけど往時の隆盛が偲ばれて見事。
四国最古で国の重要文化財になっている銅鐘は大蛇が被っていたものを弓の名人が退治して寺に寄進したという伝説がある☆
鐘の柱に書かれた説明がウケる。どうやら高松藩主が高松城へ持ち去ったが鐘が鳴らず、悪病が流行し毎夜「いぬ、いぬ(帰る)」と鐘が言う夢を見たので慌てて返したという事らしい。
大師堂はなんと多宝塔にある。手前の納経所兼お土産屋さんの一角から拝む形になっているのでゴチャゴチャした印象ww
鎌倉時代に再建された入母屋造りの本堂も重要文化財で素晴らしいお寺なのに、納経所のお婆さんが延々同僚のお婆さんを𠮟りつけているし、男女一緒のボットントイレが不衛生。相当立派なHPをお持ちで新しく仏像も製作中らしいのに…?
「81番札所 白峯寺」 公式HP
標高377mの白峯山に弘法大師が宝珠を埋めて井戸を掘り堂を建立。やっぱり山のお寺は趣があって良いwa
7つの梵屋根が連なる珍しい山門を抜けるとすぐに護摩堂に併設された納経所。ここで別のお寺から出向して来てるというお坊さんの娘さんで3歳くらいの女の子につかまり暫くお話相手にww
鐘を突いた後、100段近い石段を上がって行く。途中にある薬師堂はひつじ・申、行者堂は丑と寅、阿弥陀堂は午・イヌ・亥年など十二支守りになっているので自分の干支をお参りしながら行く。 紅葉には少し早かったのが残念~(10/28)
整然と整えられた本堂・大師堂をお参りし、階段を下りて頓証寺殿(とんしょうじでん)へ。
この地で憤死した崇徳上皇を白峯御陵に葬ったことで変事が起きた為、上皇の霊を祀ったのがここだそう。
頓証寺殿の左奥のうっそうとした林の中にひっそりと御陵遥拝所がある。「雨月物語」の第一章「白峯」に書かれた『西行が上皇の怨霊と論戦を繰り広げ読経で霊を沈めた』場所らしい。何やらここだけ重苦しい空気が漂っていたのは気のせいではないと思う…
このあと訳あって高松の繁華街にあるビジホへ向かう時に、ナビに「この辺りは車上荒らしが多いのでお気を付けください」と言われドキドキしながら向かったらなかなかのホテルだったという話はまた今度。
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この記事へのコメント
セレンディピティ
今回ご紹介くださったお寺、それぞれに「怨」のエピソードがあって
まるで横溝正史の小説のモデルになりそう...。
ちょうど初秋にいらしたのですね。
少し色づき始めた木々、秋晴れの空が美しく
お写真を拝見すると、趣のあるお寺という風に見えますが
お話をうかがって改めて拝見すると
三輪鳥居も、御陵遥拝所も、どこか不気味に思えてくるから不思議です。
ノルウェーまだ~む
>
ね~本当に仰る通り!
こんなにも青空なのに、それまでもが逆におどろおどろしく見えてくるから不思議です。
ただ、歴史に疎い私はその『憤死』事件を良く知らないまま参拝してたにもかかわらず、特に白峯寺の御陵遥拝所はここだけ空気が重たかったのは事実なんです!!
私あんまりそういうの信じたり感じたりしない方なんですけどね・・・
瞳
いつもながらにまだ~むさんの丁寧なお遍路レポに頭が下がります。
「白峯寺」紅葉にはまだ早かったのですね。でも緑の中にちらほら色づいてるのがとても綺麗です。
山のお寺の雰囲気って特別感がありますよね。なにやら重苦しい雰囲気・・・きゃぁ~~(>_<)
あら?「国分寺」の納経所で?それは残念な光景に出会いましたねぇ・・・。
ノルウェーまだ~む
>
なんと!嬉しいお言葉~!本人的にもやや飽きてきているので(笑)、そのように言ってくださると本当に嬉しいです♪
昨年は本当にいつまでも夏の様に暑かったので、紅葉が遅かったんですよね…10月末だったけどホントにチラホラって感じで残念でした。
それでもほぼ晴天に恵まれて、山のお寺はどこも実に気持ち良かったです。なんかね…香川の山のお寺のすっかりファンになりましたよ☆