追悼アラン・ドロンがいっぱい「太陽がいっぱい」「黒いチューリップ」「あの胸にもういちど」「サムライ」

世界で最も知られた永遠の美男子アラン・ドロンが逝去した。恥ずかしながら、あろうことか作品を1つも見た事が無かった私。今回はアラン・ドロンがいっぱいで☆

「太陽がいっぱい」 1960年 フランス・イタリア fulu
太陽がいっぱい[HDリマスター版](字幕版) - アラン・ドロン, モーリス・ロネ, マリー・ラフォレ, エルノ・クリサ, ビル・カーンズ, ルネ・クレマン
太陽がいっぱい[HDリマスター版](字幕版) - アラン・ドロン, モーリス・ロネ, マリー・ラフォレ, エルノ・クリサ, ビル・カーンズ, ルネ・クレマン
金持ちのフィリップをアメリカに連れ戻す命を受けやってきたトム(アラン・ドロン)は、出自をイジられたり金で女遊びを繰り返す彼に不満を持っていた。恋人のマルジェは彼と喧嘩して途中でヨットを降りたのを見計らいフィリップを殺して彼に成りすましていたが…
先日リメイク作品の「リプリー」の方から見てしまったけど、人間の複雑な心境を描いている点でリプリーの方が深みがある。
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ただ、60年以上も昔の作品でありながら、ちっとも色褪せないのはアラン・ドロンの美しさだけではない、古い映画とは思えないテンポの良さとしっかりとした物語があってこその名作なのだと納得した☆

「黒いチューリップ」 1963年 フランス・イタリア・スペイン合作
黒いチューリップ (字幕版) - アラン・ドロン, ドーン・アダムス, ヴィルナ・リージ, ドワイト・ワイスト, クリスチャン=ジャック
黒いチューリップ (字幕版) - アラン・ドロン, ドーン・アダムス, ヴィルナ・リージ, ドワイト・ワイスト, クリスチャン=ジャック
フランス革命の少し前のこと、貴族を襲っては金を奪う「黒いチューリップ」と言う盗賊がいた。しかしその正体は女たらしの貴族のギヨーム(アラン・ドロン)だった。素顔を隠して民衆からは義賊としてもてはやされていたが、正体を明かそうと必死な憲兵隊長と決闘となり顔にキズを付けられる。ギヨームは弟(アラン・ドロン2役)を呼びよせ、自分の身代わりとなって貴族のパーティへ出席させ疑いを晴らすことに成功。しかし…
昔よくあったタイプの気軽に見られるコメディ。まさにアラン・ドロンの美しい顔を拝顔するための映画だけど、デジタルリマスター版とはいえ60年も前の映画とは思えない華やかさがある。
物語のディテールは大雑把だし、剣術が下手だし、夜のシーンは真っ暗でよく見えないしで、歴史活劇なのに不思議と眠くなっちゃう~ でも2役やったアラン・ドロンは性格の違いをちゃんと出して別人に見える点は素晴らしい!
ラスト憧れていた兄を失った(?)悲しみが全く描かれてないのが昔の映画っぽいww

「あの胸にもういちど」 1968年 イギリス・フランス
あの胸にもういちど(字幕版) - ジャック・カーディフ, マリアンヌ・フェイスフル, アラン・ドロン
あの胸にもういちど(字幕版) - ジャック・カーディフ, マリアンヌ・フェイスフル, アラン・ドロン
新妻のレベッカ(マリアンヌ・フェイスフル)は退屈な学校教師のレイモンと幸せな結婚をする予定が、スキーロッジで逢ったダニエル(アラン・ドロン)との一夜が忘れられずにいた。結婚祝いにダニエルに貰ったバイクで、結婚して2週間も経たずに国境を越えてダニエルに会いに行くレベッカは…
なんじゃこりゃ⁉
何しろバリバリ60年代の『サイケデリック・モータームービー』だもの?自由恋愛が当時ヒッピーの影響を受けた最先端でカッコイイものだったかもしれないけれど、これではもうAVじゃん。
アラン・ドロン映画というよりは主役は当時のアイドル歌手マリアンヌ・フェイスフル。彼女がアイドルだというのに大胆に惜しげもなく全裸を披露し、峰不二子な素肌皮スーツ姿に加えキュートな幼顔でエロティックにバイクを乗り回す、若妻が一人ずーっと欲情していて意味不明なオジサン大喜び映画になっている。

「サムライ」 1968年 フランス
サムライ(字幕版) - アラン・ドロン, フランソワ・ペリエ, ナタリー・ドロン, ジャン=ピエール・メルヴィル, ジャン=ピエール・メルヴィル
サムライ(字幕版) - アラン・ドロン, フランソワ・ペリエ, ナタリー・ドロン, ジャン=ピエール・メルヴィル, ジャン=ピエール・メルヴィル
孤高の殺し屋ジャン(アラン・ドロン)は標的のクラブ経営者を始末したが、クラブの歌手と出くわし顔を見られてしまう。警察の厳しい取り調べでは彼女の嘘の証言により釈放されるが、部屋に盗聴器を仕掛けられ、依頼者からも命を狙われてしまう。自分の命を付け狙う依頼者側のヒットマンから新たな仕事の依頼を受け…
台詞はほとんどなく、ひたすらクールで格好良いアランドロンを愛でるフィルムノワールになっている。
せっかくならもう少しアップを多用して彼の美しい顔を拝みたいところだけど、引きの「ただ歩く」姿を追うのが多くて、正直眠くなってしまったww
ラスト昔の映画あるあるで、銃をめちゃくちゃ撃ち込まれるのに「ううっ」ってやって倒れるだけで、大切なシーンが台無しになってしまうけど、孤高のサムライが本当の「ボス」=クラブの歌手に対して空の銃をもって自分の死を選択する究極の侍道が超クールでこれはフレンチフィルムらしい名作といえる。

この記事へのコメント

  • latifa

    ノルウェーまだ~むさん、こんにちは!
    わー、一杯ご覧になったのねー。

    太陽が・・は、先にリプリーを見ちゃってたか・・・。
    それじゃあ、そこまで内容にハラハラはしなかったですよね。私は小学生の頃だったかな?見て、すごく面白くてね。以後たまに見返してるお気に入りの作品です。

    あの胸にもういちど
    瞳さんちで紹介されてるのを見て、私も鑑賞したんだけど、すごいよねー。色々びっくり、でも凄く楽しませてもらいました。アランドロンはちょっと脇役でしたね。

    サムライ
    これが一番最近見た映画で、確かにアップが少ないのよね。もったいない。もっと全盛期の美しさをハッキリ見たかったと今になって思う映画でした。


    2024年08月23日 07:07
  • ノルウェーまだ~む

    >latifaさん
    >
    「サムライ」はただただ歩いているシーンが長くて、ちょっとその辺りで眠くなっちゃったもんだからアップを見たかった!って書いちゃったんだけど、ポスターを見ても彼の青いはずの目が黒く見えるのね。きっと美しいドロンを起用しておきながら「あえて」引きを多用して醸し出すクールで孤高なサムライのイメージを大切にしているのかも?って思えてきました。
    latifaさんのところでアラン・ドロンで検索したけど「あの胸に~」が見つけられなくて…山猫は無料配信が無かったのが残念でした。
    2024年08月23日 09:36
  • こんにちは。
    まあ!!すごい!!まだ~むさんの「ドロン」祭り。ドロンがいっぱい!(^^)!たくさんご覧になりましたね。
    私も1日1ドロン作品中です(*^-^*)
    「サムライ」そうそう、歩くシーンがすごく長いのよ!!ただただ歩く、濡れた石畳、台詞なし!でもどのシーンも絵になるんですよね。
    危険を察するのはカナリアの様子で、中折れ棒をささ~っとなぞるところとか、シビレマス。
    「あの胸にもう一度」なんじゃこれーー!!ぷぷぷ~~!!でしょ、でしょう(笑)変な映画なの。でも強烈。
    「太陽がいっぱい」のドロンの、あの下から上を見る、野心に満ちた表情がたまりません~~。
    「黒いチューリップ」は長らく観てないので、これは再見したいなーー。
    2024年08月23日 14:48
  • ノルウェーまだ~む

    >瞳さん
    >
    瞳さんのオススメの「地下室のメロディー」は無料配信がなかったので残念だったけれど、お陰様で楽しいドロン祭りができましたよ~
    「サムライ」の中折れ帽を撫でる姿は本当にカッコいいよね♬
    私ジョニデが「パブリック・エネミーズ」でハットをさーっと撫でる所が究極カッコいい!って思っていたけど、このドロンを真似しているのかも?
    「黒いチューリップ」はウケました!フランスもあんな風な軽いコメディ作品作るんだな~って。フランス語上手だなって思ったら、ドロンはフランス人でしたねww
    2024年08月23日 22:41
  • セレンディピティ

    まだ~むさん こんにちは。
    わ~、ほんとうにアラン・ドロンがいっぱいですね!
    私もこの機にアラン・ドロン作品祭がしたいけれど、NETFLIXではひとつも見つけられなくて。

    ご紹介くださった中で「黒いチューリップ」以外見ています。
    この中ではやっぱり「太陽がいっぱい」が一番の傑作ですね。
    「リプリー」の方が細かいところはよく描けているのだけれど、ラストの衝撃は断然「太陽~」に軍配が上がります。(あと主題曲ね) 今でも忘れがたい名作です。
    「あの胸に~」はとんでも映画だけど、おかしくて、おかしくて。裸にレザースーツ。私は汗くさくならないか、心配になりながら見ていました。(そこじゃない)
    「サムライ」は孤高のアラン・ドロンが魅力的だけれど、たしかに映画としてはやや退屈かもね。カナリアの存在が彼の孤独をよく表しているような気がしました。
    2024年08月24日 15:00
  • ノルウェーまだ~む

    >セレンディピティさん
    >
    うんうん、ドロンのトムはお金目当て感が強くて、屈折した感じはリプリーに軍配だけど、ラストシーンは「太陽が~」がなかなかの衝撃でずっと良いよね☆確かに名作でした!
    素肌レザースーツ、確かに洗濯できないもんね(笑) もうまともな感覚では太刀打ちできない作品でしたね。
    「サムライ」はやっぱり時代的にちょっと悠長なかんじだったけど、邦画の60年前のものと比べると、ずっとクールで当時最先端だったんじゃないかなと思いました。カナリア良かったよね~ウンウン
    2024年08月24日 18:46

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