パパンが愛してやまないのがつげ義春と大友克洋とスティーブンキング。その大友克洋原作の「童夢」を下敷きに作られたのがこの「イノセンツ」で、しかもノルウェーの団地が舞台といったら見ない訳にはいかない~!ずっと配信になるのを心待ちにしていたのだった。
「イノセンツ」(2023年)ノルウェー・フィンランド・スウェーデン・デンマーク
イノセンツ - エスキル・フォクト, エスキル・フォクト, ラーケル・レノーラ・フレットゥム, アルヴァ・ブリンスモ・ラームスタ, ミナ・ヤスミン・ブレムセット・アシェイム, サム・アシュラフ, エレン・ドリト・ピーターセン, モーテン・シュバラ
私のトラウマコミックの1つ「童夢」がベースというだけに、ポスター写真からもうドキドキがハンパ無い。
ちなみにもう1つは「富江」本棚にも置いておきたくないもんね。
引っ越したばかりで旅行に行けないイーダは自閉症の姉の世話を頼まれ、ほとんどがバカンスに出てしまった静かな公園で退屈な日々を過ごしていた。そこで友達になったベンには不思議な力があり、次第に危険な遊びはエスカレートしていった。
姉のアナにも人の心を読めるアイシャが友達となり、その力でアナは単語を話せるようになって両親は喜んでいたのだが…
このお砂場でよく子供を遊ばせてたな~ちなみにバケツやスコップなどは自由に使えるように置きっぱなしになっているyo
舞台になっているアパートメントは中産階級~中の下くらいの人が住む一般的なもので、福祉が手厚い北欧では母子家庭や移民の人でもこういった住まいは保証されている。まぁとにかく税金が高いからね。ちなみに我が家もこのような山の上の見晴らしの良いアパートメントに住んでいたyo
最初からどんどん殺人が起きる「童夢」に比べると、中盤以降まで何も起こらないのに、何故かヒヤヒヤヒリヒリとした空気感が漂っている。
日本の巨大団地の特有の薄暗さは無いし夜の10時くらいまでは明るい北欧の夏なので、どうやって不気味さを出すのかな?と思っていたけど、最近の『明るくて怖い』北欧ホラーテイストでそこは充分カバー。何が一体怖いのか?強いて言うならその『静けさ』と少年のエスカレートしていく無垢な危うさにあるのかも。
自閉症の姉役をやった子が超絶上手!
「童夢」ではチョウさんのビジュアルが怖かったので、今回登場人物がほぼ子供のみなのは助かった~
ある意味危険で強大な力を持つ少年を、弱い力のサイキック仲間とやっつけるのは「AKIRA」と同じで、心配するほどには怖い事にならない。宙に浮かんだり団地を崩壊させたり…みたいな派手な展開を期待しているとちょっと肩透かしになるかも☆
ちなみにパパンの感想:童夢の感じそのままだった。団地の無機質な感じも良く合っていた。オスロの郊外にもあんな高島平みたいな団地があったんだな…
童夢 - 大友克洋/伊豆一彦, 伊豆一彦
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この記事へのコメント
latifa
ご覧になったのねー。
ノルウェーに暮らしていた時のエピソード等楽しく読ませて頂きましたよ。
いいなー、高台のアパートメント、素敵だなー。
>「童夢」ではチョウさんのビジュアルが怖かったので、今回登場人物がほぼ子供のみ
それ。
子供だからか、マイルドに感じました。
パパンさん、うちの夫と同じ時期に同じ市の大学生だったかもだし、大友さんファンという共通点があって嬉しいです♪
瞳
コメントありがとうございます。
まだ~むさんもこういう感じのアパートメントに住んでいらっしゃったのね。砂場、あらっ、バケツやスコップも置きっぱなし。ちゃんとみんなそのまま置いとくのね。
本作の下敷きになってる「童夢」気になるわ~。
>強いて言うならその『静けさ』と少年のエスカレートしていく無垢な危うさにあるのかも。
怪物とも狂気とも違う、なんだろうこの怖さと感じてましたが・・無垢な危うさ、まさにそれでした!!
そうそう、それほどの事態にはならないんだけど、この地味なヒタヒタヒタ~~とくる怖さに私は弱いんですよ(>_<)
ノルウェーまだ~む
>
ノルウェーではオスロ湾と山々が遠くに見える高台の赤い煉瓦のアパートメントに暮らしていて、傾斜に沿って階段状になった広いテラスで今思えばとんでもなく優雅な景色だったのに、初めての子育て&駐在で手一杯でそんな贅沢な景色もあまり楽しめてなかったかな~
エレベーターも無くて5階までバギーを担いで登った日々を映画を見て思い出しましたよ。
ご主人様のお話聞いて、私も同じくらいの年齢??と思ってたけど・・・まさかの札幌?意外に近しい方だったりしてww
ノルウェーまだ~む
>
そうそう、イノセンツ=無垢だけに、初めは蟻塚(これ森にいっぱいあるんです!)を壊して遊ぶ、子供だったら誰でもやりそうな事から始めて、ミミズ→とエスカレートしていく。でも普通は大人がちゃんと教育して止めていくわけだけど、あのネグレクト気味の母もあって危険な遊びがどんどんいっちゃうのね。
特に強大な力を持っているだけに、留まるところを知らない怖さがあって、「物(人)を壊す」を遊びにしちゃう恐ろしさっていうか…
静かに怖い~~これ北欧ミステリーの特徴なんですよね☆
margot2005
演じる子供たちが皆素晴らしいです。
バカンスで人が消えた住まい周辺。そして短い北欧の夏。
ノルウェーにお住まいだっただけに、感慨深いものがあったことでしょう。
>高島平みたいな団地ってパリの空港から中心部へ向かう途中にもありました。どこの国にも高島平はあるみたい。
映画今一度見てみたいと思います。
ノルウェーまだ~む
>
子供たちの演技素晴らしかったですねぇ。
高島平的な団地って大きな街ほどありますね。イギリスにもありました。
その点、ノルウェーは人口が少ないし山がちな土地なので、こういった簡素な団地群はそう多くないんですよね。
この簡素さが不気味さにいい味付けをしてました。
ノラネコ
日本とノルウェーに共通するのが団地文化というのが面白かったです。
こちらの団地はだいぶ寂れて、映画みたいに子供達がたくさん遊んでる風景はあんまり見なくなりましたけど。
ノルウェーまだ~む
>
まさに仰るお降り~見事な仕事ぶりでした!
日本ではアパート・団地・マンション・億ションと別れていて、海外の全てアパルトメントと呼ばれる集合住宅とはちょっとイメージが違う気もしますが、このオスロ郊外の無機質なアパートメントの雰囲気は、「童夢」の団地を彷彿とさせますよね。
今は日本でもリノベされて団地が若い人に人気らしいですよ。また子供たちの声が聞こえて来るかも~
ちなみにキョンキョンのNHK「団地のふたり」の団地は私が子供の頃過ごした団地で撮影されたようです🎵